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テイム!

「目覚めた…」


 目の前の黒い犬は起き上がれるくらいに回復していて犬好きのワタシとしては助かってくれたことにホッとしている。


「ゴメンね、怖がらせちゃって。」


 その場から離れるために洞窟の出口に向かおうと身体を反転させて歩き出すと、黒い犬は出口に回り込むようにして再び伏せた。


「もしかして…ありがとうって言ってる?」

「我、主になって頂きたいのデス!」


 どうやら夢を見ているらしい…黒い犬の言葉が理解している自分に半信半疑になっていた。


「えっ…話……ちょっと待って!」

「あなた…人間の言葉が話せるの!?」

 

「我は人間の言葉は知りませぬ。」

「主がフェンリルの言葉を理解されているのだ。」


「ペットとおしゃべり……最高かッ!?」

「飼うのはやぶさかでも無いけど…」

 

 フェンリル族って聞いてそんな犬種あったかな…と考えてみたけど、こっちの世界の犬ならこのデカさも納得する。


「主…我の額に手を乗っけて下さい。」

「手を乗っけるって…こうかな?」


 フェンリルって言うこの犬の額にワタシの手を乗っけると額とワタシの右手の甲が光り出した。


「えっ!?」

「なに、なに?」

「光ってるんだけど!」


 光が徐々に薄く消えていき、手の甲には黒い犬のタトゥーが刻まれていた。

 そして、フェンリルの額にはワタシのと同じ、剣と両脇に翼が描かれたタトゥーが刻まれた。


「これって……」

「はい、我が主。」

「これが…契約の刻印である。」


 するとポンっと目の前に画面が表示されると書いていた内容に驚きを隠せない。


 【ブラック・フェンリルのステータス表示】

[種族名]ブラック・フェンリル

[タイプ]聖獣、獣族、オス

[レベル]120

[HP] 1500

[MP] 1800

[攻撃力]2000

[防御力]1600

[固有スキル]絶対魔法防御、瞬足、気配察知、

       支配領域、咆哮、黒炎地獄。

[限定スキル]瞬間転移、意識共有、危険察知、

       HP・MPの共有。


「聖獣ってのにも驚いたけど……このレベルとこの数値はかなり強くない?」

「我が主。」

「我はフェンリルの上位種…最強種の内の一体」


「へぇ〜♪」

「最強種って何体いるの?」

       

「それは5柱であるな…」


 フェンリルの話によれば…5柱と呼ばれる最強種はそれぞれ……

・聖獣の王―黒獣ブラック・フェンリル―

・厄災の王―邪竜グラン・チェイサ―

・妖精の王―妖精王ジル・アルテ・オリジン―

・魔神の王―魔王バルバトス・グレイオールド―

・剣聖の王―仁王ジャスティス・バトラ―


 それぞれ…獣族、竜族、妖精族、魔族、人間族が王として世界の頂点に君臨しているらしい…。


「あのさ…聖獣の王なんだよねキミ?」

「ハイ!我が主」


「そんな重要なポストがワタシのような一般的に見ても弱小の人間のペットみたいな感じになっているのですが……イイの?」

 

「弱小?何を言っておられるのですか?」

「ワタシは転生したばかりだし、弱いよって話」


「我を契約(テイム)できるのは…200以上ですよ?」

「え……?200以上?」


 ワタシの楽しいスローライフの始まりは波乱と衝撃のスタートを果たしたのだった……。


 

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