魔剣テルヌーラ
⚠エロっぽいかもです。BLが嫌いな方はとばしてください。
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前回のあらすじィィィィィィぃい!
『ブラッシング!』
『シリルの手の甲に紋様が!』
『魔剣?』
のどん!ι(`ロ´)ノ
「魔剣……ですか?」
シリルはシキに指摘された右手の甲にある黒い紋様をまじまじ見ながら困惑の表情をしていた。
「そう。『魔剣』だ。何らかの特別な力を宿している剣。それがシリル、君の身体に宿っているんだ。恐らく、保有者である君の体力が戻ったから紋様を構築したんだろうな」
「でも……『魔剣』って恐ろしいものなんじゃ……」
「『魔剣』は『聖剣』や『天剣』とかと何ら変わり無い存在だ。異なっているところといえば……『魔剣』なら闇を。『聖剣』なら光を。『天剣』なら四代元素……火・水・風・地を司る位だ。『魔剣』が恐ろしいと感じるのは無理はないが、全ての『魔剣』が悪い訳ではない。シリルの保有者している『魔剣』はどうやら君が回復するまで仮死状態だった様だよ。君の負担にならないように、ね」
シリルに宿っている『魔剣』は恐れられるイメージとは異なりむしろ優しい物であった。もし、その『魔剣』が言葉を発する事が出来たら主であるシリルを守れなかった事に酷く悔やんでいただろう。だが、シリルの心身が負傷していたのだ。そこで『魔剣』を発動すればシリル自身が下手をすれば死んでしまう可能性もある。『魔剣』も望んで主を蝕む能力を持っている訳ではない。それにシリルは『魔剣』を扱い切れない上、保有しているだけでも負担が大きいのだ。しかし、やっとシリル自身の心身が回復した事で仮死状態から復活した為に黒い紋様が現れた、ということだ。
「……何で、わかるんですか?」
「言葉は解らないが感情はわかるよ。『魔剣』にも感情があるんだからな」
「そう、なんだ……」
シリルは自身の右手の甲を擦りながらその黒い紋様を眺めていた。
もし、自分自身が強ければ『魔剣』を扱う事は容易であったかもしれない。女の様に性奴隷とされた事は今でもトラウマの様に思っているが決してこの『魔剣』が手を貸さなかったせいではない。
だが、それはもう過ぎた事。
また同じ様な事を繰り返さないと誓ったシリルは起き上がったシキを見てあるお願いをする。
「御主人。おれ、この『魔剣』を……」
「わかってる。その『魔剣』を使いたいんだろ?なら、ここに座って」
シキは足を床に着けてベッドに腰をかけると自身の空いた股の間に座る様に促した。シリルは最初は戸惑いながらも指示された様にシキの股の間に座る。端から見てみれば仲の良い狐と猫の獣人の姉弟に見えるだろう。シキは男なのだが。
シキは黒い紋様のあるシリルの右手を右手で握る。シリルはいきなり手を握られた事に頬を赤く染めて驚いたが、そのシキの握られた右手から淡いオーラで何かをすることを理解する。
「御主人、これは……?」
「シリル、今から君に俺の魔力を流す。だから、少しじっとしててくれ」
「は、はい」
するとシキの右手にあった淡いオーラは次第に全身へと広がっていく。そして次には握ったシリルの右手から全身へと同じく広がっていった。
「(……あたたかい……それに……ちょっと……何か……変な、感じが……)」
シリルはまるで全身から触れられている様な感覚で少しくすぐったい様に身体を少し震わせていた。
シキはシリルの身体に自身の魔力を纏わせるとそのまま目には見えない魔力の流れを探っていた。シリル自身、魔力をあまり使用しない方なのか魔力の流れは細くなっている。それをシキは自身の魔力で全ての細い流れを掴んだ。
その瞬間、シリルは甲高い声で身体を動かしてしまう。
「ひゃぁぁんっ!?ま、御主人!?これ、何か、ダメっ!?」
「シリル、じっとしていて」
何か言おうとしたがシキは空いていた左腕でシリルの身体を抱き締める様に押さえつける。シリルは涙目になりながらも我慢する様に唇を噛み締めた。
シキは全ての細い魔力の流れを掴んだ後にその細い魔力の流れにゆっくりと慎重に自身の魔力を少し流そうとする。だが、やはりここでシリルは自分の身体の中に幾つもの大きな『何か』が入ってくる感覚を感じていく。
「御主人ぁ……何か……おれの中に……何か入ってくるよぉ……」
「今から俺の魔力をシリルに流すから。我慢して」
細い魔力の流れを少し強引に拡げてながらシキは魔力をそこに流していく。それを感じ取ったのかシリルは身体を反らせながら耐える様に目を強く瞑っていた。
「あぁぁぁぁっ!?いっぱい……入ってくるぅ!御主人、これぇ……変になっちゃうよッ!ゃぁぁ……壊れるぅ!壊れちゃうよぉ!御主人!」
「もう少しだ。我慢してくれ」
そして最後にシキは早く終わらせる前に抱き締めていた左腕を離すとそのまま左手でシリルの口を塞いだ。一応宿に泊まっているので他の客の迷惑になると思ったからだ。
シキはそのまま流していく魔力をシリルの身体に満たす様にするのだが、ゆっくりだと時間がかかってしまう。そろそろシリル自身も限界がきていた。シキは早く終わらせる為に押し込むように魔力を流していった。
「んぐっ!?んっんっんっ~~~~~~~~~っ!?!?」
口を塞がれていたシリルは身体の背筋を反り返りながら叫んだ後、暫くして脱力した様に体重を後ろにシキの方へと身体を預けた。
突然、シキとシリルが握っていた右手が光だすとそこから一本のグレートソードが出現する。それは刃が白くそれ以外は真っ黒のものだった。
そう、その『魔剣』はシリルが最後に行った迷宮で出会ったグレートソードだった。
シリルは荒い息を切らしながらもその『魔剣』を見ていた。
「シリル、これが君の『魔剣』だ」
「はぁ……はぁ……これが、おれの……」
シリルは宙に浮かんでいた『魔剣』を手に取った瞬間にその『魔剣』の名を理解した。
「そうか……君は……テルヌーラ……」
シリルは『魔剣』の名を呟くとそのまま意識を失った様に眠ってしまう。それと同時に『魔剣』も霧の様に消え去る。
シキは腕の中で眠るシリルの頭を撫でながら優しく労う様に撫でていた。
「『魔剣』の覚醒、お疲れ様」
ゾワリッ
「ッ!?」
何か、背筋が凍る様な感覚をシキは感じ取った。それは誰かに見られているとかではないものだ。だが、その気配は何かが動き出そうとした予感でもあった。
「……何か、起こるのか?」
そのシキの予感は当たっていた。
しかし、それは今ではなくこれから起こるものだとはこの時のシキ達は知るよしもなかったのだった。
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