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プロローグ
プロローグ
「思えば遠くまで来たものだな・・・」
中年男性はつぶやいた。
「ええ、遠くまで来られましたね・・・」
それに反応するように、中年女性もまたつぶやいた
「結局何も残らなかったよ」
「いいえ、私も仲間も大勢残っております」
「大勢ね・・・大勢、大勢とはいったい幾つぐらいの数から大勢なのだろうか?」
「5人だろうか?それとも10人だろうか?」
「大勢の定義でしょうか?ワタクシもよくは存じ上げておりませんが、大勢は大勢で御座います」
「大勢・・・か」
「大勢です」
「これでよかったのだろうか・・・」
「これでよかったのです。」