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78 体育祭②




 開会式も終わり、いよいよ競技が始まる。

 僕らは体育祭委員として競技に使う小道具やらの準備に駆り出されながらも、みんなが戦う姿を見守る。僕らは赤組、今のところの勝敗は…


 ・綱引き 


「サイドリラックス!」


 ・騎馬戦


「バックラットスプレット!」


 力比べの競技は超野くんが無双していた。

 やっぱり頼もしいな…あの筋肉。


 それにうちのクラスは全員、勝利を目指して全力を尽くしてくれている。五十鈴さんを優勝させたいという思いが一つとなり、普段はバラバラなみんなも今日だけは一致団結していた。


 葵や涼月くんも活躍してるし、おかげで赤組が優勢だ。


「さて…次の競技は僕の出番か」


 僕が出場する競技は借り物競争だ。

 実行委員の仕事で借り物のお題をチラっと見たが、絶対に無理だろうと思う内容がいくつもあった。それを引いただけで敗北は必至、かなり運要素の強い競技となっている。


「がんばれー園田くん」


 すると星野さんが応援に来てくれた。

 …何故か星野さんの頭に猫耳が付いている。


「それが今日のラッキーアイテムですか」


「ふふ…しかも今日の運勢、私のてんびん座は一位だよ」


 星野さんは上機嫌だった。


「そのラッキーアイテムって本当に役に立つんですか?」


「園田くんもいずれ私の持つラッキーアイテムの意味に気付くよ」


 星野さんは自信満々で言い放つ。

 別に僕は占いに対して否定的になったことはないんだが…占いってそんなに当たるものなのかな?





 こうして始まった借り物競争。

 やはり紙に書かれたお題が高難易度らしく、中には完走を諦めて棄権する選手もちらほら。


 だけど実況が無茶なお題に対してツッコミを入れ観客席を盛り上げている。借り物競争は勝負を分ける種目ではなく、体育祭を盛り上げるネタとして扱っているようだ。

 

 だからか借り物競争で得られる得点は他の競技よりも低い。

 僕も気を抜いて挑むことが出来るぞ。


 そして、ついに僕の番が来た。


「位置について、よーい…」


 パン!


 スタートの合図が鳴る。

 走るだけなら僕が一番速いようだけど、借り物競争において最初の短距離は茶番だ。問題はどんな借り物を要求してくるかだが…


 僕は箱からお題の書かれた紙を抜き出し、開いた。


“猫耳少女”


「………」





「ゴール!」


 僕は一位でゴールした。


「どうかね園田くん、少しは認めてくれたかにゃ?」


 僕に手を引かれながら星野さんは、猫真似をしながらドヤ顔を浮かべている。


「何と言いますか…不思議体験すぎて反応できませんよ」


 でも…星野さんが占いに固執する理由が、ちょっとわかった気がした。

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