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新しい変装を!?

前回のあらすじぃぃぃい!


『イルディアからの依頼に!』


『昨夜の説明!』


『あちらの世界とは!?』


『では、本題へと!』


のどんっ!ι(`ロ´)ノ




「……ブーブル・タントーン侯爵?」


イルディアから訊ねられた人物については全く知らないし聴いた事もなかった。シキ自身貴族や王族達とは関わりたくないのだからこそ、その最低限の情報しか仕入れていない。これはシキだけでなく冒険者達でも同様に考えている者達も多数いるのだ。本音を言えば王族やら貴族と関わるとろくなかことにならないと思っているのだろう。


「知らねぇな」

「聴いたことがないです」

「侯爵なら、中々の地位の者だとはわかりますけど……」


どうやらリゼット達も同様知らないらしい。この国に来たのはつい最近なので知らないのは無理もないだろう。


「ま、お主等ならそう言うと思っておったわ。ブーブル侯爵はの、この国から離れた領土を管理しておるんじゃがの。その奴には良くない噂が流れておるんじゃ……」


「その噂がどうかわからないが王族や、同じ貴族達に頼まないのか?」


「一度な。あまりにも信憑性の高い噂が流れておってのぅ。その時は王族を始めとした温厚派の貴族達も協力してブーブル侯爵の屋敷を捜索したのじゃ。しかし、結果は何もなかったんじゃよ。じゃが、何かを企んでおるのは確実じゃ。王族と他の貴族達も警戒はしておる。そこでの、おそらく今、この国で最強であろうお主にその調査……できたらブーブルの企みを暴ければいいんじゃが……」


ブーブル侯爵という人物はかなり悪人らしい。何故その噂が流れているのかはその発信源がそこの領土で住んでいる領民からだということだ。調査される前までは領民にも被害が出ていたらしいが、調査後は大人しくなっている。だが、イルディアの意見からは嵐の前の静けさみたいでどうも胸騒ぎがする様だ。


「具体的にはどんな悪事をしているんだ?」


「うむ。ブーブルは違法に女子供を拐って無理矢理奴隷にしておるようなんじゃ。王族や貴族達の意見では、おそらく多くの盗賊やらと繋がりがあるそうじゃ。わしも『闇ギルド』で何度が探りを入れてみたが……」


「『闇ギルド』って何だよ?」


『闇ギルド』と言えばイメージとして犯罪者等の危険人物の集まりだと思うのが必然かもしれないが、シキはそれとは違うイメージをしていた。


「公には公表できない依頼とか、隠密、盗賊の討伐系の裏の仕事の事か?」


「そうじゃ。『裏ギルド』とも呼ばれているがの。そちの世界でも同じのがあるのか?」


「まあな」


『闇ギルド』で働いている者達は冒険者でも多く存在している。それは『あちら』の世界でも同様だ。暗殺等のイメージが大きいが、どちらかと言うと情報の売買や尾行のみというのが圧倒的に多いらしい。簡単なイメージとしては地球のマスコミよりかは大分マシな感じだろう。あまり深くまで追求せず、ありのままの情報を提供するのだ。探偵とかの方がしっくりくるかもしれない。


「『闇ギルド』でも決定的な証拠が無ければブーブルを捕らえる事ができないのじゃ。そこでシキ、お主ならブーブルの悪事を暴ける証拠を見つけてくれると思ってての」


「シキさんだけで、ですか?」


不安そうにアルトレアは言うがイルディアは頷いた。


「うむ。お主等達には悪いが……正直シキ一人の方が動きやすいと思っての。ブーブルはお主等みたいな女子を狙う可能性もあるのじゃ。どんな手を使ってくるか……」


イルディアは遠回しに『足手まとい』だと言っている事はリゼット達も理解していた。彼女達は少し不満そうにはしていたものの、もし自分の為にシキが何か酷い目に合うのは我慢ならない。『魔王』と闘った時でも傷一つけられなかったのだから。しかし、シキ一人は不安であった。見た目は完全に美少女なのだ。正直、リゼット達が男だとしてもシキを襲う自信はある。そんな自信はどうでもいいのだが、それほどシキの容姿だけでなく、仕草や性格が魅力的なのだ。


「依頼としてはこうじゃ」


イルディアは依頼書を机の上に差し出した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


依頼:ブーブル・タントーン侯爵の調査

場所:シーザン領土

難易度:SS

期限:無期限

契約金:特別免除(中銀貨10枚)

報酬金:大金貨50枚


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「でもよぉ……やっぱりシキ一人は心配なんだよぉ……」

「そうですよね……」

「せめてもう一人と一緒なら……」


リゼット達は目に見える程に不安そうな表情をしているが、シキはその不安を解消するためにある提案をした。


「わかった。なら……クリム。来てくれ」


するとシキの近くの床から赤い魔方陣が浮かび上がるとそこから『レッド』の姿を借りたクリムゾルが静かに現れた。


「クリム、聴いてたな?」


「勿論だ主よ。その依頼は我も同行しよう」



「……シキよ、其奴は……何者じゃ?」


リゼット達はクリムゾルの存在を知っていたがイルディアとは初対面であった。イルディアは『レッド』ではないと喋り方でわかったが、シキと同様に計り知れない存在だということは瞬時に理解している。


「我は紅蓮天神竜、クリムゾル。今は主のもう一つの姿、『レッド』の姿を借りている。本来の姿は竜だ」


「竜……しかも[人化]ではなく『レッド』の姿を借りておるのか……本当にお主は規格外じゃの」


イルディアはクリムに驚いてはいたが、シキとの同行を認めることにした。リゼット達もクリムとの同行は大いに賛成だった。


するとイルディアは何故かギルドカード申請書を依頼書の上へと置く。そしてにやりとシキの顔を見てこう言った。



「シキや『レッド』とは違う変装の方がいいじゃろう。だから、新しい変装、期待しておるぞ?」












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