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私は思った。私の家族は宇宙人だと。 1

前振り長くてすみません

 

 ここに示そう、宇宙人との終わりなき戦いの日々。



「お父さん!家で裸でいるのやめてって何時も言ってるでしょ!なんで辞めてくれないの!」

「だってここはパパの家だもーん。パパの好きな格好でいて、何が悪いの?ねーママ」

 そんな父は、腰に手を当てぶらぶらさせている。変質者極まりない。


「そーよ優衣ちゃん。そもそも人は裸で生まれてくるの。ありのままの姿でいて何が悪いのよ?」


「「ねー」」


 そんな母は、今は下着姿で家の中を徘徊してる。”今は”ね。


 そんな2人に私は負けじと言い返す。


「じゃあお父さんは裸で会社とか行っちゃうんだー、ふーん」

「……えっ? 何言ってんの?そんな事したらパパ捕まっちゃうじゃん」


 真顔が腹立つ


 更に母も

「優衣ちゃん。どうしてパパを裸で会社に行かせようとするの?もしかして、優衣も裸で学校行きたいの? だからパパを裸仲間にしようとしてるんだわ。きゃーー痴女よ、痴女! 優衣ちゃんが痴女になったわ」


 そんな事言ってる母は、両手を頰に当てている。それはまるでム○クの叫びのようになったいる。私には、何故そんな思考に辿り着いたのか理解できない。


 一方父は

「ゆ、優衣?そんな事したいのか?

 そんなこと…でも……いや! 子供がしたい事をさせてあげることが親の勤めだと言うのであれば、俺は全裸で優衣と学校にいく!!」

「貴方だめよ!そんな事したら私は…私は…どうやって生きてばいいのよ。私は貴方無しじゃ生きていけないのよ!」


「止めないでくれ、由紀子。俺は優衣と一緒に学校に行くんだー!俺はもう誰にも止められない。」

「パパの分からず屋。そんなにゆうならもういいわよ!離こーー」


「許してくれー」


 母が離婚と言い終える前に見事なDO KE ZAを披露する父。動きが洗練されており、美しくすら感じる。きっと会社で習得したのだろう。


「パパ、大好き」

「あぁ俺もだよ」


 切り替えの早い2人。そして私の説得?

 を始める。


「とゆうわけで……そんな事してなんになるんだ!俺は絶対、優衣をそんな道へは行かせない。俺が全力で阻止する。どうしても裸で外に行きたいのであれば……俺を倒してから行け!」

「パパ……素敵」


「そんな事…当たり前だろ?俺は、お前の妻であるのと同時に父親でもある。娘が道を踏みはずそうとしているのなら、それを正すのが父親ってやつたろ?」


 ドヤ顔+斜め45度がウザさを倍増させている。そして見事な手の平返し。私はあっさり見捨てられた。なにより気に食わないのが

私が痴女認定されている事だ。まったく侵害だ。


 いつも通りの巻き添いをくらう私と、自分達の世界を創り上げていく2人。まったく、40近いおじさんとおばさんが、「パパ」、「ママ」なんて言いながら、手を握ってイチャイチャして。


 どうやら、この2人には羞恥心とゆうのがないらしい。見てるこっちが恥ずかしくなる。


「あーもっ、わかったわよ。でもいつか絶対に服着せるからね!わかった!お父さん!お母さん! あと、言っとくけど、私は痴女じゃないから!」

「「はーい…………えっ?」」

「わかった?」

「「はいっ!」」

 どんだけ私を痴女認定したいのよ?まったくも!


 私はソファーに腰を下ろすと、疲れがドッと溢れてきた。何時ものよう宇宙人とコンタクトを試みも、どうも地球の言葉が通じないらしい。コンタクト失敗。


 そんな私の気も知らない宇宙人2人は私の疲れをさらに倍増させる発言をする。


「昔はあんなに可愛かったのにな。『ママーママー』てトコトコ走ってきてのに。最近じゃママとも呼んでくれない。思春期だから恥ずかしいのもわかるけど、ママって呼んでほしいな〜」

「僕が毎日、呼んでや・る・よ」

「んもーパパったら」

 また、2人の世界を作り始めた。一々作らないと気が済まないのか。まったく鬱陶しい。


「何年前のこと言ってるのよ。私だってもう”子供”じゃないんだから、ママなんて呼ばないわよ。恥ずかい」

「優衣っ!」

「なっ、なによ」


「…………弟と妹、どっちが欲しい。」

「急になに言ってんのよ!!」

 私が子供って言ったから?いや、だとしても唐突すぎるでしょ。


「優衣ちゃん!」

「なによ」


「今夜は、私達の部屋に来ちゃダメよ♡」

「はい、は〜い。わかりましたよー」

 ツッコミすらメンドくさい。この2人の相手は本当に疲れる。むしろ、子供の相手の方がマシである


「”はい”は一回だろ!…てか、今のすごくパパぽくない?」

「パパはもとから、立派なパパよ」

「ありがとう!ママも立派なママだよ。とゆうわけで一発、行って来ます。」

「どうゆうわけよ!」

 敬礼をするな、何処の戦地にいくのよ。


「優衣ちゃん!」

「はぁ…今度はなによ」


「な・ん・と・な・く、呼んだだけ♡」

「ああああぁぁぁぁぁぁあっも!!」

 久しぶりに発狂した。

 そんな私をみた父は、「優衣が怒ったぞー、にっげろー」と言って、母と「きゃーきゃー」言いながら部屋へ去って行った。



  私、小早川 優衣の父と母はおかしい。

 一般常識は一様ある?と思うが変な行動をよくする。そんな2人の宇宙人から生まれた1人の地球人。


  そんな私は、小さい頃からこの2人がしている奇行が日常茶飯事だったから、それが当たり前だと思っていた。だから、この家の出来事はおかしいとも思わなかったし、他の子も同じような事が起こっているのだと勝手に思っていた。


 そして、狼に育てらてた子供は、狼の様になるのと同じように、宇宙人に育てられたことによって、私は世間とは少し違う感覚を植え付けられ、私は少しずつ宇宙人になっていった。


 そんな私は、ある出来事により”私の家族は変なんじゃないか”と感づき始めた。


 まずは、私や家族の恥ずかしい昔話をいくつか話しましょう。


 ーーーーーーーーその1ーーーーーーーー


 小学3年生の時、私を含め3人で友達の家に泊まることになった。夕食を食べ終え、トランプなどで遊んでいたところに、友達のお母さんが「お風呂、入っちゃいなさい」と言われた。私達は”今いいところなのになー”と思いつつ、入らない訳にはいかないので、渋々入ることにした。お風呂に入ってる時は良かった。みんなでお湯のかけあいっこなどして、すごく楽しかった。事件が起きたの入浴後の事だった。


 私の家族はバスタオルで体を拭いた後は、火照った体を冷ますために裸でリビングなどに行く。ちなみに父は、仁王立ちをし腰に手を当て牛乳を飲み終えると、家の中を全裸て徘徊するのが習慣。それが父の日常。今考えるとフルティンはまずいだろうと思う。さっきもフルティンだったけど。


 私は何時どうり体を拭いた後、リビングに行こうとする。すると、友達が首を傾げながら質問してきた。

「どこいくの?」

「え?お部屋だよ」


  「裸で?」

  「うん」


「「えっ」」

「えっ?」

 2人は首を傾げる。そして私も傾げる。


「パジャマ…着ないの?」

「だって、パジャマ着たらあつくない?」


「でも、ふつうお部屋にいくときパジャマ着るものじゃないの?」

「えっ?」


「「?」」


 2人は一歩後ずさる。完全にドン引かれている。すごく視線が痛い。例えるなら……

そう、クラスの男の子が犬の糞を踏じゃた時みたいな…そんな視線。


 目が合ったまま数秒がたった。さすがに視線に耐えきれなくなったは私はとっさに

「そ、そんな訳ないでしょー。ちゃ、ちゃんと服着るよー」


「「そ、そうだよねー」裸でお部屋なんていかないよね」

「そ、そんなの当たり前だよーあははは」


「「あははは」」


 2人とも目が笑ってない。顔が引きつっている。私はこの現状をなんとか、乗り越える事ができたが、2人の視線がとても怖かった事は今でも覚えている。


 ーーーーーーーーその2ーーーーーーーー


「優衣ー、見せたい事があるから、ちょと来なさい。」


 玄関の方から父の声が聞こえてきた。

 私は声のする方へ行ってみるとそこには父の姿が無かった。


 キョロキョロと父を探していると、

「優衣、こっち、こっち」

 父の声が聞こえた。声の方へ視線を移すと2階の踊り場でブリッヂする父の姿があった。


「何してるの?」

「パパなぁー、エ○ソシストてゆう映画の真似をするのが夢だったんだよ」

「そうなんだ、なんかよくわかんないけど……パパ、頑張って!」


「それでは、小早川 生駒さんによる”悪魔に取り憑かれた少女の真似”です。どうぞ!」


 その母の合図で父が動き出す。


「生駒、いっきまーす!」


 タッタッタッ…ドテ、ゴロゴロ…バダ……


 途中まではよかった。だが、中間地点でバランスを崩し雪崩れるように落ちてくる。


 私はすかさず父に駆け寄る。


「パパ、大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だよ。でも、腕は折れてるかも。ママ、救急車呼んでもらっていい?」


「えぇ、大丈夫よ、もう呼んであるから。」

「ありが……」

 父は頭を軽く打ったらしく、気絶してしまった。


 間も無くして救急車が来て、病院に搬送された。父の目が覚めたのは病院に着いて1時間ほどたってからだった。


「……優衣…ママ…心配かけたね。」

「いえ、無事で何より。先生呼んでくるから少し待ってて」


 母は先生を呼びに行き、病室に父と私の2人になった。


「優衣、びっくりさせちゃてごめんね」

 そう言って、大きな手で私の頭を優しく撫でてくれた。


「もう……あんな事しちゃ…ダメだよ?絶対だよ?グスッン」

「あぁ、絶対にしないよ。約束する」

「パパ、大好き!」


 あの時の事は今でも覚えてる。泣きそうな私を優しい声で慰めてくれて、本気でいい父だとで思った。


 でも、そんな時間はすぐに終わる。所詮、父は宇宙人。一時的に地球人になっても本性を隠しきる事はできない。実際この後、私の求める優しくて、気の利く理想の父を、ほとんどみていない。突然現れ、すぐに消える。まるで幻のよう。


そして少しすると母が呼んできた医者が検査のため父が医者と話し始めた


「いきなりですが、記憶などに異常がないか、いくつか質問します。自分の名前と此処がどこだかわかりますか?」

「小早川 生駒です。年齢は29歳、公務員です。好きな事は、妻とイチャイチャする事と娘の笑顔です!嫌いな事は、服を着る事です」


「はーい、わかりました。さらっと惚気ないでくださいね。あと、性癖は言わなくて結構です。そんなの聞いても嬉しくないので。誰得だよって、感じなので」

「えっ、いんですか?遠慮しなくていんですよ?僕の情報中々か聞けませんよ?レア情報ですよ?聞かないと損ですよ?」


「わかりました。後で、あそこにいるナースが貴方の話しをいくらでも聞いてくれるらしいので、とりあえず今は、私の質問に答えて下さい。」

「えっ!本当ですか?うれしーな。後でたくさん話しましょうね。ナースのおねーさん」


「………」


 ナースは先生を凝視している。『なに、言っちゃてるですか!!』と目が訴えている。そして、その目には若干の殺意を混ざっている。


「それでは次の質問いきます。どのような経緯で階段から落ちたのか、思い出せる範囲でお願いします。」

「はっきりおぼえてますよ!エクソ○ストてゆう映画あるじゃないですか!その映画のワンシーンにブリッヂしながら階段降りるシーンがあるじゃないですか。そのシーンをするのが僕の夢だったんですよ!それで今日、思い切ってやっちゃいました。あはははー」


「……全裸で?」


「はい!全裸で」

 付き添いのナースが完全に引いてる。

 ”なにこの人、マジでキモいですけど”てゆう顔をしている。


「まぁ、家の中なので好きな格好でいて構いませんが、救急隊の人達が困っていたので、下着くらは履いといてください。それと、念のため脳の精密検査をしましょうか。色々とヤバいので」

「はーい」


 父は先生とナースの気も知らずヘラヘラしていた。


 私は不思議におもった。

『なんで先生はパパあんな事に、服装の事で注意されてるんだろ?なんでナースのお姉さんはあんな嫌そうな顔をしたんだろ?』と


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そんな事が何度かあり、私は、家族の行いを疑い始めた。そして私は思い切ってパソコンを使い色々と調べてみると


「なんですと……」


 調べた結果、私は衝撃を受けた。

 私の家で起こっている事は、他の家では起こっていなかった。

 あれも、これも、それも、全部。

 私の行動…私の家族の行動はおかしいのだと初めて気がついた。


 このままだと、ダメになってしまう。


 幼いながらそう思った私は、変人予備軍から普通人候補生になるために、努力した。常識を身につけ一人前の普通人になるために。


 そして私は、2年間の修行を得て。見事地普通人になった。そんな私とは違い変人2人は、変人ライフを満喫していた。


「ケーキ美味しい?パーパ」

「ママの作るケーキはいつも美味しいよ。こんなに美味しい物食べたらパパ太っちゃうよーHAHAHAHA!!」


 そんな変人の行動を見て私は嘲笑う


『ふっ、これからは普通人として楽しく生活してやるわ。変人は、変人同士仲良くやっていればいいのよ。おほほほほー』


 でも、私は後悔する。


 この2人も普通人にすべきだったと。


 私は、この先起こる事を想像すら出来なかった。


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