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FOX  作者: 井鷹 冬樹
19/22

第19話 ~ 真相 4 ~ 

《登場人物》

デリック・フォックス X市警 警部補

アラン  ・・・30代、数学教師

ビル   ・・・50代、弁護士

キャサリン・・・30代、デザイナー

エリカ  ・・・20代、大学生

フランク ・・・40代、医者

ハリー  ・・・70代、元軍人

イザベラ ・・・30代、国語教師

ジェームズ・・・30代、新聞記者

ケリー  ・・・30代、女優

ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人

ローラ  ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ


 21時間前・・・


 エリカは、1本のウィスキーとグラス二つ、水のボトルとロックアイスが入った容器をお盆に載せて、ハリーの部屋へと向かっていた。部屋の番号は、401号室・・・

 エリカはハリーの部屋である401号室に着いて、部屋のドアをノックした。するとドアチェーンが完全に張った状態になるまでドアを開き、ハリーが顔を出した。

「君かね? 入りたまえ。いまチェーンを外す」

 ハリーは一回ドアを閉めて、ドアチェーンを外してからもう一回開いた。

「さぁ、入りたまえ」

 ハリーそのまま部屋の奥にあるソファーに座った後で、後ろについてきたエリカを対面側に座らせて、エリカの要件を訊いた。

「この時間に話したい事とはなんだね?」

「まずは一杯飲みませんか?」

 エリカは、ウィスキーの封を開けて、ウィスキー:1、水:1の割合で注いだ。ウィスキーを注いだ後で、ハリーにウィスキーのボトルを渡す。

 ハリーは、ウィスキーをグラスに注いだ。

「君は《トワイスアップ=ウィスキーの飲み方の呼び名》かね。私は《ストレート》が好きでね。飲む前に、君が訊きたい事とは何かね?」

 エリカは、ハリーに質問する。

「あなたとビルさんの関係について教えてほしいんです」

 ハリーは、ウィスキーを飲み、そのグラスを置いてからエリカに話し始めた。

「ビルくんとは古くから親交関係でね。家族ぐるみの付き合いをさせてもらっていたよ。それが?」

「じゃあ、ビルさんがこのモニターの主催者である事は知っていたんですか?」

「ああ、知っていたとも。彼自身が教えてくれたよ。キャサリンもビルが主催者である事を知っていたよ。しかし、まさかその2人が死体になって発見されてしまうとはね・・・」

「ええ、本当に怖いですね。一体、誰が? こんな殺人をしたのでしょうね?」

 エリカはそう呟きながらウィスキーを飲んだ。ハリーは続けた。

「今回の旅は最悪だよ。なんせ、親交関係のあった奴が死んでしまうのだからね。残念でしょうがないよ」

「そうですよね・・・まぁ、そんな事は忘れて、今は飲みましょう! ねっ!」

「ああ、そうだね」

「じゃあ、もう一回、乾杯でもしよう」

「ええ、じゃあ、乾杯!」

 エリカとハリーは、ウィスキーを入れたグラスをお互い軽く当てて乾杯し、ウィスキーを口の中へと流し込んでいった。

 それから少しのあいだ時間が経ち、エリカが腕時計で時間を確認した時には、1時間を経とうとしていた。

 ハリーの顔を見るとどうやら赤くなっており、話す時に呂律が回っていない事を知り、エリカはとうとう本題を話してもらう為に質問をした。

「ハリーさん? ちょっといいですか?」

「ああ、なんだね。質問ならなんでも聞いてあげよう」

「10年前のレナード社の事件を教えて頂けますか?」

「ああ、あの事件か。構わんよ」

「事件の何についてだね?」

「事件の事、知っている事全部です。それについて教えてください」

 ハリーはグラスに氷を2、3個入れウィスキーを注ぎながら答えた。

「ああ、あれか。あんな事なら教えてあげるよ」

「あんな事・・・」

「あの事件には、裏で巨大な力が働いていたんだよ。っと言っても、私もそれに加担した一人だがね」

 ハリーはグラスのウィスキーを飲み、話を続けた。

「あの事件はレナード社が起こした営利的目的のテロだったんだ。当時、レナード社の業績は、悪化していてね。兵器密売では食っていける状況ではなかった。しかし、ある時、ある計画が浮かびあがった・・・それが・・・」

「あの10年前の自爆テロ・・・」

「そうだ。10年前は、レナード社の創業記念50周年だった。パーティ当日に過激派に襲わせたんだよ。あのパーティには現役の政府高官、企業関係者、そして私の様な軍関係者も出席していたのでね。テロさえ起きれば、それこそ当時、過激派の国とは仲が悪かったからテロさえ起きればすぐさま戦争という形でいたからね」

「なるほど・・・じゃあ、10年前の事件は元から操作されていたというわけですか?」

「正解だ。君は鋭いね。まぁ、結局、戦争は開戦されてレナード社は兵器を提供して利益を得た。今でもそのおかげでこの国が保つことができたからね」

「でも誰がこんな事を・・・?」

 ハリーは、少し笑いながらもエリカに話した。

「どうせ終わった事だ。君に教えてあげよう。ここだけの話だから他言は無用だよ」

「はぁ・・・」

「あの事件には、今日死んだ二人が関わっていたんだ」

「本当ですか!?」

 エリカは、一度、知っている事から素直に驚けなかったが、一応ではあるが驚いておく。エリカの反応からハリーは調子に乗ったのか、自分のことも話した。

「実を言うとな、私もこれに関わっていたんだよ。そして利益を得た」

「えっ・・・?」

 エリカはその言葉を待っていた。

「私も彼らと関わっていたんだ。色々とね。大変だよ。武器をどう密売するか。キャサリンはデザイナーとして世界で有名だったが、裏では他国の過激派とつながっていてね密売の隠れ蓑としては素晴らしいものとなったよ。ビルは取引元の武器を横に流出させる準備役。そして私は、過激派との交渉役だよ。うまくいったがね。そしてさっき言った通りの大きな利益を得た」

 エリカはハリーに質問した。

「・・・・・・あなたは何を得たのですか?」

「私かね。私はただ、レナード社の利益を少しと・・・後は今後の政界への挑戦権とシード権を得たかな」

「シード権?」

「要はコネというものなのかな・・・なんて、冗談だよ。冗談、はははっ」

 エリカはハリーの話を聞いている中で、ハリーに見えないように拳を作り、震えていた。ハリーはウィスキーを飲み干した後、なんだか目がぼやけ出してきた。


(眠気だろう・・・・・・)


 ハリーはエリカに、言った。

「眠たくなってしまったな」

 エリカも腕時計を見て確認した。

「あら、もうこんな時間ですね。じゃあ、片付けてから出ていきますよ。その前にトイレ借りていいですか?」

「ああ、構わんよ・・・」

 エリカはトイレに向かい、ドアを開けて鍵を閉めた。その間はずっと立って待っていた。ハリーが寝る事を祈りながら・・・

 祈りがかなったのか、ハリーは眠たくなりベッドルームに移動して横になった。メガネを置いて目をつぶった。

 エリカは、トイレのドアを開けて、ハリーが眠りだした事を確認し、エリカは自分の衣服に隠し持っていたナイフを取り出した。ベッドルームに入りハリーが横たわり寝息を立てだしていることを確認した。

 エリカは、ハリーの心臓にめがけて突き刺した。

「ぐっ・・・」

 エリカは、ハリーが叫ぶ前にハリーの体の中心に向けてナイフを突き刺した。何度も何度も何度も・・・・・・

 気が付いた時には、エリカの衣服はハリーの赤い鮮血で赤くなっていた。ハリーの胸に刺さったナイフを握っている両手から離した。両手は返り血で赤く染まっていた。

 エリカは後ろのドレッサーの鏡で自分の姿を確かめた。


(赤い・・・)


 ちょっとの間、エリカは人を殺した後の自分の姿をドレッサーの鏡で見ていた・・・


第19話 真相 4 です。


下手くそが書いてます。

超展開や誤字脱字があるかもしれません先に謝っておきます。


すいません。


第18話で矛盾がありましたお詫びします。


大変すいませんでした。


話は続きます。 

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