とうめいな戦争
***
自身の青春に想いを馳せるのがよいかと。
挿れても
いい?
避妊
するから
抱きしめて
くれた
OK?
いい
じゃん
いい
じゃん
………。
…………。
……………。
………………。
…………………。
……………………。
………………………。
…………………………。
……………………………。
………………………………。
…………………………………。
……………………………………。
……….。
……。
…。
。
え。
お前、
ここまできといてやらないって卑怯だよ
怖いんだろ
?
「この作品を読んで私は、実際の女子高生はもっとグロテスクだよ、と思いました。なんだか、女の子達は宙に浮いてるよう」
わかった、じゃあ
「僕ちゃんは
SEXが怖くて
できません」って言えよ
言えたらこのことなかったことに
してやるよ
ほら言えよ。ほらほら早く。
早くぅ!
んなんじゃ聞こえねえよ! もっとはっきり言えヨォ! 言えヨォ! 言えヨォ! もっとだよ! もっと! もっと! このクソッ野郎が……。男のくせにナニつけてんだよ。
……ジークムント・フロイトの去勢だ」
***
マリンダ(17)
娼婦。レイの飼い主。
ラルボ(52)
肥えた警部。
ネット(35)
警察の情報屋。
ケルトロ(46)
ギャングのボス
ンコルツェ(27)
ケルトロの右腕。
レイ
魔装猫。三毛猫。
ユルビス
魔装猫。ターキッシュバン。
キャニメラ
魔装猫。サイバリアン。
シンセス
魔装猫。コラット。
コライル
魔装猫。ピクシーポブ。
ルイル
魔装猫に憧れる子猫。
➖本編➖
1
<昼。勤め人の行き交う往来。背広のサラリーマンから肉屋の主人、仕事帰りの娼婦などさまざまな人がいる。
そこから外れた暗い路地裏へとカメラは入っていく>
ナレ「あなたは路地裏の異界をどれだけ知っていますか」
<路地裏を歩いていく一匹の猫がいる。足取りは軽やかでどんどんろの奥へと入っていく>
ナレ「そこは人智を超えた」
<猫の前方に光が見えた。その光は路地裏では考えるられぬ大きな空間、異界を感じさせる。猫はそこに向かっている。
光の中に入ると何千という町の猫が5本の柱に乗った5匹の猫を囲んでいる。猫の集会である。その様はコロシアムで闘技を見るように熱気でうなっている>
ナレ「魔を司る猫達の世界なのです」
<猫は右の柱から三毛猫のレイ、サイバリアンのキャニメラ、ターキッシュバンのユルビス、ピクシーポブのコライル、コラットのシンセスがいる>
2
<同刻。警察署。たくさんのデスクが並べられた署内は慌ただしい。デスクに着いた警部ラルボと立ったままの情報屋ネットが話している。署内は騒がしく二人の会話は三者には聞こえない>
ラル「そうだ、ケルトロのとこから現物を盗み出して欲しい。物がないと追い込めないからな」
ネッ「わかった。今、そいつのところに出している女がいる。そいつに盗ませよう。今回の山は高く付くぜ」
<ネットが立ち去る>
ラル「こんな手使わんと押さえられないからな」
<デスクに肘をつき考えこむ>
3
<同刻。マリンダの部屋。マリンダは化粧台の前で化粧を落としている。机と水場とタンス、仕事のための化粧台以外は何もない質素なものである。化粧を落とし終えて水場へ>
マリ「ああ〜、今日もよく働いたぁ〜」
<窓辺でレイが日向ぼっこしている>
マリ「ごはんにしようか、猫ちゃん」
<レイの前に器に入れられた肉の切れ端が出てくる。レイはそれを食べ始める>
レイ『俺の名はレイ。この町を守る魔装猫の一匹だ』
<マリンダがしゃがんでレイの頭を撫でながら「お前は食べ盛りだねぇ〜」と言って笑う>
レイ『そしてこの女はマリンダ。しがない町の娼婦さ』
<マリンダが立ち上がる。マリンダは歩いて扉の前に>
マリ「じゃ、私は明日大きい仕事あるからから一眠りするね。じゃ、おやすみ〜」
<マリンダが扉を開き出ていく。扉が閉じられる>
4
<夜。船着場。密輸した荷物をマフィアの下っぱが軽トラックに積んでいる。荷物は麻袋に入った穀物。急かすため罵声も聞こえる>ここのディテールがない
下1「ったく、なんでこんなに丁寧に運ばなきゃならないんだ」
<下っぱが麻袋の中を漁る。中からビニール袋に入った白い粉を見つける>
下2「何だろうな、これ。覚せい剤?」
下1「さぁ?」
5
<同刻。マリンダの部屋。マリンダは露出の派手な服に着替え、化粧台の前で化粧をする。レイは机の下で寝ている>
マリ「さて、おめかしおめかし〜」
<マリンダは化粧を終えるとレイに近づき抱える>
マリ「じゃ、行ってくるね。猫さん」
<マリンダはレイにキスする。
マリンダは明かりを消し部屋から出ていく。
レイは暗い部屋に一匹残される。
窓が叩かれる。レイが振り向くと、そこに仲間の猫ルイルがいる。
レイは窓辺に飛び乗りルイルを窓越しに見る>
6
<夜。屋根の上。ルイルが先行してレイと歩きながら話している>
ルイ「ここ最近ケルトロの動きがおかしいんだ。何かでかい抗争が起こるに違いないよ」
レイ「だからといって人間にむやみに手を出すのはいただけないな。俺達はなんとか人間と生きていられる。それでいいじゃないか」
<ルイルは立ち止まる>
ルイ「優しいなあ、レイは」
<ルイルはレイに振り向く>
ルイ「なぁ、俺達猫は人間に虐げられてるんだぜ。俺の親は人間に殺された」
<ルイルはレイに近づく>
ルイ「もし俺に魔装の力があったら………」
<ルイルはレイを睨む>
ルイ「人間を思い切り傷めつけてやるのにさ」
<レイはルイルをさらりと交わす>
レイ「お前がそうだから魔装の力は与えられないのさ。人間にだって良いやつはいるさ。きっと」
7
<深夜。繁華街。ホテルの前に高級車が止まっている。それに乗り込むマリンダとケルトロ。
マリンダはケルトロに肩を抱かれている。マリンダはうっとりしている>
ケル「お前はいい女だ。俺の愛人にしてやる」
マリ「本当‼︎?」
ケル「(運転手に)おい、ケデムの宝石店に行ってくれ。なんでも好きな物買ってやるよ」
<マリンダはまたうっとりする>
8
<同刻。マリンダの部屋。マリンダはネックレスを持ち上機嫌である。レイは机の下で寝ている。マリンダはレイにネックレスを見せる>
マリ「猫ちゃん見て見てジャーン‼︎買ってもらっちゃった‼︎‼︎」
<マリンダはネックレスを机に置き、レイの喉を撫でる>
マリ「今日相手にした人がすごく羽振りがよくって買ってもらったの‼︎」
<マリンダは立ち上がりレイのごはんの準備をする>
マリ「それに愛人にまでしてもらったのよ‼︎」
<マリンダはレイの前にごはんを出す>
マリ「猫ちゃんのごはんももっと豪勢にできるわ‼︎」
***
<レイはごはんを食べ終え眠くなる>
レイ『なんだかマリンダはとてもうれしそうだ。マリンダが喜んでいるなら俺はそれでいい………』
9
<同刻。ケルトロの豪邸。大きなチェアーに座りたばこを吸うケルトロ。すぐ横に右腕のンコルツェがいる。機関銃を持った下っぱを6人侍らせている>
ケル「で、例の荷物は大丈夫だな」
ンコ「はい」
<ケルトロはたばこを灰皿で揉み消す>
ケル「あれはやばいが高値で売れる。警察に見つかるヘマはするなよ。面倒だからな。ラルボには気をつけろ」
ンコ「はい」
10
<路地裏、猫の集会。幾千の猫の目が5匹の魔装猫を見ている。ユルビスが中心に話を進めている>
ユル「最近でギャングのケルトロの動きが気にかかるが、警察のラルボも何やら動きを見せている。我々猫としては抗争に発展するようなら手を下すことも厭わないと考えるがいかが?」
<猫の群衆の中からルイルが身を乗り出す>
ルイ「人間が争わんとするのは明白だよ!すぐにも魔装で攻撃すべきだ‼︎」
<猫の群衆がルイルの意見に傾きつつある>
レイ「待て‼︎もう少し動きを見るべきだ。急いてこちらの身を滅ぼすようなことになったら困る」
<猫の群衆の熱が冷める>
ユル「では、今はまだ様子見ということで、解散」
11
<猫の集会の帰り道。歩いて来たレイを迎えるルイル。レイはルイルに目を合わせない>
ルイ「なんでレイはそう人間に肩入れするんだ‼︎そんなに魔装の力が惜しいのかよ‼︎」
<レイは立ち止まりルイルに振り向く>
レイ「さあな」
12
<夜明け。ホテルの一室。マリンダは裸でベッドのなかに、ネットは服を着始めている>ディテール?
マリ「あのね……私、お金持ちの人の愛人になるの。だからこれまでみたいに相手はできない……」
<ネットは服を着終える>
ネッ「結婚しないか」
<驚くマリンダ>
ネッ「最後の仕事が終わったら結婚しよう」
<ネットはマリンダに近づきキスをする>
ネッ「マリンダ、君次第だ。仕事が終わったら返事を欲しい」
<ネットは部屋を去る。マリンダは一人ベッドの上で呆然とする>
13
<朝。マリンダの部屋。マリンダは机に着き物思いに耽っている>
マリ「私って、何かしら?」
<レイはごはんを食べるのを止め、マリンダの顔を見上げる>
マリ「私ね、小さい時に家族とバラバラになっちゃってからずっと一人だったような気がするの。この仕事をしていろんな人と寝たけれど、私はやっぱり一人だった。もしこのままいったら、私これからもずっと一人なのかなって……」キャラクタの動き書く?
<レイはマリンダの足元にいき、顔を擦り付ける>
マリ「何?慰めてくれるの?一人じゃないって?」
<マリンダはレイを抱えてキスをする>
マリ「ありがとうね。猫ちゃん。大好きよ」
<マリンダはレイを机の上に置く>
マリ「決めたわ、私。私、あの人と結婚する。結婚して奥さんになって赤ちゃんも産んで猫ちゃんとみんなで幸せに暮らす。だから、今度の仕事が終わったら、きっとここを引っ越すよ!」
<レイは机を降り、いつもの場所で寝る>
レイ『俺はこの町を離れられないと彼女に言うことはできなかった。後濁さず消えるしかないだろう』
14
<昼。ケルトロの豪邸の車庫。下っぱ二人がトラックに積まれた段ボールを中へと運んでいる>
下1「んしょ……んしょ……」
下2「これで終わりかな」
下1「そうだな」
<中からンコルツェが出てくる>
ンコ「おい、ちゃんと運び終えたか?」
下1「はい、終えました」
ンコ「何もおかしいことはなかったな」
下2「?……ないですけど……」
<ンコルツェは下っぱ二人が運んでいた段ボールを叩く>
ンコ「この麻薬を警察が手に入れるためにスパイを放ったって話が立ってるんだ。まさか、お前達はじゃないだろうな」
<ンコルツェは懐から銃を出す>
下1「違いますよ。銃をしまって下さいよ。俺達はケルトロの親分を慕ってここにいるんですから!」
下2「そうですよ!」
<ンコルツェは二人を見る>
ンコ「お前達を信用していいんだな」
下1「もちろんです」
下2「はい」
ンコ「わかった。今日はもう帰っていい。よく休め」
下1「わかりました」
下2「はい」
<下っぱ二人は車庫から去る>
ンコ「早いうちにスパイを片付けないとな」
15
<同刻。マリンダの部屋。マリンダが仕事に行き静かな部屋でレイは寝ている。レイは起きる。
レイは窓辺に飛び移る。もの寂しげにマリンダの部屋を見回す>
レイ「あばよ、マリンダ。達者に暮らせよ」
<レイはマリンダの部屋を出る。
レイが屋根の上に飛び移ると、そこにユルビスが現れる>
ユル「よお、レイ。涙の別れは済んだか?」
<レイは顔を上げ、驚く>
レイ「ユルビスじゃないか!人間嫌いのお前がいるなんて珍しいなあ」
ユル「たまには気負いなくお喋りがしたくてな」
16
<同刻。屋根の上。ユルビスが先行して歩く二匹>
ユル「皆の間でも魔装使用の声が高まっている。このまま人間に攻撃する可能性もあるかもしれない」
<レイは黙って聞いている。レイは思案してから口を開く>
レイ「魔装の力は俺達猫がこの町を調整し守ってゆくための力だと俺は思っている。おいそれと皆に押されて使うものではないが、皆はケルトロの動きを感じて攻撃しろと言っている。ケルトロの所で何かが起こるのは確実だろう」
ユル「ああ、そうだな」
レイ「それともなにか?お前は俺に攻撃の誘いでもしに来たのか?」
ユル「いや……。魔装の力は攻撃にあらず、そうじゃないかと思ってさ……」
レイ「そうだな。何かを滅するための力では決してない。もし、それを忘れた時、俺達はきっと魔装の力によって自ら滅びてゆくんだろう……」
ユル「そうか、そうかもしれないな」
17
<夕刻。ケルトロ豪邸の寝室。マリンダとケルトロが裸でベッドの上にいる>
ケル「今日もいい具合だったぞ」
マリ「はい」
<ケルトロはベッドから出る>
ケル「俺、ちょっと用足しに……」
マリ「はい」
<ケルトロが寝室から出ていく。それを見るなりバスローブを着る>
マリ「さぁ、探し物してさっさとおさらばしましょ!」
18
<同刻。ケルトロ豪邸の廊下。部屋を見て回るマリンダ。>
マリ「白い粉を探すのよね。覚せい剤かしらん」
<部屋を覗くマリンダ。白い粉がありそうな物置部屋に入る>
19
<同刻。ケルトロ豪邸の物置部屋。木箱を開け白い粉を探すマリンダ>
マリ「どこかしら?どこかしら?」
<物置部屋の前を通りかかったンコルツェが物色するマリンダの姿を見る>
ンコ「おい!何をしている‼︎」
<ンコルツェは銃を構える。慌てるマリンダ>
マリ「違うの!私は違うの‼︎」
<そこへケルトロが現れる>
ケル「一体どうした?」
ンコ「ボス、この女、あの男とグルですよ」
<怒るケルトロ>
ケル「テメェ、可愛がってやったのにあのスパイとぐるだったんか!騙しやがってこの野郎‼︎ぶっ殺してやる‼︎」
<ンコルツェから銃を奪い、マリンダに近づくケルトロ。>
マリ「違うってば!聞いて‼︎」
<ケルトロはマリンダを木箱に押さえつけて、銃を後頭部に当てる>
ケル「うるせぇ、黙れ‼︎」
<ケルトロはマリンダの頭に弾丸を3発打ち込む。マリンダは絶命する>
ケル「くそっ!こいつとあの男は警察のスパイだ‼︎薬のことは警察に流れてるに違いねぇ‼︎あの薬をトイレに流して証拠隠滅しろ‼︎」
ンコ「はい」
20
<同刻。ケルトロ豪邸のトイレ。段ボールに入った白い粉をトイレに流す下っぱ二人>
下1「あ〜あ、もったいねぇなあ」
下2「おい、それが終わったら、死体を二つ片付けるんだとさぁ」
下1「面倒くせ〜」
21
<夜。マリンダの部屋。窓辺でマリンダの帰りを待つレイ。レイは最後の別れを言いに戻ってきていた>
レイ「もう男と町を出たか……。それならいい」
<レイはマリンダの部屋から去ろうとする。その時、レイは不意にマリンダのネックレスを見る。これだけ高価な物を買える者は町の中では限れる。レイは嫌な予感がする>
22
<同刻。マリンダの部屋を飛び出すレイ。屋根を伝いケルトロの豪邸へ行く>
レイ「まさか……な……。金持ちなら他所から来た奴らが腐るほどいる……。決してケルトロ一人じゃない……。だが……。」
<レイは屋根を飛ぶように駆ける>
23
<同刻。ケルトロの豪邸の見渡せる街灯の上に着く>
レイ「血生臭い……」
<窓から中の様子を窺う。
そして、マリンダの死体を見つける>
レイ「ああ、マリンダ……」
<レイは窓をこじ開けマリンダの死体に近づく。そして、死体に寄り添う。レイの内にマリンダの声が聞こえる>
マリ『お前は食い盛りだねぇ』
レイ「そうさ、俺は食い盛りさ」
マリ『猫ちゃん見て見てジャーン!買ってもらったの!』
レイ「よかったじゃないか。似合ってるよ」
マリ『今日相手にしたら人がすごく羽振りが良くって買ってもらったの!それに愛人にもしてもらったのよ』
レイ「良い人と会えてよかったな」
マリ『猫ちゃんのごはんももっと豪勢にできるわ』
レイ「そいつはありがたいね」
マリ『私って何かしら』
レイ「マリンダはマリンダだよ」
マリ『私、あの人と結婚する。結婚して奥さんになって子供産んで幸せに暮らす』
レイ「そりゃめでたい。よかった」
マリ『今度の仕事が終わったら引っ越すよ』
レイ「その時は俺が見送ってやるよ」
マリ『わたしね小さい頃家族とバラバラになってからずっと一人だった気がするの。もしこのままいったら私これからもずっと一人なのかなって』
<レイは死体のマリンダの顔を見る>
レイ「俺がそばにいるよ、マリンダ」
続く〜
***
縦書き
神秘
?
だから
縦書き
ところで、京華学園演劇部の伊藤弘成氏が書いた高校演劇の赤本?「THESTAFF」の中にこんなエピソードがありました。
リハーサル最中だというのに、舞台装置は立たない、生徒はなんかぼっとしてる。伊藤氏が怒鳴り付けてやろうと思った時、一人の女生徒が近づいて来ました。
「私達は舞台のことがまったくわかりません。教えてください。お願いします」
この時伊藤氏は彼女の誠実な姿勢にうたれ、より良い高校演劇をしてもらうために「THESTAFF」を書こうと決心したそうです。
***
ルイ「ここはどこ? 僕のママは?」
***
斜め53°にバナナをカチ割ってみますと、それはとても狡猾な、クリオネの卵巣に溜まった可燃性ガスを放出するのであります。
私は調子にのって、それを爪の間にねじ込みまして。
その感触はまさに、舌の裏にドライアイスを入れた時のよう。
私は嬉しさのあまり、茂みにいるクロアリにダイビングヘッドを掛けるのであります。
死者
世界
固形
思う
なって
戦争
とうめい
僕
死
ならない
生き物
「メガネ学生が、リボン学生が、俺の学生よ
まじないが人殺す
物騒が世の中
ハンバーガーが弾丸を炒めよ
厨房に居座れ原住民がまじない
にほ」
***
レイ「とうとうこんなとこまで来ちまったか……」
***
War
平和
無
弱い
生
れない
生
なかった
悪い
じゃない
War
生き物
進化
じゃない
そう信じたい
この作品には世を知った大人には出せない、皆が必ず通った青春のすこしの屈折と純真さがあります。私の感想は半端に大人になったゆえの感想なのでしょう。
一生懸命
ない
俺
叔母
カモメ
殺
趣味
イタイ
そんなこと
今更に
蒸し返せよ!
裸
寝
叔母
の
責任
俺
大地母神
死海?
それ
美味しい?
やだもう馬鹿な
ことばかり言って
殺すよ
十二指腸に
シャー芯いっぱい
入れちゃうよ
姦淫しちゃうよ
いいの?
いいの?
***
マリ「猫ちゃ〜ん、猫ちゃ〜ん、猫ちゃ〜ん。ダイスキ」
***
すると、頭蓋に囲まれた脳味噌の中の、幾億のハンガーが一斉に動きを止めまして。
静脈を流れるスーファミのカセットは、気圧の差で大爆発しまして。
八百屋の親父のこめかみを突き破って、モモンガが顔を出しまして。
ジュラ紀から、死に損ないのコエロフィシスとムッタブラサウルスが、腎臓内に入り込み、人形浄瑠璃を演じまして。
私は特異な文体でないこの手の作品をあまり好まない。
言ってしまえば、平凡な文体で残虐の世界を理解し描ききれるのかと訝ってしまうのである。興味本位の残虐ほど胸糞悪いものはない。最初はこの作品もそれにもれないのではないか、そう思ってしまった。
が、それは大きな間違いであった。
平凡な文体が残虐への理解を通り越して行為と直結するさまに私は感動した。殺人鬼とは秀でた反道徳性や悪魔主義、肥大した自我に依るのでなく、あなたの隣にいるような平々凡々な人間に宿るものだと気づかされたからだ。歴史上数多ある虐殺を起こしたのはやはり、大多数の平々凡々な人間なのである。だからこそ私達はワイドショーに映る平々凡々な素面の人間の面の裏に宿る狂気の世界に言い知れぬ恐怖と興味を持つのである。
この作品は我々に教えてくれる。平々凡々な姿をしたあなたも殺人鬼たることはあるということだ、時と場合によっては。
***
マリ「グフ、グフフ。グフフフフ。グフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフフファッ! ファッ! ファッ! グファ! グファファッファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファファ」
***
殺人鬼とは平々凡々なものである。
***
俺達
ラリ
ラリ
ラリ
リリラ
生
人
偉いんだ生者原理主義じゃ!
わたし
外側
物々しい
鉄橋
ない
戦争
は
生き物
は
生存競争
と
同じ位
「夕闇通り探検隊」はホラーゲームです。まず、企画者が
『昨今「バイオハザード」や<怪奇ノベルゲーム>のようなものが流行っているが、俺は以前、「トワイライトシンドローム」というホラーゲームを作った』
というところから話が始まります。企画者はさらに
『だが、「トワイライトシンドローム」は幽霊をノスタルジックに描いてしまい、俺の求めるホラーゲームではなかった』
と言うんです。そこで
『では、真の恐怖・ホラーとは何であろうか?』
と語り出すんです。企画者はそこで自身の持つ恐怖の哲学を語ります。
『それは日常に潜むものであって形無きものである。
夜道を歩く時背後に感じる違和感、
いつも通る電信柱の影に蠢く何か、
トンネルの壁のいつ付いたか知れぬ赤茶けた染み、
恐怖・ホラーは我々の背後にぴったりと付いて回りながらある瞬間にその姿を現す、そういった類のものだ』
そして企画者は続けます。
『さて、ここから始めよう。俺の目指す最恐のホラーゲーム「夕闇通り探検隊」を!』
それらの恐怖哲学に基づいて企画書の本文、ゲームシステムの説明が展開されてゆきます。企画書の恐怖哲学がゲームシステムによって現れてゆく様に、私は興奮しました。だから、私は企画書はラブレターのような心踊るものだと思っているんですね。
逆のことを言うと、『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメーションの企画書はよく分からなかった気がします。作品に出るであろう怪獣やカッコいいロボットや秘密基地やそれらを含んだイメージ画はふんだんにあるのですが、覚えている限りではテーマがどこか薄弱としていてどのような方向性の作品になるのがいまいちピンとこなかったんです。『少年少女がロボットに乗って戦う』や作品固有の名詞は載っていたのですが、それがどう転ぶのかが分からなかったんです。もしかしたら、いろいろできるゆとりがあったから、あのような作品になったのかも知れませんね。
もう一つ付け加えると、プレゼンの技法として
『my_our_seif法』というものがあるみたいです。
これは、
『my_私の経験、感じたこと』から話を始め、
『our_それが我々にどう関係するか』に続き、
『self_だから、〜〜したほうが良い』という展開の仕方だそうです。
なぜ私がこんな付け加えを書いたかといえば、私はこれが先の『夕闇通り探検隊』の企画書の中に入っていると思うからです。
『my_俺はホラーゲームを作ったが、それは真の恐怖ではない』
『our_我々が感じる真の恐怖とら日常の中の形無きものである』
『self_その真の恐怖を体感できるゲーム、ゲームシステムとはこの企画である』
という感じでしょうか。これは私が分析しただけで本当にその効果を狙って企画書が書かれたかどうかはわかりません。ただ、私がこの企画書にすんなりと入れたのは、この技法があったからも知れません。
***
レイ「俺達の魔装はこの世の真理ではない。欺瞞に満ちた朝靄だ」
***
私はそれを見ながら、旧友が串刺しにしたカナチョロを、近所の大火事の火で炙りまして。
その時私は、焼けて崩れ落ちる近所の家のトタン屋根が、斜め53°の角を内包していることに気づいたりして。
それはバナナの蒸し焼きをするために用いる葉と、ちょうど同じサイズなのであります。
これを91108枚溜めると、八百屋の親父のクロアリと交換できます。
***
ユル「お前達人間はこれに何を見る? そして何をする?」
レイ「お前にはわかるか?」
<人々がランタンを片手に暗がりの中を旅立っていく>