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34 風邪で休んだ園田くん




 平日の朝。

 そろそろ学校に行く支度をしないといけないんだけど…


「…だるい」


 体が重い。

 結局、風邪を引いてしまった。


「お兄ちゃん、大丈夫?」


 妹がノックもしないで部屋を覗きにくる。


「大丈夫だよ」


 体温は37.4°と微熱。

 僕は今まで風邪で苦しんだことがないくらい体が丈夫だ。この程度なら大して辛くもないし、寝てれば明日には回復するだろう。


「学校には連絡しといたよ。スポドリとかおにぎりは買って机に置いといたから、食べれたら食べてね」


「ん…悪いな。そろそろ学校行かないと遅刻するぞ」


「ちゃんと水分摂るんだよ~」


 そう言い残して妹は学校に行った。

 今日は休みか…


 ………


「ひまだ」


 やっぱり学校を休むと暇だな…授業も遅れるし。


 五十鈴さんは大丈夫かな。

 僕がいなくても今の五十鈴さんには友達がたくさんいるし、心配はいらないだろうけど。


 …うーん。


 こうして横になって五十鈴さんのことを考えると、五十鈴さんって謎が多いよな。


 気になるのは五十鈴さんの体調についてだ。

 十年以上も入院する病気ってどんな病気だったんだろう。本当に完治しているのかな?後遺症とかないか心配だ。


 いや…病に関しては、今が元気ならそれでいいか。


 過去の病気なんて五十鈴さんにとっては思い出したくもない辛い記憶、詮索するのは失礼だ。

 話題にするなら未来のことにしたい。


 未来といえば、やりたいことノートについてだ。


 他にどんなやりたいことがあるのかな。全て完遂したらどうするんだろう。やりたいことノートを一緒に書いてくれた人って誰だ?


 他にも考え出すときりがない。

 そんな五十鈴さんのミステリアスな部分も、人を惹きつける魅力の一つになっているんだろうな。


 …そういえば五十鈴さんに、退院祝いのプレゼントを用意してたんだった。


 渡すタイミングを完全に逃したな。五十鈴さんの入学初日があれだったし、今更渡すのもなんか恥ずかしい。


 どうしたものか…


 五十鈴さんのことばっかり考えていた僕は、いつの間にか眠りについていた。





 ピコン


「ん…?」


 スマホからにゃいんの通知音が鳴り、目が覚めた。

 本来のにゃいん通知音は「にぁーん」と猫の声が鳴るんだけど、男子のスマホから「にぁーん」は正直恥ずかしい。設定で質素な音に変えている。


 僕はスマホを手に取る。


「…西木野さんからか」


 西木野さんから僕宛にメッセージが届いていた。時刻はまだ午前…学校では二限目が終わった頃か。


 どんな用だろう。

 委員会で何かあったのかな?


 僕はメッセージを開いた。




『五十鈴さんが行方不明になったんだけど…』




 メッセージには、その一文だけが表示されていた。

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