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FOX  作者: 井鷹 冬樹
3/22

第3話

《登場人物》


デリック・フォックス X市警 警部補

アラン  ・・・30代、数学教師

ビル   ・・・50代、弁護士

キャサリン・・・30代、デザイナー

エリカ  ・・・20代、大学生

フランク ・・・40代、医者

ハリー  ・・・70代、元軍人

イザベラ ・・・30代、国語教師

ジェームズ・・・30代、新聞記者

ケリー  ・・・30代、女優

ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人

ローラ  ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ

 デリックは目を覚ましてベッドから起き上がり、あたり一面を見渡した。そこは、部屋のようで、豪華絢爛な作りの家具が置かれていた。ソファーの横にバッグが置かれていた。デリックはすぐさまバッグの中身を確認した。

 鞄の中に入れていたものはとられていなかった。デリックは、一安心して、ソファーに座りながらも、どうしてこうなったかの理由を探るために記憶を戻してみた。

「・・・どうしてこの部屋に・・・確か・・・俺は、飛行機内で水を飲んだ後気分が悪くなって・・・」

 すると部屋の入口をノックする音が聞こえる。デリックは、ただならぬ不安がよぎる。デリックは自らドアの前まで近づき、ドアを開いた。そこに立っていたのは、いかにも英国紳士みたいな様相の老人が立っていた。

 老人は、デリックに対して頭を深々と下げて謝罪する。

「いやはや、申し訳ありませんでした、デリック様・・・飛行機でのご無礼はお許しください・・・」

 デリックはいきなりの謝罪に戸惑ってしまう。

「いえいえ、とんでもない。一体全体、何が何だか覚えてないんですよね・・・ところで、あなたは・・・?」

 デリックは老人に、自己紹介を求める。老人はあわてて答える。

「大変失礼いたしました。私、ホテルジャッカルの支配人をやらせて頂いております。ジェラルドでございます。よろしくお願いします。また、調理担当に私の妻であるローラが担当いたします。

 デリックは、説明についていくしかなかった。

「はぁ・・・どうも・・・」

 ジェラルドは、続けて説明をする。

「デリック様、当ホテルでは、最上5階までのホテルで、館が4つに東・西・南・北に分かれております。ここは東館でございます・・・バルコニーは、西館一階となっております。また、南館に現在はまだ稼働しておりませんがプールがございまして、北館にはパーティ会場、東館には巨大な娯楽室が設置されております。娯楽室で時間を過ごすことができますのでゆっくりとお楽しみください。あ・・・そうでした、今からバルコニーでモニター参加者を集め当ホテルの注意事項を行いますので、今からついて来ていただいてよろしいですか?」

 デリックは、説明についてもモニターの参加者がどれぐらいかも知りたいと思い、許可しバルコニーに行くことにした。

「はあ、分かりました。どのように行けばよいのでしょうか?」

「西棟に行くには、一度、左にエレベーターがあります。そちらに乗っていただいて、一階で降りた後は、エレベーターに地図がございますので、そちらをご確認していただいて・・・いや、ご案内いたします。丁度、デリック様が最後ですので・・・」

 デリックは、自分が最後だという事がわかった。デリックは、ジェラルドの言葉に甘え、ついていくことにした。

「じゃあ、よろしくお願いします」

「では、ついて来てください・・・それと、これがあなたの部屋の鍵です。あ、それと招待状をお忘れなく・・・」

 デリックは、鍵を渡され、部屋のテーブルに置いてある招待状を取り、部屋を出て鍵を閉めて、ジェラルドの後ろについていくことにした。

 エレベーターの入口前に止まって、エレベーターが来るのを待つ、エレベーターが丁度、ジェラルド達がいる4階に止まり、エレベーターに乗った。

 エレベーターは静かに一階へと降りていく・・・一階に着き、ジェラルド達はエレベーターから降り、そのまま西館のバルコニーにたどり着くと約5人が座れる大きなソファーが4脚置かれてあり、ソファーにはそれぞれに10人座っていた。

 デリックは、空いているソファーに座る、すると全員揃ってた様子らしくジェラルドがソファーに座っているモニター達に分かりやすい位置に立って、モニター達に向かって、喋りだした。

「ようこそ、ホテルジャッカルへおいでくださいました・・・」

 ジェラルドは、続けてモニター参加者達の名前を呼ぶ。

「アラン様、ビル様、キャサリン様、デリック様、エリカ様、フランク様、ハリー様、イザベラ様、ジェームズ様、ケリー様・・・全員いらっしゃいますね・・・今回、当ホテルの支配人をやらせていただきます・・・ジェラルドでございます。ホテルの情報などにつきましては私にお聞きしていただければかまいません。また、現在は今夜のパーティでいただきますディナーを担当いたしますのは私の妻でありますローラが料理を担当いたします。ご安心をローラは、三ツ星のシェフとして認められておりますので・・・」

 ジェラルドが話の途中に、フランクが左手を挙げ、ジェラルドに質問をしようとする。

「あの・・・」

「どうされましたか?」

「こうして、モニターの私達が現れたのはいいけど、肝心のオーナーさんがお見えにならない様のですか?」

 ジェラルドは、答えに困ったようで、考えた末の答えを出した。

「申し訳ございません・・・フランク様、実を言うとオーナーのことをよく知らないのです・・・実を言いますとパソコンでメールが来ましてすべてのホテルの手順と晩餐会のメニュー後、注意事項を渡されまして・・・」

 ジェラルドが話している途中で、もう1つの質問がキャサリンの手によってとんできた。

「じゃあ、オーナーが誰か、どんな人かもわからない状態なの?」

 ジェラルドは率直に、答える。

「はい、そうです。申し訳ありません・・・」

「じゃあ、俺達モニターは普通に7泊8日このホテルに滞在って事でいいんだろ?」

 そうやって、いきなり、アランが手を挙げて、ジェラルドに質問した。ジェラルドは返答し、モニターのやることを言った。

「それは、勿論でございます。普通に7泊8日を過ごしていただき、最後にアンケートを書いていただければ、このモニターは終了となります」

「なるほどね・・・まぁ、オーナーとかいいじゃないですか・・・せっかくのバカンスですし、それに、シェフと支配人含めても15人足らずだ。ここは、自己紹介と参りませんか?」

 ジェームズは、アランの意見に賛同し、自らを初めに自己紹介をすることにした。

「そうだな・・・そうしたほうがいいな・・・じゃあ、俺からだな・・・ジェームズだ。よろしく。職業も言っておくかな新聞記者だよ」

「アランです・・・学校で数学を教えてる・・・」

「じゃあ、次は私ね・・・キャサリンよ。デザイナーをやってるわ・・・」

 それぞれが自己紹介をしていく。デリックは職業癖か・・・それぞれのモニターの簡単なプロフィールリストを作成した。


アラン  ・・・30代、白人男性、金縁眼鏡、極度の潔癖症、イザベラの夫、職業は数学教師

ビル   ・・・50代、白人男性、猫背で太り気味、白髪、職業は弁護士

キャサリン・・・30代、黒人約150cm前後、黒縁メガネ、職業はデザイナー

エリカ  ・・・20代、日系女性外国人、首のところに手術痕、職業は大学生

フランク ・・・40代、約180cm後半の黒人男性、職業は医者

ハリー  ・・・70代、黄色のチタン杖を使用、左片足は義足、職業は元軍人

イザベラ ・・・30代、白人女性、アランの妻、左手薬指に指輪、国語教師

ジェームズ・・・30代、白人男性、英語の発音の訛りから見てイギリス人?、職業は新聞記者

ケリー  ・・・30代、白人女性、約160cm金髪、サングラスを着用、職業は女優

ジェラルド・・・60代、白人男性、銀髪、丸メガネを着用、チョビ髭、職業ホテルジャッカル支配人

ローラ  ・・・60代、白人女性、職業、シェフ


 デリックは、他人の特徴をなるだけ文章化させて記録を取った。そのこうしている間に自分の番となり、ペンを止めて、軽い挨拶をする。

「どうも・・・デリックです。職業は、警官だ。X市警に勤めてる。よろしく・・・」

 デリックが自己紹介した瞬間周りの空気は一瞬、冷めてしまった。デリックは、他のモニター達が自分が警官であるという事を言った途端からモニター達は一瞬空気が冷えた事からモニター達に過去に何かあったのか疑念を持ちかけたが、まさか、事件が起こるわけでもないし、別にどうこうという考えはなかったから深追いはしなかった。せめて、大変な事が起こらないようにしたいと思うデリックだった・・・

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