夢の声…
私は夢の中である人物に助言をもらう夢を見た。それはリアルな感じがして目を覚ましてもその夢で教えてもらった内容が頭から離れなかった。
◇◆◇◆
「冒険者になりなさい……」
「へ?……だれ?」
「今いる町にある冒険者ギルドで登録をし、これより起こる厄災に備えなさい……」
「エッ……ナニ!?……厄災ってどういうこと?」
「忘れないで……貴方には世界を変える……」
「世界を変えるって…」
「自分を……信じて……託しましたよ……」
「ちょっと待って!もうちょい詳しく……」
謎の声のヌシは結局、姿を見せる事なく声も徐々に薄れていく。
◆◇◆◇
夢とは言ってもリアルな感じだったわね…世界が変わるような厄災が……夢だけど…予知夢みたいなものかもしれない。
「もしかして……女神様の助言……とか?」
とにかく冒険者ギルドに行こう。冒険者とかあるならやってみたいと思っていたし……
「マーツ、ヤマブキ起きてーッ!」
「はう?」
「何事ですかネム様!?」
二人は突然、私に起こされて驚いた表情を見せるとまだ眠いのにって顔でマーツは見ていた。
「今からご飯食べたら冒険者ギルドに行くわよ!」
「冒険者?あれ…ネムは冒険者に興味あったのです?」
私は草とか薬草とかに囲まれていたらそれで幸せなんだけど……冒険者になって強くなれば大ケガしたり、死の危険も減る。
「危険から避けるのではなく、あえて危険に立ち向かうことが大事な気がするんだ!」
予知夢の声があの女神っぽかったし……もしかしたらイレギュラーが起きてスローライフを脅かすような危機が訪れるってことかもしれない。
「分かったよ!なら、私も登録するのです♪」
「そうと決まれば朝ごはんを食べて出発よ!」
シリリカの町の中心に冒険者ギルドはあった。
冒険者の数は年々、増えていて若い人も多い……
「賑わってるね」
「そうだね……私は苦手だけど、しょうがない」
受付をする女性達の前には長蛇の列ができているのが見える。
「朝から皆んな凄い……どんだけ早く並んで……」
時にイライラが溜まった血に飢えた男達は因縁を吹っかけながら乱闘したりして時間を潰しあっていた。
「これが……ギルドなのね」
「マナーが悪い人間なのです!」
冒険者と聞くと荒くれ者のイメージだから正直に言ったら想像の範囲内だけどね!
「次のカタ〜?」
そろそろみたい……早く呼ばれないかなー?
周りには同年代の女の子はいない。女性人気の職とはかけ離れた内容だから人気は無いのかもしれないね。
「次のカタ〜いらっしゃいますか?」
「呼ばれたから二人で行こっか!」
ギルド職員の前に立って色々と話を聞かれることになったのでした。




