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成長物語

いつもありがとうございます。

 今回のテーマは「成長」です。


 ファンタジーというのは、主人公年齢がティーンエイジャーであることが多いのと、読者層がやっぱり若年層が多いため、名作とよばれるものは、多かれ少なかれ、主人公の成長ものであることが多いです。

 やはり、弱々しい主人公が、肉体的にも精神的にも強くなっていくお話というのは、読後、清々しい気持ちになります。


 ただし。なろうでは、このビルディングもの定番ファンタジーは、残念ながらあまりウケません。

 他の方もたくさんエッセイなどで分析していらっしゃることなので、あまり詳しくは書きませんが、結局、このビルディングものというのは、途中、『挫折』や『鬱』を乗り越えるのが定番だからです。


 小野不由美先生の『十二国記』の『月の影、影の海』などはその最たるものです。

 とにかく、上下巻の上巻はとことんまで、主人公である陽子は追い詰められます。圧倒的な筆力で、グイグイとストーリーで読者を引っ張ることのできる小野先生だからこそ、出来る手法。下手したら、下巻、売れません(笑)


 ところで。

 読者としてはこの成長もの、とても好きなのですが、自分では書いたことはありません。

 私の小説の主人公は、ほぼ二十代がほとんど。ファンタジーに限らず、二十代を過ぎると、人間ってそうは成長しないものです。

 もちろん、現実には、試験を受けたり、勉強したり、スキルアップというのは、本人にやる気があればいくつになったとしても可能ですが、小説でそのようなスキルアップというのを読んで、果たして『成長』物語として読めるかどうかは謎だと思うのです。

 人間性という面で考えていくと、大人が主役の場合、『成長』よりも『不変』のほうがカッコイイこともあります。なんでも『成長』しなくちゃいけない、ということではないと思うのです。


 ファンタジーではありませんが、ディック・フランシス氏の『度胸』では、競馬の騎手である主人公は、ある事故によって、どんどん『臆病』というレッテルを張られて、精神的に追い詰められますが、ある時を境に自分を取り戻していきます。

 (詳細はネタバレになるので書きません)

 このお話、このように書くと『成長もの』のように見えるかもしれませんが、『成長』というよりは、『自分』を取り戻すお話で、鬱展開からの解放というプロセスを通ってはいますが、成長と呼ぶには、もともとの人間性が優れ過ぎている気がします。


 余談になりますが。

 小説を書くときの『文章力』というのは『成長』していくものらしいですが、『面白さを嗅ぎ分ける嗅覚』というのは、どちらかというと時とともに『迷走』しがちなのだそうです。思い当るフシもあったりして、ちょっと悲しい。


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