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FOX  作者: 井鷹 冬樹
4/22

第4話

《登場人物》

デリック・フォックス X市警 警部補

アラン  ・・・30代、数学教師

ビル   ・・・50代、弁護士

キャサリン・・・30代、デザイナー

エリカ  ・・・20代、大学生

フランク ・・・40代、医者

ハリー  ・・・70代、元軍人

イザベラ ・・・30代、国語教師

ジェームズ・・・30代、新聞記者

ケリー  ・・・30代、女優

ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人

ローラ  ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ

 自己紹介の後、それぞれのモニターは自分の部屋に戻って行った。ホテルの夕食は、午後7時開始で北館のパーティ会場で行われるらしい。それまで、デリックは自室に戻り、煙草をふかしていた。どうやらホテルはほぼ完成ではあるものの南館はまだ建設中らしく、モニター達は東館で宿泊することになっているらしい。ホテルの一室から見る景色には絶景ではあったが、どうやらあるのは、ホテルとその先としてジェット機がやっと一つ入るぐらいの飛行場、後は、森だった。

デリックは1人、ホテルのベランダから煙草をふかし絶景を眺めている途中、部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「うん・・・? 誰だ? はい」

 ドアが開き、現れたのはジェームズだった。

「いきなり、申し訳ない・・・そのあんたに話があってきたんだ・・・いいか入っても・・・?」

 デリックは、いきなりの客人にびっくりしながらも、ジェームズを部屋に入れてソファーに座らせ、ジェームズの言う《話》とやらを聞いてやることにした。

「で・・・話って何だ? あんた・・・まだ、あって1時間ぐらいしかたってないのに・・・」

「あんた、刑事さんだろ? 助けてくれよ・・・大変なんだよ・・・なぁ、頼む・・・」

 デリックは、いきなりの命乞いみたいな事を言い出すジェームズに対して、不気味さを覚えるほどだったが、話を聞いてやることにした。

「何だよ? いきなり・・・気味悪いな・・・なんだよ一体・・・」

「実をいうと部屋にこれが置かれてて読んでみたら・・・」

 ジェームズはポケットからクシャクシャになりかけた紙切れをデリックに渡した。紙切れにはワープロで入力されたような短い文が載ってあった。


 《お前を殺してやる・・・お前を殺してやる・・・私はお前の過去を知る者・・・》


 デリックは、ただの脅迫文である事が分かり、脅迫文に怯えるジェームズを落ち着かせる。

「ただ、脅かしじゃないのか?・・・ここは何処だと思っているんだよ? ここはリゾートだぜ・・・そんなとこまで来て、あんたを殺そうとするような奴なんていなかっただろう。モニター説明会の時だって全員いたし、モニターの人達とは1時間前の説明会で初めて会ったばかりだろう? 初めて会ったモニターの中に、過去を知る奴がいるなんておかしいだろう?」

 デリックは、ジェームズをゆっくりと落ち着かせてどのような状況で手紙を見つけたのかを訊いてみる。

「じゃあ、この手紙は何処にあったんだ? あんたの部屋の何処だ?」

「手紙は・・・・机の上に置かれていた。モニター説明会の後で部屋に戻ったら・・・」

「おいおい、まさか部屋の鍵を閉めずに行ったのか?」

「とんでもないこと言うなよ・・・鍵は閉めたさ・・・でも部屋の窓を開けたままにしてたから・・・」

「部屋は何階なんだ?」

「二階だよ・・・203号室だけど・・・」

「一応、案内してくれないか・・・」

「ああ、構わないが・・・」

 デリックの要求にジェームズは承諾し、すぐさまデリックは立ち上がり、ジェームズに先導してもらい203号室に向かう。

 203号室に到着するとジェームズが部屋の鍵を開けて、部屋に入る。部屋には、シーツが綺麗にピシッとされたベッドと漆塗りの木彫りのテーブルに椅子そしてジェームズの私物が置かれていた。

 デリックは部屋のベランダまで近づき、外の周りを見る。外には夕日と海・・・ベランダの下を見てみるが足跡みたいなものは無かった。

 ジェームズは周りを見て確認しているデリックの様子を伺いながら質問してみる。

「なぁ、どうだ? なんかいたか?」

 デリックは、ジェームズに向けて首を横に振り、答える。

「いや、誰もいない・・・いるのは夕日と海だけだ・・・で、あんた、どうするんだ? あと1時間くらいでモニター全員が集まって、北館でディナーだろ?」

 ジェームズは、ベッドに座り、悩みながらも決断する。

「ディナーか・・・ディナーには行くよ・・・ただ、あんたと一緒に行きたいんだ」

 デリックは、ジェームズに対して怪訝そうな顔をする。

「おいおい、何で・・・よりによって俺とだよ? モニターに可愛い娘ちゃんがいただろ? 誘えばいいだろう?」

「いやいや、誤解しないでくれよ・・・俺はそういうのじゃないし、ちゃんとした既婚者だ・・・まぁ、別居中だが・・・あんたと一緒に行きたいのは、あんたが刑事だからだよ。あんたならどんな奴でも相手できるだろうと考えたのさ・・・」

 ジェームズのあきれた考えにデリックは嫌になったが、一応、脅迫文がある以上、一緒にディナーに行くしかない・・・デリックは、せっかくのバカンスをこの脅迫文と記者のおかげでぶち壊しになったことを考えると体が重くなったような気分だった。

 デリックは、渋々、了解した。条件付きで・・・

「分かったよ・・・分かった。一緒に行ってやるよ北館まで・・・ただし、誰が来ようとも部屋の鍵は開けるんじゃない誰であろうとも・・・開けるのはジェラルドと俺の時だけにしろよ!」

 ジェームズは、了解し調子に乗った態度をとる

「分かった・・・誰が来ようともドアは開けないさ・・・頼むぜデリック刑事さん!」

 デリックは、あくびをしながらジェームズの部屋を出て、自分の部屋に戻った。それから20分ぐらい過ぎた時に、ジェラルドがデリックの部屋にやって来た。ディナーの時間であるという事らしい・・・腕時計を見ると既に午後7時を過ぎようとしている。

 デリックは、ジェラルドと共にジェームズを呼びに203号室に向かう・・・203号室に着きドアをノックしジェームズを呼んだ。

「お~い、デリックだ! ジェームズ・・・ディナーだぞ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 寝ているのか・・・・・・? デリックは、ノックし続けるがジェームズの返事がない。デリックはドアノブを引くとガチャッと開く音がした。

 鍵を閉めていないらしくデリックの引いた力と共に203号室のドアが開く、そこには、誰もいないただホテルの家具とジェームズの私物が置かれていたままでジェームズ本人がいない・・・

 デリックは、急いで、部屋のあたりを見て慌てる。ジェラルドもデリックの慌てぶりに何が起きたのかさっぱりだったが・・・ベランダに近づいてみると・・・何かに驚いたのか大きな叫び声をあげ、しりもちをついてしまう。

「うわああああぁぁぁぁ」

「なんだ・・・何があったんですか? ・・・・・・うわっ・・・」 

 デリックは、ジェラルドのほうに近づき、何があったのかをジェラルドに訊こうとするが、ジェラルドが指さす光景に、声を失った。

 そこには、多量の赤い液体・・・よく見ると・・・血らしい。血は、ベランダの手すりから滴り落ちていてホラー映画らしい光景と化していた。

 デリックは、心底で思った・・・(最悪だ・・・休暇から一気に仕事か・・・)

 203号室にジェームズの影は無かった。ジェームズが消えた・・・窓から吹く風は、涼しいものではなく寒気が走るような風が吹いていた・・・

下手くそが書きました。

超展開になる事をお許しください。


読んでいただけたら幸いです。

誤字脱字がございましたらご指摘をよろしくお願いします。

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