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FOX  作者: 井鷹 冬樹
6/22

第6話

デリック・フォックス X市警 警部補

アラン  ・・・30代、数学教師

ビル   ・・・50代、弁護士

キャサリン・・・30代、デザイナー

エリカ  ・・・20代、大学生

フランク ・・・40代、医者

ハリー  ・・・70代、元軍人

イザベラ ・・・30代、国語教師

ジェームズ・・・30代、新聞記者

ケリー  ・・・30代、女優

ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人

ローラ  ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ

胸から血を流しながら水の入っていないプールのど真ん中で倒れているビルに、デリックは走って近づき、脈を調べたが、駄目だった・・・これで、2人目だ・・・デリックは、ジェラルドにあらかじめ手渡されていた。トランシーバーで、ジェラルドと交信をとる。

「ジェラルドです・・・」

「デリックだ・・・大変なことが起きた。今すぐ来てほしい・・・フランクを連れてきてくれ・・・なるだけ彼の医療バッグも持ってきてくれると助かる・・・」

「はぁ・・・・かしこまりました。すぐに・・・」

 デリックは、トランシーバーを切り、遺体となってしまったビルを、近くにあった、ブルーシートで覆い隠した。

 それから10分後、フランクとジェラルドがやってきた。腕時計を見るとすでにジェームズが姿を消した午後7時から4時間が過ぎていた。デリックは、簡易医療バッグを持ってきたフランクに状況を話す。

「いきなり呼んで、悪いな・・・」

「なんで、こんな所に呼び出したんだ? 普通なら立ち入り禁止で誰も入れないはずだが・・・」

 ジェラルドも話に加わった。

「そうですよ。普通ならここは誰も出入りできないようになっておりましたよ。何故、あなたが入ってこれるようになっていたのか教えていただきたいです」

 デリックは、ブルーシートに向かって左の人差し指で指し示した。

「これでもか・・・?」

 フランクはブルーシート引っ剥がした。そこには、遺体と化したビルの姿があり、フランクは衝撃のあまりに目をそらした。

 ジェラルドも言葉を失った。

 フランクは、

「どおりで俺を呼んだわけだ・・・」

 デリックもフランクの呼んだ理由として、

「あんた、医者は医者でも元検視官だからな・・・ビルの死因を知りたい・・・」

「分かってるよ、その前に、どうして知っている?」

「うん・・・?」

「俺が検死をしていた事を・・・?」

「あんたを見たことがあるからさ・・・警察署内で・・・」

 フランクは、一息つき、デリックの言うとおりにする

「分かった。分かった。まさかせっかくの休暇で来たのにしたいとご対面とはな・・・」

 フランクはビルの瞳孔を確認したり、死因を調べたりしている。その間に、デリックは棒立ち状態のジェラルドに話しかける。

「ジェラルドさん・・・」

「・・・あ、ああ、なんでしょうか・・・?」

「今から、モニター参加者達を西館のバルコニーに全員、集めてください。そうそう、ローラさんもお忘れなく・・・」

「か、かしこまりました。では、すぐに・・・」

 ジェラルドは、急いでモニター達が泊まる部屋がある東館へと向かって行った。それと同時にフランクが検死し終わり、デリックに話す。

「ふぅ・・・やれやれだ、死因が分かったよ・・・デリック」

「そうか・・・それでどうだった?」

「死因は、左胸からの失血死だよ。死後1時間ってところだ・・・どうやら、刺し痕から見て、2,3回刺されているな・・・」

「そうか・・・どうやら俺達が食事を終わらせた後、ここに呼ばれて何者かに刺されたってわけだ・・・」

「ああ、そういう事になるな・・・」

 フランクは軽い検死を終わらせて、立ち上がる。

「とりあえず死体をここに置いたままにするのはいかがなものと思うが・・・」

 デリックは、フランクの意見に同意だったが、しかしどうしようもない状況であることに変わりはなかった。仕方なく近くのブルーシートに隠すことを提案する。

「確かにな・・・でも、ここに残しておくしかない。ブルーシートに覆うしか無いだろう・・・」

「そうだな・・・それなら大丈夫だろう」

 フランクも同意した。デリックは、フランクの医療バッグの裏に刺繍がされているのが見えた・・・名前の様だが、一瞬だった為、すべての文字を見る事はできなかったが、フランクの綴りと、ファミリーネームの最初の1文字は見えた。確か・・・《F》だったような気がする。

 デリックは、宿泊しているモニター全員に対してある事に気付いた。


(そういえば、ファミリーネームを訊いたことがないな・・・)


 デリックは、フランクに簡単な質問を訊いてみた。

「フランク・・・1つ訊いてもいいか?」

「ああ、何だ?」

「お前のファミリーネームは何だ?」

「ああ? 一体、どうしたんだよ? 急に・・・」

「いや、答えてくれ・・・必要なことでさ・・・」

「ああ、それなら、俺の名は、フランク・フィル・フォックスだが・・・」

 デリックは、驚きを隠せなかった・・・

「フォックス、だって・・・」

「ああ、フォックスだ・・・それが一体、何だって言うんだよ?」

 デリックは、黙り込み、死体と化したビルを見つめる。フランクは、デリックのいきなりの質問に驚き、答えた後すぐに黙り込んでしまった事に、デリックに対する疑念を覚え始める。フランクは質問の意義は何なのかをデリックに問う。

「なぁ、デリック・・・あんた、さっきの質問は一体どういう意味なんだ?」

「ビル・ステファン・アンデリウス・フォックス・・・・」

「はあ?」

 デリックは、ビルのスーツのポケットに入っている財布を見てつぶやいたものであり、そこにはクレジットカードや弁護士バッジなどが入ってあり、クレジットカードの裏にはビルのフルネームが記載されていた。

「あんたもフォックス、ビルもフォックス、そして、俺もフォックスだ・・・おかしいと思わないのか?」

「何が? 偶然だろ?」

「偶然に《フォックス》がファミリーネームの3人が集まるわけがないだろ! 恐らくだが、モニター全員がフォックスだよ・・・」

 フランクはデリックの発言の意味をつかむことができず、頭の中で複雑になったままこんがらがった。それを横目にデリックは、考えていた。

「このホテルのモニター達は、何かを隠しているのではないか、そもそも、このホテルに俺やモニター達を招待したオーナー・・・ジョン・ドゥが誰かすらもわからない状態だ・・・」

 フランクは、考え込んだままのデリックに注目を向けるよう、両手でパンッと叩き振り向かせる。

「ともかく、この場所から移動しないか? 気味が悪くてしょうがない・・・西館のバルコニーまで移動しよう移動しながらどういう状況かを教えてくれ」

 デリックは、フランクの提案に賛成する。

「ああ、そうだな1人ぐらい協力者はほしいところだったからな・・・」

 デリックはそのまま、フランクを連れて西館へと向かうことにした・・・

下手くそです。 超展開になる事はお許しください。


読んでいただけたら幸いでございます。

誤字脱字等ありましたらご指摘のほどよろしくお願いします。


話は、まだまだ続きます。

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