表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の執事  作者: 紗音
4/4

第三話「ハガキ」

第三話「ハガキ」








時刻はお昼を指していた。

いつものように、レイは庭の剪定をしていた。そんなとき、遠くから声が聞こえた。

「レイさーん!!」

向こうから走ってやって来るのは、使用人のマセル・ルーだ。マセルはメイドながらにして、物凄くドジな女の子だ。歳もカレンとほぼ変わらないくらいだが、カレンの方がはるかにしっかりしている。

「どうしたんです?マセル」

マセルは息を切らしながら、手に持っていたものを差し出した。

「こ・・・これ、カレン様宛てのハガキです・・・」

「ご・・・ご苦労様です」

そう言ってレイは、マセルからハガキを受け取った。確認のため差出人を見てみると・・・

「ん?」

そこには、


“すぐ行くぜ!!〜arva〜”

とだけ書かれていた。

背景にはなぜかペンギンの絵が描かれており、レイにはそっちの方が気になっていた。


この時期にアルヴァ様が・・・?一体何の用事だろう・・・。

レイが考えるのも無理はない。アルヴァはいつも、カレンの誕生日パーティーか、大きな催し事がない限り、仕事が忙しいのでこちら(イタリア)に戻ってくることはあまりない。しかし今回は、アルヴァの方からハガキを遣し、大きなパーティーも開かれる予定はない。


何か急用でもあるのだろうか。



「おっといけない。お嬢様のお迎えの時間だ」

そう言うとレイは、ハガキをポケットにしまい、車のある車庫へと向かった。







キーンコーンカーンコーン。。


チャイムが鳴ると同時に、カレンは目を覚ました。

「あ・・・寝てた」

ちょうどここは一番後ろの席なので、先生には死角になって寝ていても一切気付かれない。終わりのチャイムで目覚めることなんて、カレンにとってはしょっちゅうだ。

「ん〜・・・帰るか・・・」

大きく伸びをしたあと、鞄を持って外に出た。

そこにはちゃんと、レイが待ち構えている。

「お迎えに上がりました。お嬢様」

「ありがと」









「あ、お嬢様」

車に揺れながらうとうとしていたが、レイのハッとした声で目が覚めた。

「どったの?」

「先ほどアルヴァ様から、すぐ帰るというハガキが届きました」

「げっ!!!!まじかよ・・・アイツ苦手。すぐっていつ?」

「それがー・・・」

カレンは背中に悪寒が走るのを感じた。


まさか・・・


「もういらっしゃってます」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ