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俺は思った。幽霊なんぞに俺らの関係は引き裂けないのだと

 

「小学5年の時、風呂で頭を洗い終えた後のことだった。ふと扉の方を見ると扉の前で影らしきものが左右に動くの見えたんんだよ


 とゆうのも、俺の家の風呂の扉が、半透明だから風呂場からなんとなぁーく、外で動くナニかが確認出来たんだよ


 それで直ぐに思い浮かんだのが、悪戯好きの弟が俺のことを脅かそうとしてるんじゃないかって。そう思った俺は、外の影にこういったわけ


『○△、なにしてんだよ』


 そう言ったのに、一向に返事もないし、影も消える気配がなかったんだよ。元々脅かされるのが好きじゃないから、流石にイラッときて、今度はちょっと強めに言った


『おい、○△。もうバレてるから、さっさと返事しろ』


 そしたらようやく、スーッと影が消えていった。結局、影しか見えなかったから、誰だか分からなかったから俺は取り敢えず、弟を犯人だと仮定し、上の姉に聞くことにした。


 なぜ姉に聞こう思ったか。それは姉がその時いた場所が台所で、台所の前を通らないと風呂場の前に行くことが出来ない。だから、誰が脅かしたかする直ぐ分かると思ったんだよ


 それで姉にこう聞きいてみた


『○△が風呂場の前に来なかったか』


 そしたら姉がキョトンとした顔で俺の質問に答えてくれた。


『○△なら、ずっと居間で絵を描いてたよ』


 結局、あの影の正体はまだわかっていない。


 ………ご静聴ありがとございました」


 パチパチパチパチパチパチ


「○○さん、ありがとうございます。いやー怖かったですね。でも、番組はまだ始まったばかりです!!これからどんどん怖くなっていきますよー!!それでは次の方どうぞ!」


「はい……あれは僕の友達から聞いた話しなんですけどーー」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今の話し、けっこう怖かったね〜」

「そうか?それほど、怖くなかっただろ」


「ふ〜ん、そうなんだー。じゃあ、私の服の袖をずっと掴んでた理由を教えてもらおうかなぁ〜」


「それはあれだよ、菜摘の近くに居たかったったからだよ」

「フッ、たっくんのビビリめ」

「う、うるさい」


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 俺たち2人は『夏の、百物語』とゆう、芸能人が体験、知人から聞いた怖い話を語りあう番組を、俺の住んでるアパートで観ているところだ。


 俺たちの関係は、まぁ察していると思うがカレカノだ。小松田(こまつだ) 菜摘(なつみ)と俺、倉本(くらもと) (たくみ)は付き合い始めて2年ほどになる。大学のサークルを通じて知り合い、菜摘の性格や見た目(主に性格)に惚れ俺から告白。見事成功し、付き合う事になったとゆうわけだ。


「そもそもあれさぁー、こう言った心霊体験って、ここに引っ越してから1回しかないんだよね。しかもそれが人生で最初で最後。だから幽霊なんて、あんまり信じてないんだよ」

「へぇーそうなんだー。私はけっこう心霊体験あるから信じる派かな。私が体験した中で、けっこう怖かったのは………あれかな。


 私の学校は修学旅行で京都に行ったんだよね。やっぱり修学旅行とかって怖い話とかしたくなるじゃん。それで友達がY○uTu○eに上がってる怖い話を部屋のみんな、確か5〜6人くらいで聞いてたわけ。


 そして、1時間くらいたった頃かな。霊感の強いA子が、心霊体験をしてみたいって言ってるB子に向かってこう言ったの


「あそに布が掛かっている姿鏡があるでしょ?今 布はずして撮ったらなんか写るよ」って


 流石にB子も怖くなったのかもね。その時は適当に理由をつけて、なにも撮らなかった。そしてまた怖い話を聞き始めたんだ。


 それが起きたのは午前2時過ぎだったかな。A子唐突にこう言ったんだ


「もう辞めようか、流石に空気悪いし、集まってきてる」


 皆んなが凍りついたのがすぐにわかった。私も嫌な感じはしてたから終わってくれて助かった。怖い話がお開きになり、皆んな眠りについた中、私だけが中々寝付けなかった。


 さっき聞いた怖い話のイメージが頭の中をフラッシュバックしてるのもあると思うんだけど、それ以上にA子が言った姿鏡がどうしても気になったの。


 しかもその鏡の丁度真上に、豆電球より少し明るいライトが付いてたから、余計鏡が目立ってなんとも言えない雰囲気を醸し出していたんだ。あの時は本当に怖くて、ものすごい量の嫌な汗をかいたのを覚えてる。結果、全然寝られず2時間ほどしか眠れなかった私であった」


「へぇーけっこう怖いじゃん。でも結局、幽霊とかは見てないけど、なんとも言えない雰囲気が怖かったてだけだろ?」

「まぁ、そうなんだけどさぁー。あれはあの場であの雰囲気を体験した者にしかわからないものなのだ。


 で!!この話にはまだ続きがあるの。修学旅行から帰って来た日の夜。私は布団をかぶり、寝る体勢に入っていたの。そしたら、急に"ヤバい"って思ったんだ。そう思った途端、急に目が回ったように空間が歪んで、体だ動かなくなったの。


 私はその時、背中を壁を向けてる状態だったんだけど、何故か腰辺りから手の感触があり、それが段々上へ上へとあがってくるのがわかったの。


 そして不思議な事に、その手が女の人で20代前半て事も分かったの。私は怖くなって、ギュッと目を瞑っていたの。そしたらその手の感覚がなくなり、恐る恐る瞑っていた目を開いたの。そしたらいきなり顔みたいな物が勢いよく迫って来て……気がついたら朝になっていたてわけ。それでその日、A子に起きた事を話したんだ。そしたらこう言われた『それ、連れて帰っちゃったかもね』って………けっこう怖いでしょ!!」


「………菜摘……すげーな。普通に怖かったよ。よくそんな体験しといて普通でいられるな。俺なら気が動転しそうだけど」

「まあね〜。あの時は怖かったよー。それでたっくんは幽霊の存在を信じる気になった?」


「まぁ、彼女がそういった体験をしてるから、信じようとは思うけど、まだ信じ切ってない自分がいるんだよなぁー……あっ、そうだ!スマホで俺の部屋撮ってみね?そしたらなんか映るかも」


「えーー、そうゆうのやめなよ。遊び半分が1番良くないって聞くよ?」

「大丈夫、大丈夫。なにも起こりやしないって」


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「それでは撮りまーす。ほら、もうまわってるから、なんか喋って」

「えー、喋る事なんてなんもないよー」


「歌をうたうとかでも良いからさ」

「もー、しょうがないなぁー、"あーー"はい、喋りました」


「それはただ"あーー"って言ってるだけじゃん。もっと他に、喋ることあるしょっ」

「やれやれ、注文の多い彼氏たぜぇ。"あーあっあああー"どうだ!!」


「リズミカル言ってもダメだ」

「え〜そんな〜」


 この時はまだ良かった。"何か映るかも"とゆう趣旨を忘れて、ただ楽しんでビデオを回していからだ。だが、そんなひと時は俺の一言で修羅場へと変わる。


「そうだった、俺ら幽霊を撮ろうと思ってたんだ。すっかり忘れてた。菜摘、幽霊が居そうな場所ってどこだと思う?」

「うーーん。ベランダとか?」


「あー確かに。そうゆう動画見たことある。じゃあ、ベランダを撮ってみるか」

「……うん」


 菜摘はスマホでベランダを撮る係。俺は居間とベランダ繋ぐ出入り口にあるカーテンを開ける係。とゆう具合に役割を決め、俺は入り口の前に立ち、勢いよくカーテンを開けた。


 シャーーーーッ


「「!?」」


 俺たちは一瞬にして凍りつく。そこには生気が感じられないほど全身色白で、腰ほどまで伸びた黒髪の女性がおり、ダランと手を前にしてエ○ァンゲリ○ンのように立っている。俺はこの女性がこの世の者では無いのだとすぐにわかった。


 だが、俺とは違う見え方をしてる人が1人


「………な、なんで、あんな所に女の人が?」

「俺にも分かんらん。でもあれはヤバい。早くここを離れよう」

「でもあの人、普通の人だよね?」


 どうやら菜摘には普通の女性に見えているらしい。


「もしかして……浮気相手とかなの?浮気がバレたから有耶無耶(うやむや)にするためにここを離れようって言ってるの?」

「えっ?なぜそうなる。俺はただ単に悪霊とかだったら危ないから離れようって言ってるんだけど」


「あの人を悪霊だなんて……たっくん酷い!それなら堂々と浮気してましたって言ってくれた方がまだマシ」

「違うんだって。そもそも俺から告白しといて、浮気なんてするわけないだろ」


「でも私聞いちゃったもん。この前先輩と話してる内容。『俺、色白で黒髪ロングの子が好きなんすっよ』って。ベランダの子、たっくんのドストライクじゃない!!私は、運動部だから髪の毛伸ばせないし、外で走ってるしてるから色白でもないもんね!!」


「あの時か………よく聞け菜摘。俺は、お前の見た目じゃなくて、性格に惚れてんの!だから浮気なんて絶対しない。そもそも、あれは幽霊だ。スマホを見ろ。何故かスマホにだけ映ってない。惑わされるな」

「……本当だ……映ってない。たっくん……ごめん。私気が動転しちゃって……」


「いいよ、わかってくれれば。よし、この場から逃げるぞ」

「うん!」


 俺たちの絆がさらに深まり、''いざ逃げるぞ''ってなった時、肌にまとわりつく付くような気持ち悪い声が、何処からともなく聞こえて来た


「実は私たち………もう同棲して3年目になる関係なの」

「「えっ?」」


 その声の主は、ベランダの色白幽霊だ。そして、その幽霊は家主である俺ですら理解できない事を喋り始めた


「3年目………3年目って俺がここ住み始めた年数じゃねぇか!!てことは、俺がここに住み始めた頃にはお前はここに居たって事か?」

「そうゆう事になる。貴方がここに来てからずっと見ていた」


「勘弁してくれよ。新手のストカーじゃねぇか」

「それは違う。同棲してるのだからしょうがない。勝手に目に入る」


「それは同棲って言わねえよ。住み()いてるて言うんだよ」

「なに言ってんだか。そもそも貴方は大きな勘違いをしている。私の方が先に住んでた。そこに貴方が引っ越してきた。これが事実」


「そんなことって……」


 俺はずっと幽霊と生活していたのか。そんな訳ないだろう。馬鹿馬鹿しい。………いや待て、いくつか思い当たる節がある。変な音が聞こえた事もあったし、物が勝手に場所を変わっていた事もあった。


 だが、その時の俺はなんとも思わなかった。音は左右の住人の生活音で、物が移動してるのも、菜摘が合鍵で部屋に入り、片付けずにそのまま帰ったのかと思っていたからだ。


 どんだけプラス思考なんだ俺。流石に馬鹿すぎる。まぁ、もともと幽霊の存在を信じていないのだからしょうがない。


「そしてある夜、私達は1つになり私のお腹には、彼の子かも知れない赤ちゃんが………」


「''かも''てなんだよ。そもそも、そんな記憶無いし、幽霊とヤレるわけないだろ」

「そんな………あの夜、ベットの上であんなに激しい緊縛(かなしばり)プレイを忘れるなんて………最低!!」


「おい、字が違うぞ!俺が体験したのは金縛りだ。緊縛なんてされてない」

「えっ、知らないの?こっちの世界では金縛りの事を緊縛ってゆうのよ。ここテストに出るからしっかり覚えておきなさい。そもそもなんで緊ーー金縛りに遭うか知ってる?それは私達幽霊が人間を縛ってるからなのよ?だからこっちの世界では緊縛ってゆうの」

「なるほど……じゃない。そもそも寝ている俺を襲うなんて、ただの夜○いじゃないか」


「そうとも言う」

「いや、夜○いなんだって!!」


 俺はこの会話?の中で1つ、重大な事に気がついた。それは……この幽霊、よく聞くと声が可愛。アイドルを思わせるキャピキャピとした声。つい萌えてしまう。なんだったんだ、最初の気持ち悪い声は。怖い幽霊だと思わせる演出だったのか?いつのまにか素の自分が出てしまってる時点で奴の計画は失敗している。だがそれがいい!これは一種の萌え要素だな。


「あの〜質問いいですか?」


 流石にこの状態についていけず質問してきた。当然と言えば当然だ。俺も理解できてない


「貴女はなんなんですか?たっくんとはどうゆう関係なんですか?」

「見ての通り幽霊ですけど?それが何か?んで、もう1つの質問の答えは……体の関係と言った方が早いかな。あんな事もこんな事ましてる仲だし。んも、なに言わせんのよ!恥ずかしい!」


 何故か体をくねらせ、頰に両手に当てながらキャーキャー言っている。実際かなり怖い。声と行動が可愛くても、見た目が……ね?完全に貞○さんだもん。


「たっくん……どうなの?本当にそんな事したの?」

「そんなわけねーだろ。そもそも俺は被害者だ。寝てる間にアイツに襲われたんだからな」


「なに言ってんのよ!!私の方が被害者よ。何回覗かれたと思ってるの。ベランダで着替えてたらいきなりカーテン開けるし、全裸だって見られた事もあったは」


 まさか知らぬ間に覗きをしていたとは……リアルな女性なら喜んでガン見………ゴホンッ、目をそらすが、幽霊ならどうしようもない。


「見えてないんだから、しょうがないだろ。菜摘……頼むからその変態を見る目をやめてくれ。かなり傷つく。まぁ、100歩譲って見た事は謝る。だからと言って、金縛りをした理由にはならないだろ」


「なにを言うかと思えば………いいですか!貴方ほど金縛りにさせやすかった人は、私の経験人数上、だーれもいなかったわよ?どーせ、日頃から誘ってたんでしょ?たっくんの早○。たっくんのえっちー」

「誘ってねーし、○漏でもねーし。それにお前に''たっくん''だなんて言われたくない。呼んでいいのは菜摘だけだ。なぁ、菜摘………菜摘?」


「ゆ、幽霊さんが……''たっくん''だなんて……私なんか付き合って半年もかかって、やっと''たっくん''て呼ばせてもらえたのに……幽霊は会ったばかりなのに''たっくん''って呼んで……私なんてダメな女……コミュ力も無ければ、夜のテクニックもない……もう……いや……うぇぇえぇぇえぇぇえぇえ!!」


「菜摘ッ!!待てって!俺の話をきいてくれ」

「来ないで!!私はたっくんの彼女にふさわしくないのーーー!」


 菜摘が勢いよく飛び出してしまった。


 もちろん、菜摘とは何度か揉めた事はある。俺たちはその度に、面と向かって話し合い、問題を解決し絆を深めてきた。でも、今回は違った。思い切り突き離され、話す暇すらなかった。


「やっちまった……お前のせいでメチャクチャだ。どうしてくれんだよ………って居ねーし!」


 さっきまでの騒がしい幽霊は何処へやら。ヤツは俺たちの仲を荒らすだけ荒らし、荒らし終えるとすぐに消えた。タチの悪い幽霊だ。


 そんな誰もいなくなった部屋にポツンと1人。俺はこの静まり返った部屋にただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。俺はどうやって菜摘と仲を戻すか。その事しか頭になかった。


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 翌日


 どうしようかと考えてるうちに、菜摘の方から連絡がきた


『話したいことがあります。14時に大学前の喫茶店で待ってます』


「14時………って、今13時30分(はん)じゃねぇーか」


 これに遅れるわけにはいかない。俺は急いで身支度を済ませ、家を出た。


 13時55分


「はぁーはぁー、なんとか約束の時間に間に合った」

 俺は乱れた呼吸を整え店内に入った。


 ''カラーン''


 店内にベルの音が引き渡るのと同時に、鼻の中にコーヒーのいい香りが目一杯広がる。


「菜摘は……あっ、居た」


 菜摘の方が早く着いてたらしく、既に窓側の席に座っていた。


「ごめんね、急に呼び出して」

「いや、全然大丈夫だよ。それより話したいことって……なに?」


「…………………」


 菜摘が黙り込んでしまった。他の客の話し声と店内で流れてるジャズミュージックが2人の沈黙を引き立てる。俺はこのなんとも言えない雰囲気で、大方察してしまった。そう、これは別れ話だ。そうでければ無言になる理由がない。


 そして別れる原因を作ったのは俺にある。俺があんな事をしようなんて言わなければ……原因の一端が俺にある以上、俺が話しをきりだすのが筋だろう。


「菜摘……すまない。別れ話しだよなーー」

「そんなわけない!!違うの、私はただ単に謝りたかったの!昨日だって取り乱しちゃって、たっくんの気持ち考えずに帰っちゃったし、浮気なんてするわけないのに疑ったりして。だから謝らないといけないのは私の方なの。ごめんなさい!!」


「いやいや、俺こそすまなかった。そもそもこんなことになったのは、俺が動画を撮ろうとしたからだろ。だから菜摘は悪くない!!」


「私が悪い」

「いや俺が悪い」

「私が」

「俺が」

「………………」

「………………」


「「…………ぷっ………あはははははは」」


「はぁー、やっぱり俺たちって揉めてもこんな感じになるよな」

「うんうん、結局お互いに謝り合うよね。………それでね、今回の事があって色々思ったの。私はまだまだたっくんの事しらないんだなぁーって。だからここで話せたら良いなと思って、わざわざ来てもらったの。それでなにを聞いたら良いかなぁーって考えてたら、たっくんが突然あんな事言いだすから、気づいたら色々喋ってた」


「そうだったのか。俺も早とちりしすぎたな。よし!今日は話し合おう!どんな質問でも答えてやる!」


 やっぱり面と向かって話し合うのが一番。メールなどの文面だと相手の要件は分かっても、感情などは理解しにくい。相手がどう捉えるかによって文の内容は変化し、関係を悪化させる原因にもなる。


 その点話し合いは、相手の表情、口調、仕草などで相手がどう思ってるかが判り、意味の捉え間違えが減り円滑に話しが進む。菜摘本人もこの事を理解し、大事な話しは文ではなく直接会って話し合うようにしている。このコンセプトのお陰で長続きしてると言っても過言ではない。俺は良い彼女が出来て幸せだ。


「本当!じゃあねー………どんな色の下着が好きですか」

「………んっ?もう一回」


「だーかーらー!どんな色の下着が好きですか!」

「菜摘、落ち着け。今は昼間だ、その質問はまだ早い」


「成る程成る程、落ち着いた色が好きなのね。帰りに下着屋さん寄らないと。じゃあ次の質問、体のどの場所が好きですか?」

()()そっち系の質問かよ。他にも違う質問も()()()()あるだろう」


「股とおっぱいね。やっぱりたっくんは男の子だね!」

「あのー菜摘さん?僕そんな事一言も言ってませんよー」


「じゃあ次はー、手と口どっちが好きですか」

「どうでも良いから別の話しよう、な?」


「どっちもいい?手と口両方じゃないと満足できないのね。たっくんの欲しがりさんめ」

「だから違うってーーーーーーーー!!」



 俺は菜摘からの大人の質問に精神的やられた。きっと菜摘の中でかなりの変態野郎になっている事だろう。あぁ、胃が痛い。


 でも、またこうして話せるようになって喜んでる俺がいるのも事実。おそらく、話し合わなくても数日経てばいつも通り話していたと思う。


 しかし、それは解決ではなくただ有耶無耶にしただけ。だから話し合う事に意味があり、話し合う事によって分かることもあり、話し合わないと分からない事もある。まぁ、今話してる内容はアレだが……。


 そう言った点では話し合うきっかけを作ってくれた幽霊に感謝した方がいいのかもしれない。一様仲は深まったわけだし。しかしあれを野放しには出来ない。早急に対応しなければ………


 いや、今はそんなことを考えるのをやめよう。幽霊の1人や2人は後回しだ。せっかくいつも通り話せるようになったんだ、菜摘との会話を優先させよう。


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 この変哲も無い日常会話ですら楽しく、懐かしくすら感じる。改めて菜摘の存在とこの時間の大切さを知った。これからは一層、この時間を大切にしよう。そしてこれからも菜摘を愛し続けよう。この時間を壊さないために。俺はそう心に強く心決するのだっだ。


登場人物、内容に関して多少変えておりますが、お風呂と京都の話しは私の実体験を元に書いてます。

お風呂方は大した事なんですけど、京都の方は思い出してまた怖くなりました。笑

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