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ヤマブキの子犬化計画

「ワタシ…レベル300だった……」


 これは女神アルテマのドッキリに違いない。

もしくはミス…凡ミス?それにしても初回スタートでレベル300はあり得ない。


「300はすごい…さすがは主です!」


 尻尾をフリフリさせながら4メートルの巨体で喜びを表現しているのは聖獣のブラック・フェンリルでこの世界の5柱の一体らしい。


「はぁ……」

「これは野望が…」


「そうだ!名前付けないとね。」

「我に名前を付けてくれるのであるか?」


「うん…あと、ワタシはネムで主はやめて!」

「くぅーん。承知したである。」


「うん、よろしい!」

「名前……」


 いくつか犬用の名前を考えていたけど、まさか異世界に来て犬の名前を付ける日が来るなんてね。


「……よし、決めたわ!」

「キミの名はヤマブキでどうかしら?」


「ヤマブキ…感謝である!」

「名付けしてもらい…光栄である。」


 ちょっと渋いオジサンのような話し方がちょっと愛らしさを欠いているけど…素直で律儀な感じは正に忠犬かもしれない。


「あっ…ヤバッ!」

「すっかり忘れてたよぉ……」


 本当にフェンリル騒動で頭の中からスッキリ……いゃ、スッカリと忘れていた。


「何をお忘れになられたのか?」

「妖精達から歓迎会するからって村に呼ばれてんのよね……条件に釣られたワタシも悪いけど。」


「ほぉ…妖精が人間をもてなすとは珍しい!」

「普段は人間蔑視(べっし)の種族だったはず……変わったであるか?」


「それでしたら我は近づけないであるな…」

「なんでよ…ワタシの苦を分かち合うのも立派な主君への奉仕じゃないかな……ヤマブキ君?」

「我と妖精王は敵対関係…近づいたら攻めて来たと戦闘体制になりかねませんのである。」


 それは確かに争いごとは面倒だね…どうにか面倒を回避したいけど、ヤマブキも連れていきたい……どうしたら丸く治るだろうか。


「ヤマブキが小さくなれば印象が変わるのに……」

「ネム様よ…小さくなれるぞ?」


「小さくなれんのかよ!?」

「ちょっとやてみて?」


 私のリクエストにしっかりと応えるヤマブキの姿は見る見る小さな姿になり、中型犬くらいのサイズまで縮小された。


 黒い毛がモフモフしていて手触りは最高だった。

まさか、こんなにあっさりと問題が解決してラッキーだったかもしれない。


「ヤマブキはこれで問題無いでしょ!」

「後は…あちらを説得してみなきゃ…胃が……」


「やっぱり我が離れた場所にいた方がイイのではなかろうか?」

「我…妖精とは上手くいかぬと思うのだがな…」

 

「やってみる前から弱気になるんじゃないわよ!」

「何だってやってみてから判断しないとね!」

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