ぶいちゃ沼へのプロローグ
初心者あるあるです。
経験者は、初心者向けの所に、こんな理由でたまってる事も多かったりします。
2020年10月、新しいVR機器の発売!!
ricerca2が発売された。 VR機器でダントツに安かった初代ricercaで49,800円。 今回は更に安く、33,800円。
多くのVR機器はパソコンやゲーム機に繋がないと使えないのに、こいつは単独で使用可能。 コスパ高い!!
例の、四角い物体が飛んでくるのをライトセーバーでぶった切るゲームがやれる!!
ついに手に入れた!!
……。
「四角い物体を切り放題なのも面白いけど、これだけじゃなあ」
しばらくこればっかりやっていた。 確かに面白いけど、こればかりではさすがに飽きる。
次は何をやるかな。 そう考え、ストアを色々と見てみる。 あー、これは面白そうだなー。 今度買うか。
あー、これは無料なんだぁ。 試してみるか。
ん? 何だろこれ? よくわからないけどめちゃくちゃ評価高いぞ! とりあえず、調べてみるか。
そして気になり、「ぶいちゃ」ってやつを調べてみる。 なんか、VRの中にアバター着て入り込めるSNSらしい。 無料だし、やってみるか。
………。
公式のホームページでIDを登録する。 まあ、IDなんか何でもいいか。 春樹だから英語にでもしてスプリングウッドでいいか。
……。
ログインする。 チュートリアルで、移動の仕方にはまる。 移動しにくいなぁ。 なんだこの変な移動方法は。 何かが弓なりの点線の方に進んでいって、そこに一気に移動したぞ。 じゃあ、あれが俺のアバターって事か?
ネットでここのチュートリアル抜けたら必ず行けって書いてあった、JPチュートリアルマップ行ってつまらなかったらやめるぞ…。
そして、変な移動方法、ホロポートで苦労しながら、やっとJPチュートリアルマップまでやってきた。
「なんかペタってした壁だな。 ここが必ず行けって書いてあったところなのか? ここに何があるんだ?」
なんとか移動して、扉の向こうに行ってみる。
「壁に設定の仕方が書いてあんじゃん!! 移動方法の変更? やってみよ。 おー、普通に動けるじゃん!!」
なんて、設定を弄りたおしていたら、後ろで、「ビジターだー!!」なんて声が聞こえてくる。 ビジターって何だ? 珍しいのかな?
後ろから俺に声を掛けてきた。
「スプリングウッドさん、こんにちは。 いつ始めたの?」
何で呼ばれんの? 俺のID、何で分かるの?
振り向くと、そこに人がいた。 それから、獣とロボットも。 ここにいる人たち、みんな集まってきてないか? そして、頭の上に名前らしきものが。 自分の頭の上を見てみる。 そこには俺のIDが浮かんでいる。 これを見て、この人たちは俺の事を呼んだんだな。 あー、しまった。 人に呼ばれる名前になるんだったら適当に付けないで、いつもの名前にでもしとけばよかった。 名前、変えられるかな?
今言ってたビジターって俺の事か。
「ついさっき始めたんです」
そう答えると、
「分からないことあったら教えようか」
「案内してあげようか」
「もしよかったらきれいなマップあるから、これから行かない? それとも、ゲームの方が好き?」
「うーん、ゲームだったら、とりあえず、10個くらいはフェイバリットしてるのあるかな」
……。
なんかぐいぐい来るな…。 さすがに引くぞこれは…。
まあ、分からないからひとまず設定から教えてもらうか。
「ビジターって何ですか?」
と聞くと、
「このゲームのやり込み具合でランクが上がるんだよ」
「普通にアバターを自分で上げられるようになるのはニューユーザーからだね。 だから、まずはニューユーザーにななるところからだよ」
「ランクは、下から、ビジター、ニューユーザー、ユーザー、ノウンユーザー、トラステッドってあるんだよ」
とまあ、色々と教えてくれるが、
「フレンド増やすとランクが上がりやすいんだ。 公式の発表はないけどね。 って事で、フレンドビーム!」
すると、左下に封筒のようなマークが出てきた。 ホントか? 胡散臭いな。 言われたままフレンド申請を承認すると、気が付けば20人の人たちとフレンドになっていた。
「このマップは、人が集まりやすいんだよ」
「このマップならricerca2でも大丈夫だよー」
「あっ、そっちにあるポータルはPC版専用だから、スプリングウッドさんは無理だね」
と色々と連れて行ってもらえた。
ゲームが出来るマップ、きれいなマップ、現実にあるテーマパークそっくりなマップ、ホラー要素たっぷりなマップ…。
飛行機やロボットを操縦出来るマップまであった。
俺たち以外、見かけないなと思って聞いてみると、
「フレプラにしてるから、誰かのフレンド以外入ってこないよー」
と言っていた。
「他の人がいた方がよければ、パブリックだね。 まあ、外国人に話しかけられるかもだから、仲間が出来てからは行こうとする人も減るけど」
……。
「もう12時回ったけど、時間大丈夫?」
気が付けば4時間も経っていた。 もうそんな時間か。 そろそろ寝るか…。
「ちょっと待った! せっかくだから写真撮ろうよ! もう1マップだけ! 写真だけでいいから!」
「スプリングウッドさんは大丈夫?」
「大丈夫です」
すると、写真と言い出した人がポータルを出した。
「あれ? そこ、新しいとこ?」
「うん、一昨日見つけたんだ。 映えるよ」
と話しながら、次々そのポータルに飛び込んでいった。
「ほら、スプリングウッドさんも」
そう促され、ポータルに飛び込む。
飛び込んだ先はとてもきれいな夕焼けだった。
「この先が映えるんだよ」と手招きしてる。 待っててくれてる。 そこに追い付く。
「ほらここ。 こっちをバックにこう撮れば映えるでしょ?」
こんなきれいな場所があるんだな。 今日1日、色々と連れて行ってもらって、ゲームの中なのに、リアルで仲間と会っているような、不思議な気分になった。 リアルで会っている感覚なのに、場所は絶対にリアルでは有り得ないような場所ばかりだった。
「こっちをバックに並んで撮影でいいかな?」
「じゃあ、カメラこの辺?」
「あっ、もうちょっと待って! アングルが決まらない!」
「どの辺まで入ってる?」
「オレ、切れてね?」
「半分切れてるからもうちょっとこっち」
「この辺いけてる?」
「オッケー」
「それじゃ、各自、撮影開始で。 撮り終わったらカメラしまってね」
カシャカシャと、シャッター音が鳴り響く。 2~3分もすると、静かになった。 みんな、写真を取り終えたようだ。
「ricerca2はカメラ使えないんだよね。 トリッターの写真あげとくから、ID教えるからそこから取って」
「ありがとうございます」
この日はこれで解散となり、俺もログアウトした。
さっき聞いたトリッターを見てみると、撮った写真が上がってる。 これは記念になるな。 リアルでもあんまり写真は撮らないけど、ぶいちゃの中で写真を撮るのはいいかもしれないな。
それに、濃い1日だった。 色んなマップに連れてってもらったな。 あの人たちの掛け合いも見てて面白かったし、いつもつるんでるのかな。 何人かはお互い敬語だったな。 なんか、初めて会うっぽい話だったけど、どう見ても、普通に仲良かったな。 こんな人達のところに入れたらいいな。
そして次の日、「ぶいちゃ」にログインしてみる。
目的もないから、昨日最後に行ったマップに行ってみる。 ここはきれいなだけでなく、思い出のマップだ。
「スプリングウッドさん、こんにちは。 ここ、気に入った?」
昨日、このマップへのポータルを出した人が話しかけてきた。
「この後、人が集まったらみんなで宇宙人狼やるんだけど、スプリングウッドさんも来ない?」
「えっと、PCでって事ですか?」
「ぶいちゃの中で宇宙人狼出来るマップがあるから、そこでやろうって話だよ。 あの宇宙船の中に実際に入ってゲームするイメージだよ」
「なんか、凄そうですね」
こうして、みんなで過ごす時間が増えていく。 ただ、みんなはPCVRだから、俺が行けないところも多くある。 迷惑かけるからと言うより、ついて行けないのが我慢出来なくなり、ついついゲーミングPCを買ってしまった。 ランクも上がり、アバターもアップロード出来るようになり、更にハマっていく。
そう言えば、みんな、「ぶいちゃは基本無料だから。 基本で済む人はほとんどいないけど」なんて言っていたけど、こういう事か。 アバターくらいならちょっとした課金くらいの感覚で買えるけど、ゲーミングPCまで揃えるのはハードル高いからそんなにいないよな。 PCゲームをやってた人が多いのか?
聞いてみると、「ぶいちゃのためにPC買ったって人、たまに聞くよね」と一斉にとある人の方を向く。 彼はぶいちゃのためにゲーミングPCを買ったらしい。
「初心者狩り行こうぜ!」
1人が突然言い出した。
「スプリングウッドさん以来、全然ビジターの案内してないじゃん」
「初心者狩りって?」
「ああ、スプリングウッドさんは知らないんだ。 要はビジターを楽しいところに案内して、ぶいちゃ沼にはめようって話。 仲間が増えた方が楽しいじゃん」
「俺も狩られてたって事?」
「そういう事」
そしてJPチュートリアルマップで、ビジターが来るのを待ちながら、いつものようにダベる。
「あ、ビジターだ!!」
ricerca2は、英語に変換してくれれば本当の名前になります。
ぶいちゃは、あらすじで書いたとおり、そう略して呼んでいる人もいるので調べれば見つかると思います。
マップは、ワールドと呼ばれます。
トリッターは青い鳥のSNSです。
いつもと違って、物語的に書いているので文章下手です。
最後まで読んでくれてありがとうございます☆
このゲーム名がわかって、始めようと考えている人、始めた人は、感想とかででもID等を教えてくれればフレンド申請でお迎えに行きます。
評価とか感想は、優しくしてくれると嬉しいです☆