なろうのファンタジーについて
なろう流行りのファンタジー世界についての、私の個人的な意見です。
まず『便利すぎ』だと思うのです。
魔法があれば、何でもできる……そうかもしれませんが。
中世西洋風の世界で、上下水道完備、清潔な街。
特に、結構な頻度で見かける、お貴族様のお家のお風呂シーンは、あまりにも現代的過ぎます。
水道の蛇口ひねって、お湯が出るのが当たり前って、本当に最近なんですよ!
まあ、すべてを忠実にしろ、なんて思いません。
魔法で解決なら、それでもいいんです。そういう設定であれば、です。
ただ。とにかく何でもアリな力押しなファンタジーなら、何があっても驚きませんが、リアルなタイプのファンタジーだと、引きます。
ファンタジー小説は、どんな世界を作ってもそれは作者の自由です。
ただ、その世界一つ一つに、『出来ること』『出来ないこと』がきちんとあって、しかるべきです。
ひとを生き返らせることが可能な奇跡があるような世界なら、それでもなお、人が死んでいく理由を考えねばなりません。
主人公はとにかく最強で、何でもあり。
そういう世界も、アリですが。
それを面白く感じさせるには、実は、読者の常識を無視するくらいの勢いと筆力が必要です。
何でもアリという世界は、実は簡単な小説ではありません。
もちろん、なろうには、その系列で面白い作品を書かれる方はたくさんいらっしゃいます。
しかし、素人が、簡単に手を出して同じように書けると思ったら大間違いです!
資料がなくても、知識がなくても、ファンタジーは書きやすいジャンルです。
しかし、作者の力量が試されるジャンルでもあるのです。
文章だけではなく、アイデアや、世界のパワーバランスなども考えて、はじめて成立するジャンルだと思っています。
どうかその辺りを念頭に置いて書いていただければと一読者として思います。
自分のことは棚に上げる。
自己反省もせねば…