第二話「学校」
第二話「学校」
案の定・・・10分の遅刻。でもまだきっと移動教室の時間だ。間に合うかも・・・
私の通っている学校は聖愛学園。いろいろなところの御令嬢が集う、ウフフアハハの世界。・・・私が学校を休みたい理由・・・わかってくれます?お嬢様学校と言っても、規則はバッチリ厳しい。
私にはぶっちゃけ言って、かったるい。
「着きました」
最近入ったばかりの新米運転手が、ドアを開けて待っていた。
「ありがと」
そう言って車から降り、玄関の方へ行った。その途中で、同級生の移動教室中を目撃。
よかった。まだ間に合う・・・!!
その一人が私に気づき、手を振ってきた。
「カレンさん。ごきげんよう!」
私は片手をあげ、あいさつを返そうとした。
「よーっす。おは・・・」
「お下品です!!!」
「いだああ!??」
バシッという鈍い音が響き渡った。
私はその白い何かで頭をたたかれ、うずくまっていた。
「〜〜〜〜〜っ!!!!」
意外に痛い・・・
「な、何すん・・・の・・・」
全身から汗がにじみ出た。
文句を言ってやろうと振り向いたのに、そこにいたのは・・・
「ティセラ!?」
・・・とハリセン。
「・・・・・・」
またティセラはハリセンを構えてきた。
「うわわわわっ!!先生!ティセラ先生!!」
ティセラは大きなため息をつき、静かに、かつ怒りのこもった声で、
「まったくあなたは・・・いつも言っているでしょう!?」
始まった・・・お説教ですよ。
「あいさつは『ごきげんよう』!スカートはひざ下!!リボンは赤!!!」
あいさつは『よっす』!スカートはひざ上!!リボンはピンク!!!
「どうして守れないの・・・?」
どうしてダメなの・・・?
そんなやり取りをしていると、授業始めのチャイムが鳴った。
「・・・では、今日のお説教はここまでとしましょう。早く教室まで行きなさい」
「はーい・・」
私も受け流しがうまくなってきた。
こんなの日常茶飯事だから、慣れてしまっている。
そんな自分が軽く怖い・・
私はゆっくりと教室まであがり、着いた時にはもう30分も遅れていた。