俺は思った。俺にはラノベ主人公は無理だと
うん、おかしい。
なぜか奴の周りには常に美少女がいる
右隣りの席には突然転校して来た、美少女西園寺。前の席には同じクラスになった事で仲良くなった美少女小早川。その後ろに立っているのは1年から仲がよかった普通に可愛い津々井。
そして、そんな美少女達に囲まれハーレムを満喫している男。つまり男子の敵である、 工藤 蓮。
奴は顔、運動、勉強、全において平凡であり、何か吐出した才能があるわけではない。しかし、その周りには常に美少女がついて回る
そんなラノベ主人公要素満載な工藤 蓮は、クラス美少女ランキング3位を独占している事から、クラス男子及び他のクラス男子からも白い目で見られている。
その男子達からの冷たい視線には、工藤本人も気づいており、それもハゲる原因だと俺に相談してきた。
その話しを聞いた時、俺は思いついた。もしかしたら俺もハーレムを体験する事が出来るのではないか、小説の主人公のように美少女達にチヤホヤされるのではないかと
そして俺は工藤にこう持ちかけた。
「そんなに嫌なら、俺と1日立場を変わってみないか?」と
工藤の方はあっさりと承諾してくれ、寧ろ『俺がどれほどストレスを感じで生活しているか、耐えれるものなら耐えてみろ』と言わんばかりの表情をしている。
フッ、耐えてやろうじゃないか。そしてこの俺が主人公の立ち位置を奪い取り、毎日ハーレムライフを送るのだ
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「って、事だから今日1日は俺を弄らないで相原を弄ってやってくれ」
「師匠はほかの男に股を開けと言ってるんですか? 私の穴は師匠だけのものですよ」
「そんな事、一言も言ってないし入れた覚えもないのだが」
「まさか、私が寝取られる私を見て喜ぶタイプですか? そういうたまに見せるSぷりも好きですよ」
ダメだコイツ、全く話が噛み合ってない上、話が一向に進まない。俺としてはこの状況ですら早く去って欲しいのに。
「津々井は別にいいよな?」
「まぁ、いいけど。私としてはあまり人を弄ってる感覚ないんだよねー どちらかと言うと人が話した事のアラを探して、アラを見つけたらそれを本人に言ってるだけなんだけど……….」
津々井よ。それを弄るという事なのだよ。これだから無自覚で人を弄る人は恐ろしい。そして、軽く天然が入ってる事、これが更に俺を苦しめられる原因の1つでもある。
「小早川は誰でも弄れればいいよな?」
「まるで私が見境いのない人みたいじゃないですか」
「えっ? 違うの?」
「当たり前です。蓮くんのように穴ならなんでも言い訳ではありません。弄る相手くらい選びます。全く童○と同じ考えだと思われてる時点で不愉快です」
俺ではなく、相原を弄れと言っているのに、言ってるそばから俺を弄り始める。こんな人の話を聞かない奴らと何がしたいのだ。相原のしたい事がわからない。
「んで、結局どうなの? 相原の相手をしてくれるのか?」
「そんなに師匠に寝取られ願望があるのなら、師匠のために我慢します。それに、『私の体を自由に出来ても、心までは奪う事が出来ません!!』的なセリフ言えます。とても憧れるシュチュエーションです!!」
勿論俺にはそんなゲス願望が微塵もない。まぁここは、凛花が楽しそうにしてるので放置しておく
「ただ、孝ちゃんと話せばいんでしょ? そのくらいなら簡単なことだね!!」
津々井にとって話すことは容易なことなのだろう。しかしその話すと言う事が、弄られる側として、なにげ心に刺さる事だよ
「まぁ、蓮くんがそこまで言うのなら、今日1日 相原さんで我慢します。しかし、明日は………ねぇ?」
なんだろう、この『ねぇ?』は。『ねぇ』しか言ってないのにこの威圧感。目が笑ってないのが更に怖さを引き立てている。
明日なにが起こるかわからないが、取り敢えず今日は平穏に過ごせそうで何よりだ。
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「師匠にああ言われてきたけど、なにがしたいの? M属性なら私と師匠だけで十分だけど」
なにがしたいだって? 美少女イチャイチャしたいんだよ!! 工藤ばっかり羨ましいじゃんか
「取り敢えず孝ちゃんを弄ればいいんだよね? 私弄った事ないけど頑張るよ!!」
無意識に弄っていたとは恐ろしい子だ。
「2人がなにな絡んでるか知らないけど、覚悟しときなさいよ。某引きこもりのようにならないように」
あぁー 小早川さん達と買い物行った 久喜 ニ貴太のことか。まぁ、俺は大丈夫だろう。だだ美少女達と一緒にいるだけでいいのだ、故に逃げ出すだなんでそんなことならない
そして昼休み、小早川達からの弄りが頂点に達する時間。
「前から思ってたけど、なんで孝ちゃんの目はお尻みたいになってんの? 穴もついてるの?」
「なわけないじゃんか」
「なにも出ないのか〜 つまんないなぁ〜」
「そんなの彼の冗談ですよ。目糞と言う名のウンチと、涙と言う名の尿が出まくりですよ」
「え〜、コイツは常に尻を露出してたの?キモ、師匠以上の変態とかキモ」
「てか、西園寺さんなんかキャラ違くない?」
「そんなの当たり前、師匠以外の男にデレるわけないでしょ。そもそもあまり話したくないんだけど。てか、さっきから私の足見てるでしょ?キモいんですけど」
「べべべ、別に見てないし」
「キモ」
つまりこの状況はあまりよろしくない。普段工藤の周りには、Mの西園寺さん、Sの小早川さん、謎の属性ヒカリがいる。しかし今回はMの西園寺さんがSにモードチェンジしている。S属性2人の相手は流石にキツイ
しかし、いつもなら工藤を弄りまくる小早川さんがおとなしく、いつも工藤にデレデレの西園寺さんが人を弄り、俺に罵倒の雨嵐。まぁ、工藤と小早川さんの掛け合いに比べたら
西園寺さんの弄りなど問題ではない。
しかし、俺が余裕でいれたのはここまで。
「ふと思ったんですけど、相原さんって てっぺん薄いですね」
小早川さんがそう言う爆弾を投下すると、どれどれと言った感じでヒカリと西園寺さんが俺の背後に周り頭部を凝視し始める。
少しすると2人同時に「確かに」と言い始める。
「蓮くんって、おデコ広いけどてっぺん薄い訳じゃないですよね」
「確かに、蓮ちゃんは広いのはデコだけだもんね!」
「何言ったらんですか? 師匠のあのおデコが可愛いですよ! お二人とも何も分かってないですね」
おいおい、ちょっとまて。今の話しだと工藤より俺の方がハゲてるって事なの? そんなのおかしい。散々工藤をハゲネタでいじっておいて俺の方がハゲてるって笑えない。
俺は椅子から立ち上がり3人に問いかける
「3人とも?なにかの冗談だよね?」
「「「…………………」」」
おいおいまじかよ……何故黙る。怖いんだけど。
しかしそれだけでは止まらず、今度は別のネタに変わる
「もしかして…………足短い?」
小早川が言った一言で今度は俺の足に視線を移す。そしてマジマジと見始め、また無言になる。この うん とも すん とも 言わない感じ、トラウマになりそうになる。
「俺、ちょとトイレ行って来る」
この無言の圧力に耐えられず、つい俺は逃げてしまった。工藤、お前は凄いよ。俺は所詮口だけの男。耐えれる自信がない。
そして今までごめん。お前には悪い事をしてしまった。これからは工藤に優しく出来そうな気がする
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「優衣さま、作戦成功ですね!! これで誰にも邪魔されず、師匠とイチャイチャ ライフを送ることができます」
「まだ、作戦の序章にしか過ぎないのに。あの程度で根を上げる何で、まだまだですね」
「優衣っちは厳しいね〜 まぁ確かに蓮ちゃんには敵わないけど」
この今までの発言は全て作戦のうち。3人で相原を弄り相原自らこの場から退場させる為だ。勿論、「てっぺんが薄い」だとか、「足が短い」とかは、完全、完璧 嘘でっち上げである。これも全て相原を退場させる為のプランに過ぎない。
見事作戦に成功し、3人で喜んでいると後ろの方から聞き慣れてる声が聞こえてから。
「お前らちゃんと相原に謝っとけよ」
一連の流れを見ていた工藤からすると、少しやりすぎなのではと思だからだ。工藤とて最初から弄りに強かったわけではない。徐々に弄りに慣れた為、今の精神的強さがあるわけだ。故に、普段俺にしている弄りを少し優しくしたとて、結局普段と変わらない。
だから3人には相原に謝っとけと言ったんのだが、あまり聞く耳を持ってくれてないようだ。
「師匠ーー!! やっと師匠と話せます!!嬉しいです」
この通り、相原の呪縛から解き放たれ 俺の腕に飛びついて来る。いや、嬉しくない訳ではないよ? だだいつもの視線が辛いだけ。もう、慣れっこだからいいけど。
「取り敢えず、後で謝っとけとば良いよ。3人とも」
「「「はーい」」」
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放課後
「どうだった今日。主人公になれそうか?」
「いや、俺には無理だ。工藤に、あんな啖呵切ったが結局のこのザマだ」
「まぁ、そうだろうな。俺は半年かけてそれなりに慣れたからな。1日じゃ無理だ」
「だよなぁー 1日で慣れる方が無理があるよな」
「その通りだ」
「はぁ〜 結局俺にはラノベ主人公は無理だな」




