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6草 この森の住人。

「その…人間ってここら辺で珍しいかな?」


 ワタシの問いかけにさっきまでヒソヒソ話していた声がピタッ…っと止まる。

 よ〜く目を凝らすと小さな三匹の羽根が生えた人間が目の前で飛び回っていた。


「ワタシの声って聞こえてるよね?」

 

〔あの子…どうして妖精語(フェアリーチェ)が話せるの?〕


 この…動揺している子は緑色の髪が印象的。

 

〔人間は人語(ヒュマイト)のはずなのです。〕


 この真面目そうな話し方をしている子は赤色の髪が印象的。

 

〔わかんない、わかんないやょ……〕


 少しオドオドしている子は他の子よりも少し小さく、水色の綺麗な髪をしている。


〔どうやって私達の言葉を理解したのかしら……〕

 

 どうやら…他種族間での意思疎通は難しいらしくワタシのように他種族語をマスターしているのはかなりのレア度らしい。


「ちょっとストップ!ちゃんと聞こえてるから!」

「話がしたいの……ダメ?」

〔人間と話するのは初めてです。あたしはマーツこの三匹の妖精の長女です。〕

「マーツは長女なんだ!ワタシはネムって言うの…よろしくね♪」

 

〔えっとね〜アタイはボックルって名前なの!

アタイは次女だよ〜ネムちゃんヨロ〜なの♪〕

「うん!よろしく……ボックルは元気っ子かな?」

〔そうだなぁ〜アタイは元気いっぱいなの!〕


 明るい子って近くに居るだけで……安心する♪


「そこの青色の髪の妖精さんは?」

〔……〕


 ビクビクして話ができる雰囲気ではなかった。


〔あの子はクリカ…怖がりで初対面はいつもあんな感じなの…昔、人間に両親が……〕

〔ボックル……言っちゃダメ!〕


 マーツが大声でミルが話すのを無理やり止めるとワタシを見る。


〔きっとネムは人間の中でも特殊なタイプだと思いますが…妖精種族は人間と関わりを絶っているのですよ…人間に関わらない為にこの森……妖精の森を作ったのです。〕


 人間はどの世界でも自分達ファーストなんだ。

争いを仕掛けるのは人間から……それが人間として恥ずかしいとワタシは思っていた。


「ゴメンなさい!」


 ワタシは頭を下げて妖精さん達に謝罪の気持ちを表現した……伝わるかは分からないけど、誠意は伝えたいと思ったから…。


〔ネムって人間っぽくないの!〕


(それは他種族的な存在に見えるってこと?それはそれでちょっとショックなんですけど……)


「そうね…この世界の人からしたら人間ばなれはしてるかもしれないわね……たぶん。」

〔この世界ってどう言うことですか?〕


 マーツが不思議そうな顔で質問してきたから転生したことについて少し話した。

 

「女神アルテマから使命をもらって転生したんだけど……信じてはもらえないよね?」


 女神の話をした瞬間…妖精さんは固まってしまって何を話しても聞こえていないようだった。

 あの女神様はどうやらこの世界で認知度が低いのかもしれないが……布教活動をしてあげないとかな?

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