第14話
《登場人物》
デリック・フォックス X市警 警部補
アラン ・・・30代、数学教師
ビル ・・・50代、弁護士
キャサリン・・・30代、デザイナー
エリカ ・・・20代、大学生
フランク ・・・40代、医者
ハリー ・・・70代、元軍人
イザベラ ・・・30代、国語教師
ジェームズ・・・30代、新聞記者
ケリー ・・・30代、女優
ジェラルド・・・60代、ホテルジャッカル支配人
ローラ ・・・60代、ホテルジャッカルシェフ
ジェームズの遺体が発見されて5時間が経ち、デリックは5時間の間に再び、被害者たちが殺された場所を順々に巡っていく。一番目、ジェームズの部屋203号室、203号室は、デリックとジェラルドがジェームズを呼びに行った以来のままで、誰も部屋には侵入していないらしい。部屋の奥には亡き人の荷物が置かれている。
デリックは、両手に白手袋をつけてジェームズの荷物を探る。ジェームズのボストンバッグには、下着や服など入っており、宿泊用の物などが入っていた。別の平たいバッグには、ノートパソコンやホテルのパンフレットなどが入っていた。平たいバッグにはある一つのファイルが入っていた。
そのファイルの題名は、《レナード事件記録》と記されており、デリックは、ファイルのページをめくった。最初のページは、ある新聞社の新聞の切り抜きだった。切り抜きの題名は、こう書かれている。
《レナード社創業パーティーで悲劇!! 死亡者は40名以上・・・過激派による爆弾テロか!?》
デリックは、そのまま切抜きの一面を読んでみる。
《X日で行われたレナード社創業65周年記念パーティーで、レナード社役員、レナード社の関係者を狙った爆破テロが発生した。レナード社を狙った爆破テロは、レナード社が各国の軍に兵器提供し、利益を得ることの報復ではないかと捜査当局はコメントしている。この爆破テロにより、パーティーの出席者の40名が死亡した。また、テロリストと思しき4名も死亡した。この爆破テロから奇跡的に10名の生存者が救出された・・・》
もう一つの切り抜きは、ある生存者のコメントだが、名前の欄は黒墨で塗られており、名前は判明できなかった。
《爆弾テロの生存者の一人・・・XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXのコメント。何が起きたのかよく分からなかった・・・ただ、テロリストがいきなり入ってきて、スタンかスモークであたりが見えず気づけば、気付けば救護班のテントで、救急手当を受けて友人や親族、両親が亡くなった事をニュースや新聞で知り、ただただショックだった。》
ジェームズのファイルには、10年前に自分が関わった事件の記録が記されている上に、一人の生存者のコメントが書かれている事、書いた記者がジェームズ自身である事このファイルを読んでいくうちに、自分が関わったあの事件当時の記憶が鮮明と蘇ってきた。
ファイルの最後には、レナード社が爆破された中の写真、爆破された後のレナード社ビル外装の写真、そして、自分や過去のモニター達が写った写真を見つけた。
「これは、俺か? もしかしてこの写真・・・・・・今、このホテルにいるモニター達か!」
デリックは10年前の事件にモニター達が関与している事に気付く。その上、写真の裏には、何かメモられていた。そこには、ある事が書かれていた。
デリックは、それを読んだ後でファイルをしまい、モニターの写真は、ズボンのポケットに入れて、ジェームズの部屋を後にした。次に向かったのは、ビルの部屋である404号室へと向かう。
ジェラルドに、ジェームズ、ビル、キャサリン、ハリーの部屋のマスターキーを前もって渡してもらっており、何時でも開けれるようにできる。その上、被害者達には、過去に何かあったか、秘密を持っているか、等を調べようとした。
404号室に行き、マスターキーで鍵を開けて部屋に入る。その部屋は他の部屋とも変わらない綺麗な状態だった。
ベッドには、置いたまま手を付けられていない状態のボストンバッグ・・・だが、ファスナーは開いている。
デリックは辺り一面を見渡す。すると、ベッドの端に何か紙切れみたいなものが落ちている。デリックは、ゆっくりと手に取る。紙切れにはある事が書かれていた。
《あなたに話したい事がある。午後9時半に南館プールに参られたし・・・》
「誰かに呼ばれていたのか・・・? そう言えば、ハリーが言っていたな・・・」
『ビリヤードを楽しんでいた。だけど途中で、彼は人に呼ばれているので抜けると言っていた・・・』
「一体、誰に呼ばれていたんだ?」
デリックは、紙切れをジーパンの左ポケットに入れ、部屋一面見わたすが調べるところはないと判断し、ビルの部屋を後にする。
次は、キャサリンの部屋に向かう。キャサリンの部屋はデリックの部屋から一つ隣の301号室であり、ここからそう遠くはなかった。
その上、ハリーが殺された時、犯人は密室を作り上げる時に逃走する為にキャサリンの部屋を使ったと考えられる。どうしてキャサリンの部屋が開いていたのか? 誰かが鍵を使って部屋を開けたか? 遺体のポケットを調べてはいない。もしかしたら、遺体のポケットに鍵があったかもしれない事を犯人は知って、それを利用してキャサリンの部屋を開けておいたのだろう・・・・・・
デリックは、そう考えながらキャサリンの部屋に辿り着き、ドアを開けた。部屋に入ると、ベッドの下にバッグが置かれてあり、ベッドは少しぐちゃぐちゃになっている。デリックはキャサリンの部屋の一面を見てみる。ドレッサーがあり、引き出しを引いて何かないか物色した。
ドレッサーの一番下の引き出しに、部屋の鍵が置いてあった。デリックは手に取り、確認してみる。その鍵は、ホテルの鍵とは別の形をしており、デリックは、部屋のドアの鍵穴に鍵を合わせようとするが見た感じに形が違う事が分かった。
「この鍵は、何処の鍵なんだろうか? どうしてドレッサーの引き出しに・・・?」
デリックは、鍵をポケットに入れて、キャサリンの部屋を後にして、ポケットに入れた鍵が、どの鍵なのか・・・一つ心当たりはあった。
(もしかしたら、ジェームズがいたあの倉庫か・・・でも何で? 行ってみるしかないか・・・)
そう思いながら、デリックはもう一度、倉庫に向かった。倉庫に辿り着いた時、倉庫のドアをすぐさま確認した。ドアの南京錠が外されている跡があり、周りに南京錠が落ちていないか、くまなく探した。
すると、倉庫近くの茂みに南京錠が落ちていた。デリックは南京錠を拾い上げて、ポケットからキャサリンの部屋のドレッサーから見つけた鍵を南京錠の鍵穴にさしてみる。
鍵は丁度、鍵穴に入り回すとカチッと音が鳴った。
「やはりこの鍵だったか・・・という事はハリーを殺す前にジェームズの遺体を運びその後でビル、キャサリン、ハリーの順番で殺していった。その上で、ハリーを殺した後でハリーの部屋のベランダからキャサリンの部屋のベランダに降りて部屋に入って、ドレッサーに鍵を入れて部屋を出て行ったという事になるな・・・」
デリックは、ポケットから写真を取り出して、もう一度、写真を見てみる。
写真には、手当を受けている軍人、ぬいぐるみを持ちながら泣いている少女、警察関係者に事情聴取を受けている夫婦、携帯電話で誰かと連絡を取っているスーツの男、煙草をふかしながら立っているドレス姿の女性、奥で被害者達の手当を見ている黒人の医師、多数の記者が所持しているカメラのフラッシュを浴びているサングラスをつけている女性、そしてそのパーティーのセッティング関係者が写っていた。
デリックは、これまで事件が起きた時の状況を考え、一つの答えに導かれた。
「やはり、犯人はあいつしかいない。今夜、決着をつけてやる・・・・」
空は、暗くなりかけていた・・・・
下手くそが書きました。
超展開になる事をお許しください。
誤字脱字がございましたら、指摘もよろしくお願いします。
この作品を読んで頂いている方、本当ありがとうございます。
拙い表現や会話文かもしれませんが、大目にみてもらえると嬉しいです。
話はまだまだ続きます。




