竜とドラゴン
いつもありがとうございます。
今回のテーマは『竜』と『ドラゴン』。
これ、通常、「=」で結んじゃっているけど、外見も違うし、背景にある思想はもっと違う気がするものです。
『竜』はもちろん、東洋の『神聖』ないきもので、『神』でもあります。
空は飛びますが、羽はありません。たいていは鱗のある身体です。
そして、ここが一番違うところは『自然の具現化』した姿であるので、善でもあり、悪でもある、『超越者』という位置づけが多いと思います。
『ドラゴン』は西洋の『凶悪』なモンスターです。
まれに、良いドラゴンもおります。羽があります。たまに炎も吐きます。
たいていは、勇者に倒されるモンスターとして登場します。
ミヒャエル・エンデの「果てしない物語」のフッフールという名の竜は、ドラゴンではなく、東洋風の竜です。
エンデは、『ネバーエンディングストーリー』という映画で、製作スタッフのデザインした竜ファルコンの姿に、激怒したというお話はあまりにも有名です。
まあ、アノ映画については、ストーリーにかなりの改変等問題があり、裁判沙汰になった作品ですから、竜とドラゴンは違うという意味で取り上げる作品でもありませんけれども。
ビジュアル的に、東西折衷ドラゴンで、もっとも有名なのは、鳥山明氏デザインの『ドラゴンクエスト』ではないかと思います。
(ドラゴンボールの神龍のことではないですよ)
基本的なデザインは東洋風。でも、西洋ドラゴン。この鳥山氏のデザインは、竜とドラゴンの違いに、革命的な変革をおこしたように思います(たぶん)
このドラクエのビジュアルが、とにかく、神のごとくあがめる竜と、悪魔のように恐れるドラゴンが、なんとなくイコールで結ばれてしまったように、私には思えます。(あくまでも、私が思うだけ)
余談になりますが、『大蛇』も、洋の東西で随分扱いの違う生きものです。
もちろん、日本においても『大蛇』は、化け物扱いされていることが多いのですが、どこか『神格化』している部分があります。農耕社会において、蛇は『ネズミ』を食べる生き物であったため、大切にされていた側面があります。
(私は、田んぼの蛇に石を投げて、バーチャンにひどく怒られたという過去があります)
ちなみに。
竜は、めったに退治されませんが、ドラゴンはしょっちゅう退治されます。
女の贄を出された場合、竜は嫁に(むりやりのこともある)ドラゴンは食用にすることが多々あることから見て、ドラゴンの方が、生息数が多く、しかも動物的なのかもしれません。
秋月作品の竜は、『竜』です。ドラゴンではありません……。
訂正とおわび。エンデの幸福の竜はフッフール。
ファルコンは映画版の名前です。
記憶違いでしたので、訂正いたしました。