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櫓 1

 村の柵から離れて森の中、魔獣被害やならず者を抑えるにあたって見張りの塔が建っている。

塔と言っても木を組んだ櫓だ。物見櫓といったら分かりやすいだろうか。

 櫓は村から見て東西、それからここの北に三つ立っている。

村の奥まったところの村長さんの家の裏手の少し離れた方だ。


 櫓の上から矢を射かける事で獣を近付く前に殺すのだろう。

内装は、中央に篝火。と火除けの御守。発火防止の魔道具だ。

外に向けて盾の様な板が、

「いつまで見てる」

 櫓の中には見張りの村人が何人か駐在していた。

中の一人が不愉快そうに鼻を鳴らす。

備え付けられた槍を一本取ると手渡してきた。

 それらしい装備があるわけでは無い。一本だけだ。

 山奥で分類的には当然田舎、ただ誰かに聞いたわけでは無いが水路を触媒にしたという村を守るための魔性避けの結界がある。

 自然界のただ中だが人間の世界の区切りがあると魔獣の類も寄りつきにくいのだ。


「ほらさっき言った通りだ。ここの下辺りをぐるりと回って魔獣を殺せ。紛れ込んでくるのもいるからな」

分かった。

頷くと、槍を受け取った。

 少し緊迫する。襲うとでも思われているのか。単純に閉鎖的なだけなのか

するりと梯子を伝い地面に降りる。

 ガタン

根本だけ大きくなっている櫓の下部に槍が当たったのだろう大きく音が響く。

「何してる。さっさといけ」

 櫓の上から顔を出して呼びかけられた。 

いけ、というより行ってくれと言われているようにも感じる。気のせいだろう。


 次に呼ばれた手伝いは哨戒、要は外敵に注意する事だ。

山奥の村である以上は被害の対象は人間よりも獣らしい。

巡回路らしき道に沿って歩き出した。

 獣の類を殺すだけなら力一杯殴りつければいいのだろう。

楽観的に考える。人間の力で殺せるかはさておきだが

どっちにせよ手掛かりなく獣道を辿り巣に侵入して魔獣を殺してこいと言われているわけではないだろう。

だから、ふらりと歩いてればいい。


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