テーマ
いつもありがとうございます。
今回は『テーマ』について。
ファンタジーに限らず、小説を書くなら『テーマ』をきめましょう、などと作法本などではよく見かけます。
『テーマ』をしっかり持った作品と言うのは、読みごたえがあって、非常に面白いことが多いです。何より、作品がぶれにくいです。今回はファンタジーを書いてみたい! という初心者の方向けに、私流、テーマの選び方を書いてみることにしました(おこがましいことでございますが)
すでに、執筆なさっている方は、『だから、秋月の作品はぬるいのねー』などとお気持ちをゆるーく読んでいただけるとありがたいです。
さて。
自分一人で答えを出すことが難しいような、人種問題や宗教的な問題、政治的問題などを、ファンタジーは、丸くオブラートに包みながら訴えることが出来るジャンルです。しかし、執筆する限りはある程度の覚悟がいるし、説得力や内容の面白さがなければ、高尚なテーマを取り上げる場合、テーマにこだわるあまりに、小説が説教めいてきてしまう場合があります。
私ごとですが。
東日本大震災の前になります。
『原発』を頭の隅に置いて、『ひとは魔法を捨てられるか』という主題のファンタジーのプロットを練ったことがあります。
魔法を使えば、魔界が広がる。魔界を滅する最後の、最強の魔法が、『魔法の放棄』である。
まあ、そんな感じのプロットです。
途中までは、順調にストーリーが思い浮かぶのですが……結論がどうしても出せずに、執筆には至りませんでした。
(もし、このアイデアを使いたいと思う方がいらっしゃいましたら、どうぞご自由にお使いください。この件に関して、当方、権利など主張致しません。私の頭では、処理不能なテーマでしたので。)
特に、震災後は、さらに私の頭では処理不能なアイデアとなってしまいました。
もちろん、結論が出せない、というエンディングもアリはアリなのですけどね。
重いテーマを扱うということはすばらしいのですが、面白くなければ誰も読んではくれませんし、自分なりの調査や視点がしっかりしていないと、物語は上手く転がりません。
テーマと言うのは、作品の主題ですから、自分がある程度ストーリーを引っ張っていけるだけの『こだわり』がないといけません。
ちなみに。
なろうに載せている私の連載ファンタジー作品のテーマを例として挙げてみます。
『魔人の花嫁』 →プラトニックラブ
『星蒼玉』 →チャンバラ
実に、ゆるいテーマ(本当にテーマなのか?)であります。ふざけてはいません。
秋月は、プラトニックなジレジレな恋愛は大好物ですし、チャンバラアクションに関しては、そんじょそこらの男子より語ります。
テーマだから、と大仰に考えるのではなく、『一番書きたい』と思っていることを主題としております。
私の小説執筆の原動力は、あくまでも『自己の煩悩を満たすこと』でありますから、低俗ではありますが、それでよいと思っております。
ただひとつ、ファンタジーのテーマはやはり、ファンタジーならではの視点を使って、転がすようにしたいですね。
ハーレムものでも、乙女ゲームでも、主人公最強でも、それが『ファンタジー』でなければ書けない『視点』で話が転がっていくのであれば、それは立派なファンタジーです。
そして、そうやってこだわり抜いて書かれた作品であれば、古典的なファンタジーファンであっても、作品を喜んで読んでくれるのではないかと思います。
理想はあくまでも高く。
現実は、深海海底より低い(泣)
そもそも、この連載のテーマがゆるすぎる(笑)




