裏市について?
一夜明けてワタシ達は宿屋を出て少年ルイスの様子が気になって彼の家に向かった。
「おはようございまーす!」
「おはよう……あら、ネムさん♪」
母親は昨日の様子とは違って明るくなっていた。
きっとあの様子だとルイス君も調子良くなったのだとすぐに分かった。
「ルイスが目覚めたんですよっ!」
「それは良かった♪目覚めたら少しずつご飯と一緒に回復ポーションをあげてね!」
「はい!ルイスも会いたがっていたので会っていただけますか?」
「もちろんです♪」
ルイスの部屋へと案内されるとルイスはベッドで目を覚ましていた。
「ルイス入るわよ?ネムさんが来てくれたわよ?」
「ネムさん…えっ……ネムさん!?」
「元気になって良かった…後は大丈夫そうだね!」
「ネムさんに助けてもらって…良かったでふ。」
(……噛んだ!?いま、噛んだよね?)
「無理しないでね!」
「後はルイス君は大丈夫そうなので3日間この体力ポーションを使ってあげてください。」
「本当にここまでもらえて感謝しています!」
「まぁ、何か困ったことがあったら助けてもらえると助かります♪」
「次は私達が助けになります。頼ってくださいね…ネムさんの助けになりたいので!」
すごい圧を感じる……あれは冗談だったのに冗談でしたと言えなくなってしまった。
「ネムの力になってくれるのが嬉しいのです!」
「それじゃあ、また寄らせてもらうね!」
ルイスとルイスのお母さんと別れると目的にしていたポーションを売れる店を探しに街を歩き回ることにした。
「今からネムのポーションを売りに行くのです?」
「うん、お金に少しでもしたいからね!」
「なら、ポーションはやめた方がイイかも……」
「えっ!?効果は証明されたから売れると思ったんだけど…ダメだった?」
マーツはワタシが今回、この街で起こしてしまった非常識…いや、失敗を教えてくれた。
「みんなの反応を見て分かってるかもしれないけど、ネムのポーションの効果は回復魔法を凌駕しているのです!」
「凌駕って……そこまではないんじゃない?」
「この世界で回復系スキルは貴重…それを一本の回復ポーションで完全回復をしたのですから当然だけど奇跡みたいなものです。」
「マーツさん…もしかしてワタシやっちゃった?」
「やっちゃっているのです!」
ポーションを高値で売ろうとはしていたけど、考えている以上に高額な金額にしないといけないし、市場を混乱に陥れてしまうレベルだとマーツに説教されてしまった。
「人間の国には裏市って言われる市場に出すとマズイ物を扱う市場があるって聞いたことがあるからそこを探すのはどうなのです?」
裏市……響きは良くないけど、売れるなら活用するに越したことはない!
ワタシ達は【裏市】を探す為に聞き込みを開始したのだった。




