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FOX  作者: 井鷹 冬樹
17/22

第17話 ~ 真相 2 ~

《登場人物》

デリック・フォックス X市警 警部補

アラン  ・・・30代、数学教師

ビル   ・・・50代、弁護士

キャサリン・・・30代、デザイナー

エリカ  ・・・20代、大学生

フランク ・・・40代、医者

ハリー  ・・・70代、元軍人

イザベラ ・・・30代、国語教師

ジェームズ・・・30代、新聞記者

ケリー  ・・・30代、女優

ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人

ローラ  ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ

 エリカは、デリックにビル、キャサリン、ハリーの三人を殺害するまでの経緯を説明し始めた。


 1日前・・・娯楽室・・・

 

 ビルとハリーの二人は、ビリヤード、アラン夫妻とエリカは三人でポーカーをやっていた。ハリーのビリヤードの腕前はなかなかのもので、ビルはゆっくりとハリーの腕前を見ては賞賛していた。

「いや~素晴らしいですな。すごい腕前ですな」

 ハリーもその賞賛を受けながらもビルの腕前を褒める。

「はははは、ありがとう。だが、あなたもなかなかの腕前じゃないかね」

「いやいや、とんでもない。私なんか、まだまだですよ」

 ビルは、そう言いながら自分の番となり、キューを駆使してボールを穴へと沈めていく。

そんなこんなでゲームは、ハリーの勝利となった。ビルは、ハリーを褒め称えた。

「いや~お見事ですな! 完敗です! 私のプレーはあなたの前では、どうもホコリがかって仕方ないくらいですよ」

「ははは、ビルさんもなかなかの腕前でしたよ」

「それはどうも! おっとこんな時間か・・・」

 ビルは自分の腕時計で時間を確かめた。それをハリーが見つめながら質問してみた。

「おや、どうかされたのですか?」

 ビルは、ハリーの質問に少し動揺しながらも答えた。

「えっ? ええ、ちょっと今から少し仕事の連絡で、自室に戻らないと・・・」

「おや~ ここでも仕事は良くないですなぁ。ここは、まぁ、ひとつ息抜きということで休まれては如何ですかな?」

「そうしたいですが、まだ要件を終わらせなければ、仕事から解放されませんので、ここは一度、失礼します」

「そうですか。では、また今度に、ではおやすみなさい」

「ええ、おやすみなさい」

 ビルは、ハリーに一礼し、娯楽室を出て行った。

 エリカはビルが出て行った後で、アラン夫妻とのポーカーを切り上げ、エリカはアラン夫妻に告げた。

「すいません。私、そろそろ自室で休みます」

 アランはエリカに言った。

「そうか。それならば、ゲームはこれで終わりにしよう。ゆっくり休んだほうがいい。なぁ、イザベラ・・・」

「ええ、そうね」

「すいません。ゲームに付き合っていただいて・・・すいませんが、お先に失礼します。お休みなさい」

 エリカは、アラン夫妻に言った後で娯楽室を出て行った。エリカは、そのまま廊下を早歩きで移動し、自分が着ているパーカーのフードを被り、南館のプールへと向かった。

 南館のプールは、工事途中のままで水が入っていない為プールの底が見えている状態であった。そのプールには、左腕の時計を見ながら待つビルが立っていた。エリカは、プールの底へと繋ぐ階段を下り、ビルに近づいた。

 ビルもエリカに気づき、時計を見るのをやめて話し始めた。

「あなたが私の部屋にこの紙を置いた張本人ですな?」

 ビルはズボンのポケットから1枚の紙切れをエリカに向けた。その紙切れは、こう書かれている。


《10年前の事件の真実を知る者である。この真実を一般の世界でバラされたくなければ、9時に南館のプールまで来い》


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 エリカは下を向いて黙り込む。しかし、ビルは、口による攻撃の手を緩めない。

「だんまりですか・・・どうしてこんな事をしたのですか? 私に、何か恨みでもあるのかね?」 

 ビルの問いにエリカは、無視してビルに対して逆に質問を提起した。

「・・・レナード事件を覚えているか?」  

「はぁ?」

「10年前あなたのところの会社のパーティで起こした爆弾テロの事件を覚えていないのか?」

 ビルは、エリカの質問について心の中で思い当たるものであり、ビル自身にとっては、思い出したくない過去と言えるものだった。ビルは、しらばっくれる。

「何の事だ? 私はあのパーティーに出席していたのは確かだ。しかし、あのテロについては何も知らない」

「そうですか。じゃあ、これを知らないわけはないはずよ!!」

 エリカは、一つの封筒をビルに投げ渡した。その封筒には、写真が入ってあり、10年前の事件の理由とも言える光景が写っていた。

 その写真は、テロで死亡した実行犯達とハリー、キャサリン、ビルが写っているものであり、写真の背景には、飛行場の格納庫で奥の戦闘機にはレナード社の社印が押されてあった。

 ビルは、写真を見て、エリカに反論する。

「これがどうしたというのだね?」

「あのテロ行為は、営利目的の狂言ですね?」

「冗談はそれぐらいにしてくれるかね? この写真など嘘っぱちだ!」

「嘘っぱちですか・・・よく言えましたね。10年前、私は当時、子供で何が起きたのか全く分かりませんでしたよ」

「えっ?」

 エリカは、フードを外し、ビルに顔を見せた。ビルはどこかで見たようなと考え込んでいた。

「エリカさん・・・あなただったのかね」

「10年前、私はあのパーティー会場にいました。覚えていないでしょうね。両親をあなた達の狂言で殺されたんです! 証拠ならここにあります」

 エリカは、もう1つの写真をビルに渡した。その写真は、パーティー会場の裏で中東系の男とスーツ姿をした男が封筒を渡している所を撮られていた。

 ビルはその写真が決定的な証拠であると感じ観念したのか、いきなり笑いだし開き直った。

「・・・・・・ふははははははははははははは、そうだよ。全ては狂言だよ。あのテロで出した犠牲者は少しお粗末だったが、逆に悲劇の効果で戦争特需をもたらしてくれたのでよしとしよう」

「テロの目的は、何だったんですか?」

 ビルは、答えた。

「ああ、目的かね。良いだろう教えてあげよう。当時のレナード社は業績が芳しくなくてね。状況としてもそろそろまずかったんだ。そこ浮かび上がったのは狂言によるテロ行為だよ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「丁度、10年前はある国との関係が悪くて戦争開始まで一歩手前に来ていた。そしてある国の過激派にレナード社の武器を提供させ、わざとうちの会社のビルを襲わせた。そうすればうちの会社は、悲劇の的となり、政府は過激派の国と戦争を起こさざるおえない。そして我がレナード社は軍需により業績悪化を免れたのさ・・・」

 エリカはビルの話を聞きひとつの質問をビルに投げかけた。

「じゃあ、私の両親もレナード社、立て直しで行われた犠牲・・・というわけですか?」

 ビルは、答えた。

「ああ、そうだ! 君のご両親には申し訳ないことをしたかもしれんが・・・まぁ、過ぎてしまった事は仕方ない。君が生きているという事で良しとしたまえ・・・じゃあ、もう私の用はないね。じゃあ部屋に戻らさせてもらうよ」

 ビルは、部屋へと戻ろうと体を動かそうとした瞬間、体の何処かに異変を感じた。白のシャツから心臓部分が赤くなっているのが分かり、その心臓部分にはホテルのマークがついた柄の果物ナイフが見えた。

「うぐっ、ぐふっ」 

 ビルの口から逆流してきた赤い液体がゆっくりと滴り落ちてきた。

「ごめんなさい。私は、この為にあなたを呼んだんです」

 エリカは、ビルの心臓部分に刺さっている果物ナイフを抜いた。

 ビルは、そのまま横へと崩れていく。ビルの視界はどんどん黒くなっていき、最後の映像は、目前で立っているナイフを持ったエリカが、にっこりと微笑を浮かべていたものだった・・・・・・

完全復活です。投稿遅れました。 すいません。



今回は、第17話 真相編 2です。


下手くそが書きました。

超展開になる事をお許しください。


誤字脱字がございましたら、指摘もよろしくお願いします。

この作品を読んで頂いている方、本当ありがとうございます。

拙い表現や会話文かもしれませんが、大目にみてもらえると嬉しいです。


話はまだまだ続きます。

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