『魔弾士』クロ
前回のあらすじぃぃぃい!
『ブーブル・タントーン侯爵?』
『イルディア(・ω・`人)』
『シキOK』
『リゼット・アルトレア・スミリア。シキ一人で!?』
『レッド姿のクリム登場!』
『イルディア。変装してね?』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
シキは変装の為にギルドマスター室から別の部屋で着替えていた。着替えにはそれほど時間はかからなかったがどの様な変装にするかが一番悩んで時間が費やしただろう。
今回の変装は前衛がクリムがいるので今回は後衛の役割へとしようと考えていた。選択としては『狙撃主』か『魔術師』だろうか。しかし、シキは基本的におおざっぱな所があるので『狙撃主』と『魔術師』の二つを両立させる事にする。
服装は上半身はスポーツ用みたいな黒いタンクトップで身体が全体的にフィットしている。両方の上肢以外はピッチリとシキの細く華奢な身体のラインをしっかりと写し出している。加えて黒色な為か余計にモデル顔負けの細さを引き立てていた。
下半身は弓道の胴着を思い浮かぶ様な物であったが不規則に裾の長さはバラバラであった。色は灰色でその上には銀色の不規則な紋様があり、神秘的なものがある。
そして脚には太股まである明るい紺のブーツだ。それもシキの脚の細さがわかる位に引き締まっており走るには丁度いいかもしれない。
最後に髪型と目だが、髪は金髪から黒へと。
目は新橋色へと変化させていた。
髪型はシキの時と変わっておらず、髪紐で結った同じポニーテールだ。
この姿、『狙撃主』と『魔術師』を合わせたのをシキは『魔弾士』と命名する。
「(……これでいいか!)」
内心適当に変装していたのだが、その状態でギルドマスター室へと戻っていく。
ギルドマスター室へと入るとクリムを覗いた四人の女性達は一瞬、『魔弾士』姿のシキを誰かわからなかった様だ。その反応を見てシキは少しショックを受けていたが変装ならばわからないのは仕方がないと思っていた。
「……すげぇ」
「はわぁぁ……」
「……ぽっ」
「……『レッド』といい『クウ』ちゃんといい。お主の変装は神かがっておるのぅ。で、色々気になることろじゃが、このギルドカード申請書に記入しておらおうかの」
「わかった」
元の場所へと座ると『魔弾士』姿のシキはギルドカード申請書に記入した。
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名前 クロ
性別 男
年齢 16
武器 弓・魔法
魔法 全属性
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『魔弾士』姿のシキ……クロは記入を終えるとイルディアへと渡す。その渡された申請書を見たイルディアはん?といった表情をしてクロを見る。
「……弓かの?お主、弓なんて持っておったのか?正直、規格外とは思っておるが……使えるのかの?証明はできるか?」
「あぁ」
するとクロは立ち上がると何も無いところからある武器を取り出した。
それはクロ(シキ)の主要武器である変形武器だ。
"弓"
クロは変形武器を片手で持つと静かに心で唱えてイメージすると変形武器はグニャリと形を変形させていき、弓の形へと象っていく。色は元の変形武器と同様の黒曜石の様な色で糸はうっすらと細いがワイヤーの様に丈夫な物だと伺える。クロは空いたもう片方の手で[漆黒]で生み出した矢を作り出した。
「……な、なるどの。アイテムボックス持ちじゃったな。やらないでもわかるがお主の弓兵としての実力は申し分ないじゃろうな……」
「シキ!何だその武器は!?」
「さ、さっき、メイス?棒?でしたよね!?」
「古代魔具でも、こんな武器はありませんよ……」
イルディアはもう何でもありか、と苦笑いをしている中リゼット達はクロが持っている弓に興味深々であった。
クロは自分の主要武器だということとどの様な武器かということを簡単に説明する。
「やべぇな。俺の[白桜]もすげぇと思ってたけど……シキ……じゃなかった、クロのはずば抜けてるよな!」
「凄いです!」
「中々興味深いですね」
リゼット達が弓を見ていると、後ろかはクリムが話しかけてきた。
「主よ。今回の依頼は我が前衛、主が後衛、ということでいいのだろうか?」
「その通りだ、クリム。宜しく頼むぞ」
「承知!」
クリムは『レッド』の姿のままクロへと膝を着く。顔はよく見えていないが、クロと同行することができて嬉しそうであった。
「リゼット達は[箱庭]で待っててくれ」
「おぅ!直ぐ帰ってこいよ!」
「わかりました!シキさんの帰り待ってます!」
「はい!……シキ殿お気をつけて」
クロは[箱庭]へとリゼット達三人が向かった後イルディアはポカンとした表情をしていたが、直ぐ様、クロに詰め寄った。
「なっ、なんじゃ!?あの娘三人は何処へ行ったのじゃ!?」
「えっと……」
「あ、アイテムボックスなのか!?アイテムボックスは生物は入れんはずじゃぞっ!?どういうことなのだ!クロよ!」
クロが使う[箱庭]というのは[空間庫]とは違い時間が外と同じ様に進む空間なのだ。アイテムボックスや[空間庫]は時間を停止させているのとは異なっている。
その事を説明するとイルディアは疲れた様に自信専用の椅子へと座り込んだ。
「はぁ、もういい。今お主が説明した事は聴かなかったことにする。とりあえず依頼を頼むぞ」
「わかった。行くぞ、クリム」
「ハッ!」
シキとクリムはシーザン領土へと向かう事となる。
しかし、ギルド一階へと降りた時にそこにいた冒険者や受付嬢に注目されていたのは言うまでもない。
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