猫獣人の少年・シリル
前回のあらすじぃぃぃい!
『冒険者ギルドに!』
『冒険者ギルドは24時間営業!』
『資料提出!』
『依頼達成!』
『少年はシキが面倒を!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
少し朝の日が暗い闇の夜に照らし始めていた頃、猫の獣人である少年シリルはうっすらと目を醒ました。
「(あれ……ここは?)」
何処か分からないシリルは目は開いていたがその前に真っ黒な何かがあった。それは顔の肌触りから見て服だろうと結論づける。しかし、一体誰のだろうかと少し顔を前に動かすと何か暖かく柔らかな感触を感じ取った。
恐る恐る顔を埋めながら上に動かすとそこには癖ッ毛のある金髪美少女の寝顔がそこにあったのだ。そしてシリルは漸く理解する。昨日、あの地獄から解き放ってくれた人物とは違うと一瞬思ったが匂いでその助けてくれた人物と同一人物だと理解するとシリルは今自分の状況を見てあたふたとしてしまう。
助けてくれた美少女の胸は全くといっていい程無いのだが、それでも少し柔らかさを感じるのだから。
「(やわらか……じゃなくて!え、何ッ!?あの後全然覚えてない……)」
「んっ……あ、起きたのか。身体は大丈夫か?」
先程まで眠ってきた金髪美少女が起きてしまった様だ。その双方の碧眼からは力強いものを感じられるが今のシリルにとっては異性とは係わりはあったもののこんなに密着を、しかも絶世の美少女の胸元に顔を埋めてしまっているのだから余計に緊張してしまう。しかし相手の美少女は何にも気にしていないようだ。
「どうした?何で顔が真っ赤になっている?熱でもあるのか?」
「え、いや、その……」
口をモゴモゴさせていると美少女はシリルの額を自身の額を押し当てた。
「なっ!?」
「ん~、熱は無いみたいだな」
シリルはその美少女が天然なのか分からないが彼女は無防備過ぎだ。シリルは女顔で華奢であるが男である。だからこんなに美少女に惚れてしまうのは無理はない。
美少女が起き上がるのだが四肢を露出した彼女の姿に思わず目のやり場に困ってしまうが本人は何も思っていないらしい。
「君、名前は?」
「え、し、シリルです」
「そうか、シリルか。俺はシキだ。……昨日、野郎共に色々ヤられたそうだが、大丈夫か?」
「あ……」
シリルはフラッシュバックの様に思い出してしまう。昨日……いや、奴隷に落とされてから男としてプライドをへし折られ、女の様に性奴隷にされた地獄を。
「うぅ……」
その事を思い出してしまうと気分が悪くなってしまうがそっと美少女に抱き締められると淡いエメラルドグリーンのオーラがシリルの身体を包み込んでいく。そのオーラは硝子の様にひび割れて砕け散りそうだったシリルの精神を繋ぎ止める様に修復していく様な感覚であった。
「悪いな。嫌なのを思い出させてしまって。もう、大丈夫だから」
その美少女はまるで聖母の様な微笑みでシリルを優しく包み込んでいく。それに安心したシリルは只その優しさに今は身を任せるのであった。
~~~~~
シリルはシキに何故奴隷に落ちてしまったのか自らの意思で告白していった。
学園の生徒だったこと。
両親は既に亡くなっており身寄りもないこと。
ある時、迷宮で探索していた時に
一緒にいた時に仲間だった同級生達に下に落とされたこと。
盗賊に捕まり奴隷となってブーブル侯爵に売られたこと。
そして男共に性奴隷として扱われていたこと。
「そんな事があったのか……」
「シキさん、お願いがあります」
「……何だ?」
「おれを、おれをシキさんの奴隷にしてくれませんか?」
どうやら一度奴隷に落ちると社会復帰は難しいらしい。理由としては[称号]に奴隷と記されているらしいのだ。しかも[称号]だけでなくシリルの首から下げていたステータスプレートにも直接記されてしまっているので[称号]だけを隠しても意味がない。なら、シキの奴隷になった方がマシだと判断した様なのだ。
奴隷の手続きは奴隷商人によって施されるらしい。
「俺の……奴隷に?」
「はい!ダメですか?」
「……何で俺がいいと思ったんだ?実は悪者かもしれないぞ?」
「そ、それは……」
何故かシリルはモジモジしながらチラチラのシキの顔を伺いながら見てくる。
「し、シキさんは……綺麗で、格好いいし、魅力的な女性……だから、シキさんの奴隷になるなら……本望……だと思って。それに、シキさんになら……その、色々されても……いいかな……って」
「なぁ、シリル」
「はい!」
「俺、男だぞ?」
「……はぁ!?!?」
シリルのその仰天した反応に少し傷ついたシキであったのだった。
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