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村で起こる事件(2)

 世界樹って言うだけあってこの世界の中心に根を張ったこの木が枯れたら世界が崩れるだろう。


「ジルさんは世界樹の枯葉を集めて!」

「三姉妹はきれいな水をお願い!」

「他の妖精さん達は世界樹に関する物を集めて!」


 ワタシはそれぞれに指示を送るとヤマブキを呼んで錬金術に使えそうなアイテムを手分けして森で探して回った。

 精霊の加護なる効果で暗がりでも昼間のような見え方になり、モンスターを避ける効果もあってすごく便利に活用させてもらった。


 それぞれ数時間かけてできるだけ多くの素材を手にワタシは村に戻って集めたアイテムの『調合』を開始した。


「じゃあ…始めるよ!」

「先ずは世界樹の枯葉と枝と樹皮ときれいな水」


 世界樹の素材がユニークかどうかで調合は難易度が変わってくる。

 例えば特殊素材同士でないと変化が出ないって事になれば他のノーマル素材では使えない。


「できるか……できた!」

「えっと…世界樹の葉と枝って枯バージョンじゃなくなってる?」


「これが噂になっておった錬金術師…」

「奇跡を見せられておるのか……?」


「次は世界樹の葉ときれいな水とエナジ草」

「他にもカイフク草にマジック草にワカガエリ草を加えて調合を繰り返してみよう!」


 数時間が過ぎ…最初は世界樹の枯葉から世界樹の葉になり、世界樹の若葉、世界樹の雫まで調合を繰り返したことで進化を果たした。


「やっとできた……」

「完成です!」

「世界樹の核よ!」


「なんて……神々しいのじゃ…」

「キレイなの……」

「本当にきれいですの……」

「この美しさ…神秘デス……」


 光り輝く世界樹の核は皆にそれが奇跡のような物であることを知らしめるのに時間は必要無かった。


「この世界樹の核をどうすればよろしいか?」

「それを木の根に押し当てて見て下さい!」


 私の力で作った『世界樹の核』が果たしてどこまで結果が出せるかは謎だけど…皆んなの願いは必ず神にだって届くと信じたい。


「あとは妖精王の魔力を乗せながら根にぶつけて見て下さい!きっと……効果は出るはずです!」

「承知した。ワシらはネムの力を信じておる!」

(それは……ちょっとプレッシャーだな……)


 妖精王の魔力が『世界樹の核』に染み渡り、光が変化して緑色の光に変わる。


「今です!」


 私の号令で妖精王ジルは世界樹の根本にセットすると地響きが辺りに異変を知らせる。

 枯れていた根本から一気に木の隅々まで勢いよく生命力が満ちていくのが伝わってくる。


「これは……成功……かな?」

「成功じゃ…ありがとう……ネム殿!」


 世界樹の木にはいくつもの大きな実が急成長して育っていた。

 


 

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