伝奇ものは、ファンタジーとは違うのか?
どうでも良いことではあるのだけれど、『伝奇』ものが、なろうのジャンルにはないです。
ここで、疑問。
霊能力バトルものは、どこに入るのでしょう?
実は、自分の作品で、『伝奇オカルト』っぽい話をどこに登録するか、随分悩んだことがあります。
ホラー、というほど、恐くない。ファンタジーというのは抵抗があり、結局、恋愛ジャンルに登録するというほとんどジャンル詐欺のような登録をしたわけですが、その作品、『SF』とおっしゃる方がいらっしゃって。
あれ? これって、SFなのか? と思ったりして。
SFというとサイエンスフィクションだから違うかなあ、と、思ったりもするわけですが、超能力ものは、SF扱いされていることが多いです。
平井和正先生の『幻魔大戦』はやっぱりSFというイメージがあるし、山田正紀先生の『神狩り』は、どう考えてもSFです。
では、菊池秀行先生の『魔界都市<新宿>』はSF?
一応、都市設定はSFっぽいけど、魔道士が出てきます。それって、どうなのかなあ。ジャンルなど、面白ければどうでも良いのですけれども。
ホラー、ではないし、バイオレンスアクション、とか、そんなジャンルタイトルが付いていた気はする……。
小説ではないけれど、たとえば、藤田和日郎先生の「うしおととら」。これは、果たして、ジャンルは何なのだろう。
伝奇アクション? ホラー? それともファンタジー?
これはSFじゃないですよね?
世の中にはジャンルミックスというものがあって、SFとファンタジー、そしてホラーなんかは、分離できないグレーゾーン作品というのは往々にしてあります。
菊池秀行先生や夢枕獏先生の作品なんかは、そのグレーゾーンにどっぷりハマっていて、一応、SF全盛期世代のデビューでいらっしゃるので、SF作家さんとしての認識が強いですけれど、もう十年遅いデビューでいらっしゃれば、ファンタジー作家さんと呼ばれても不思議ではないと思ったり。
そもそも、霊能力って、超能力なのか、魔法なのかどっちなんでしょう。
これは、作品にもよりますから一概には言えませんが。
妖魔退治ものが、現代ならSF、過去ならファンタジーというような区分は、かなり乱暴な気もしなくもありません。
あとは、忍法ものは、いわゆる和風のファンタジーだと思うのですが、あまり、そういった認識はされてはいません。
ファンタジーは、西洋風でなければいけない訳ではないのですが、どうも和風ファンタジーは、ファンタジーと名のっていない気がします。
伝奇、という言葉があるせいかもしれません。