一話 兄の突然の一言
夜に来た兄からのメール彼は不思議に思うことなく、日々が過ぎていくとある日のことだった...。
ピピピッ ピピピッ
いつもと同じように目覚まし時計が音を立てて鳴っている。
「ふわぁ...」
俺は、目を覚ました。
「今日も、いつもと同じような生活の始まりか...」
俺は少しため息をついた。その時だった。
「あれっ?今日の日付って...」
俺は、今日の日付がいつなのか考えることができなくなっていた。
最後に覚えていたのは、8月の初旬頃に会社が倒産してしまったこと。それだけだった。
「今ってまだ8月だよね...」
俺は、恐る恐る近くにあったスマホでカレンダーを開いた。その時、全身に衝撃が走った。
「え、えっ!?もう9月なの?」
信じられない。俺の感覚はまだ8月中旬になったばかり。しかし、現実では9月になっていたのだ。
俺は、見間違いだと思って何度も、何度も更新しても変わらない。本当に9月になったのだ。
「は、ははっ」
俺は、今を受け入れないといけないと思っておかしくなって笑っていた。
そして、正気に戻ったときふと部屋を見渡した。
「あ、あれ?」
俺は、不思議に思った。どうして部屋がゴミで溢れていることに。
俺は、いつも見ていた部屋が汚れていることに今まで気づくことができなかったのだ。俺は、ハッとして部屋の掃除をすることにした。
掃除をしていると、食べていたのに記憶の無いインスタントの容器が何個も見つかった。俺は、こう思った。
「もしかしたら、あの日の出来事以来記憶にもかなり影響を与えていたんだ」
そう思っていたときに、俺のスマホに一件のメールが送られてきた。
「...ん?誰だろう?」
俺は、スマホを開いているとそれは兄の星矢からだった。俺は、兄から送られてきた文章を読んでいた。
「銘兎、今日家に訪れます。時間は昼頃になるかも」
俺はどうして兄からメールが来ているのか不思議に思って思い出してみるととある日のことを思い出した。それは、あの出来事の夜に送られてきたメールだ。そのメールの送り先は、兄からで内容は「来月家に訪れます」みたいな内容だったと思う。
俺は、もう一度部屋を見つめた。さっきよりは、綺麗になったと言えるけどまだあちらこちらにゴミが散らかっていた。
「昼になるまでに掃除をするか...」
俺は、大きなため息をついて掃除を続けた。だが、今の気持ちはさっきより感情が高ぶっていた。俺は、兄に会うのはかなり久しぶりなのだ。最後に会ったのは、俺が中学生の頃だ。それ以降は、会う暇も無かった。
「久しぶりに会うんだな...。何を話そうかな」
俺は、掃除中ずっと兄に何を話すか考えていた。それも、今の俺の兄は赤星府という赤星五大都市の一つの都市で野球選手として活躍している。その活躍は、普通にこの赤星島都でも有名になるほどだ。
兄には名言がある。
「俺に打てないボールは絶対にない。見極めれば絶対に打てるボールだ」
兄は、他の都市の野球チームからは恐れられている。別名で「ホームランを打たせてはいけない男」とも呼ばれている。
それは、名言の通りだ。兄は、一球目は見逃しして二球目でしっかりと打つ。それも高確率に打つのは、ホームランだ。
「絶対に嘘だと思うけど...」
俺は、そのことが今でも信じることができない。普通なら、苦手な投手や球種、急速があったりホームランになりそうなボールをキャッチしてアウトにする外野が居たりする。しかし、俺はテレビで兄の出る試合を見たことがある。
兄は一球目の見逃しの時に投手の次のボールを予測して二球目にはバットを振っている。それも、その方法でおよそ90パーセント以上がホームランだ。それもこの世界の野球ではそんな人が出てくることは少なくはない。今では兄みたいな打者や投手も兼任する二刀流と呼ばれる人が出てきてもおかしくない。
そう俺は考えていると時間は、昼に近くなっていていつの間にか部屋が綺麗になっていた。
「もう、掃除は終わっていたんだ。」
さっきの考えになるが兄は得意があるって事は不得意もある。それは、体重だ。兄は、身長は190cm台と大柄だが体重も150kgでこちらも大柄だ。
そのため、兄はホームランじゃないボールの時はほとんどが一塁アウトで終わっている。
そうしていると、玄関からインターフォンが鳴った。
俺はハッとしてこう思った。
「星矢兄ちゃんが来たんだ」
俺は、玄関に向かって扉を開いた。そこには、縦にも横にも大きな男性がいた。
もう俺は、兄を見つめていた。兄は俺を見つめて少し涙ぐんでこう言った。
「銘兎、あの日の出来事の時にメールを送ってすまなかったな」
「いいや、大丈夫だよお兄ちゃん」
俺は、首を横に振った。そして、兄を褒める発言をした。
「星矢兄ちゃんこそ、凄いじゃん。また、ホームランを打ったんでしょ」
兄は少し照れた様子だった。
「まっ、まあな」
その時俺は、とある疑問が浮かんだ。
「お兄ちゃん、どうして今日俺の家に来たの?」
兄は、さっきの照れた顔から真剣な顔になった。
「銘兎に頼みたいことがある」
「俺に頼みたいこと?」
俺は、少し不思議に思った。兄が頼んでくることは本当に初めての出来事だ。
兄は、俺の左手を見つめてる。そしてこう言った。
「銘兎、この愛咲ワールドを旅してみないか」
俺は、驚いた。
「えっ?お兄ちゃん、今なんて言ったの?」
兄は、もう一度真剣な顔でこう言った。
「銘兎にこの世界を旅してほしいんだ」
俺は、首をかしげていた。
「どうして、俺が旅をしないといけないの?」
その時、兄はまた左手を見つめてこう言った。
「その左手の薬指にある物体が気になっているんだろ?」
俺は、こくりと頷いた。
「まっ、気になっているって言うより悩みになっているって言うか..」
俺はこう発言したとき兄はうれしそうな顔をしてこう言った。
「その悩みを解決できるかも知れないぜ。絶対に」
俺は、兄の言っていることがまだ理解できなかった。
「どうして、お兄ちゃんは解決できるって断言できるんだろう?誰も、この物体について知らないと思っていたのに」
俺はこう考えて兄に尋ねた。
「お兄ちゃんってこの物体のこと知っているの?」
兄は少しドキッとしたようだ。
「い、いやっ。し、知らないぜ」
俺は、兄の発言が怪しいと感じてきた。兄がこんなに怪しい発言をするときは大体知っている時だ。だが、兄がどうして言わないのか不思議になってきたのと同時にとあることが思い浮かんだ。
「もしかして、言われてから知るよりも自分で見てから知ってほしいって事かな?」
俺は、そうなのだろうと考えた。その時、兄は一言こう言った。
「まずは、この赤星島都を回ってみるぞ」
俺は一瞬、唖然とした。
「どうしてこの都市を回るんだよ」
俺はこう言った瞬間兄はまた真剣な顔でこう言った。
「この世界の不思議な出来事に遭遇させるための体験としてね」
銘兎は、星矢兄ちゃんに赤星島都を回ってみようと誘われた。
それもまだ彼は知らなかった。兄だけが知っているこの都市の不思議な出来事を...




