私という存在がいつか
空になりたい
そんな滑稽なことを願ったこともある
大きさというものに憧れて
誰からも必要とされ、誰のものでもない
それ故に全ての存在に嫌われることもある
全てを愛し愛された上で、偏見で不当に貶される
荒唐無稽な話だろう、それでもなお今も願う
海になりたい
そう思ったことはない
空と比べて何も変わらないだなんて
幻想がすぎている
個人的に海は好きだ、泳ぐことはできないけれど
しかしそれになろうとはしない
それは自分がそれとなることに
自分なりに苛立ちを感じるから
手を伸ばすという行為が
大成するという行為が
何のために行われるのかはわからない
きっとそれは私という存在がいつか
私ではない心をもって知ることに
繋がっていたのだった