『あちら』の世界とは?
前回のあらすじぃぃぃい!
『冒険者ギルドにっ!』
『犬耳受付嬢が……』
『リゼット達はシキに噛み付いた!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
ギルドマスターの部屋へと着いたシキ達はギルドマスター、イルディアの前へと座っていた。この部屋にいるのはシキ・リゼット・アルトレア・スミリア・イルディアの五人しかいない。案内してくれた犬耳受付嬢はリゼット達三人に睨まれた為か終始怯えていたが案内が終えた途端に一階へと逃げていったのだ。
「あまり怖がらせないでほしいんじゃが……」
ぼそっと思わず溢してしまうイルディアであったがリゼット達の様子を見ているとそう強気には言えなかった。自分の恋人が他の女に寄り付かない様にするのは当たり前だと思っているので、リゼット達の行動にはあまり否定はできない。まあ、公衆の面前であの様な事をされると困ってしまうのだが。
「で、何の様なんだ?昨日の事で何かあったのか?」
「昨日?シキどういうことだ?」
「何かあったんですか?」
「……依頼、ですか?」
リゼット達には昨日の夜にあった依頼について説明する。勿論だがイルディアにラッキースケベな事をされた事は言っていない。言えば面倒な事になると思ったからだ。
「そんな事があったのかよ」
「……『勇者』ってろくな人いませんね」
「まあ、シキ殿に怪我が無くてよかったです」
「ダスクからも助かったと感謝しておったぞ。」
イルディアから聞くと『勇者』達は騎士達と共にナルアマラから既に出発しているらしい。あと一週間弱でエルディンテに到着するだろうと言うことだ。
イルディアはその事を話した後、シキにあることを訊ねる。
「シキよ、お主はわしよりも強いじゃろう?正直お主の底が知れぬ。これはダスクやゼラルも同じ意見じゃ。おそらく……『勇者』、『魔王』も敵わぬだろうのぅ。……一体、お主は何者なんじゃ?あの『勇者』達と同じ異世界から来たとは到底思えぬのだ」
「……」
イルディアの問いにシキは只黙る。
シキが『勇者』達と同じ異世界から来た事はダスクからはあらかじめ聞いていたらしい。
リゼット達はシキが『勇者』達と同じ異世界から来た事は知っている。だが、イルディアの問いと同様に『勇者』達との実力差が天と地の大きさ、と例えるのも軽いだろうがその事に疑問に思うのはあった。しかし、彼女達はシキが何者であろうと一生着いていく覚悟はある様だ。
「俺から言える事は……あの『勇者』達とは違う異世界の出身でもあるからだ」
「『勇者』達とは違う異世界じゃと……?その世界とは……どんな物じゃ?」
「一言で言うなら……科学と魔法がある……ここの世界や『勇者』達がいた世界よりも、遥かに環境が厳しく、そして一種族だけでは間違いなく生きてはいけない世界……かな?」
「ほぅ……因みにその世界にはどんな種族がいるのじゃ?」
「まあ、人族を始めとした、魔人族・天人族・森人族・獣人族・鬼人族・竜人族・海人族・妖人族がいるな」
「……なんと、オーガもか!しかもドラグニル、マーメイドは伝説の存在じゃぞ……」
どうやらこの世界の神話や御伽噺でドラグニル、マーメイドは伝説の存在らしい。オーガはこの世界ではモンスターのイメージが強いらしいが、外見は殆ど人族と変わりはない。
「あと、その世界は三つに分かれているんだ。天界に魔界・聖界にな。その世界には魔界の王族・『魔王』、天界の王族・『天王』、聖界の王族・『聖王』が国の象徴とされているんだ。」
そのシキの発言にイルディアだけでなく、リゼット達も驚きを隠せないようだ。
「『聖王』……『天王』……『魔王』、か……」
「その世界すげぇな!」
「『魔王』ですか……」
「正直、信じられませんが……シキ殿が嘘をついてるとは思えませんね」
リゼットはあまり気にしていない様だが、『魔王』が王族で、国の象徴だということが衝撃的だったらしい。この世界では人々を苦しめている存在なのだからそう驚かれても仕方がないだろう。それがここの世界と『あちら』の世界の認識の違いなのだ。
「ま、今言えるのはこれくらいだな。ギルドマスター、何故俺達がここに呼ばれたんだ?」
呼び出された理由をシキは訊ねてみるが正直、先程の話が衝撃的なのかイルディア少し深呼吸をする。
そして咳払いをすると用件を話した。
「ブーブル・タントーン侯爵、という人物を知っておるかの?」
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