ギルマスの悩み事?
「その頼みってのがな……」
ギルドマスターのライガーさんから依頼をされてしまうなんて。会って間もないのに凄い信頼度だ……なんて考えながら話を聞いていた。
「シリリカの街の南西にある大きな活火山をしているよな?」
「うーん…私はこの辺りに疎くて……私が暮らしていた場所は海を渡ったとこでして。」
うん、ウソは付いていないわ!妖精の森から来たなんて言ったら問題がありそうだし……マーツ達にも危険は持ち込みたくない。
「なるほどな……了解だ。なら、説明するとだな……道なりに南西に進むと前方に常に噴火をしている山が見えるはずだ。」
「ちょっと待ったーッ!常に噴火してる場所に行くってことは私は焼け死ぬのでは……?」
噴火っていったら溶岩が流れていたり、噴石が飛んできたりするイメージなんだが……
「ガハハッ♪大丈夫だぞ!溶岩が昔、流れ込んだ際に洞窟ができておる。そこを進んでいけば溶岩に会うことも噴石直撃も回避できる」
「まぁ、それなら安心……か!?」
洞窟になっているんだ……正直イメージが湧かないけど、山に迎えってどういった調査なんだ?
「それでな…火口付近に巣を作っているドラゴンが何のドラゴンかを見てきて欲しいんだが、巣を作くるのはメスでな……警戒心が強く、近くに別の生き物が入ろうものなら襲いかかってくるんだ。」
へぇ〜ドラゴンなんて居るんだ〜それは出会いたくないですね〜!
そんなん危険極まりないじゃん!転生前の少年時代だった時は確かにドラゴンは憧れ……一度は会って見たいと思っていたよ?でもさ、今は女の子……むしろ、危険とかに敏感なのに。
「謹んでお断りいたします♪」
「調査であって討伐じゃない!それに…生きて帰れなかったのは彼らがドラゴンの気配察知の範囲に居たせいなんだ。だから、気配を遮断する魔道具を持ってから調査をお願い……というか条件だな!」
ライガーさんはニヤリと笑うと私の弱みを握っていた事を思い出したらしく、私の秘密をバラされたくなければ行ってこい!って……パワハラじゃん!
コンプライアンスはどうなってんのよ!
「クッ…背水の陣ね……今回だけですよ?その弱みを握ってマウント取るのも次したら……」
私はライガーさんを睨みつけると彼は黙って頷いた。私の平穏を脅かすことは敵だ!
「ハァ……仕方ない。マーツとヤマブキも連れてから行くのが条件です!私は他のメンバーとは行かないので。」
「了解だ。人選はネムに任せよう!報酬は金貨20枚だが、成功報酬と調査内容報酬が付くから期待しているぞ。」
そう告げるとライガーさんは別の案件でギルドを離れて行ってしまった。
私はマーツの登録を待って南西の活火山へと向かうことにしたのだった……。




