サーバルキャットみたいな……
前回のあらすじぃぃぃい!
『ギルドマスター、イルディアとお話』
『依頼(・ω・`人)』
『引き受けた!( ̄▽ ̄)』
『通信魔具、通信玉!』
『勇者がまた……』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
夜の町を屋根から屋根へと飛び乗って移動している中、最初は小回りが効くからという理由で猫に変身して現在にいたるのだが意外と猫の姿でも動きやすい事が判明した。元の人よりも狭い所も通れるし、少し目立つが夜目のお陰で更に夜の街並みを昼間の様にしっかりと見ることができる。これはいい!と感じたレッドはそのままナルアラマの町へと疾走するのだった。
約10分程でナルアラマの町へと到着するとその住民達、男達が松明を持って見回りをしている。レッドは猫のままでいいやとその姿で人目につかないように屋根裏へと住民達の話にひっそりと傾けてみた。
「なあ、大丈夫なのか?あの子達」
「『勇者』とか言ってたが……」
「……あまり頼りなかったよな」
「何言ってんだよ。『あの』モンスター二体を討伐する、って引き受けてくれたんならいいじゃねぇかよ」
「でもよぉ、あの男、シュウキっていう『勇者』は良いとしてその周りの女『勇者』達が不安だぜ。何か……緊張感よりその男の『勇者』だけしか見てねぇよな……」
「でも、あのミハル?とリオ?っていう『勇者』二人は頼りになりそうだぞ」
「あぁ、えらい別嬪さんか」
「それにタクマという者も……」
「いや、緊張し過ぎてたじゃねぇか」
「(何と無くは予想はしてたけど……彼奴等か……しかも朝比奈まで……バカが写っちゃったのかな?)」
朝比奈は住民から女性という扱いを受けているらしい。レッドもそういうのがよくあるので同情してしまう。
それよりも天城達が巨大鷹巨大蛇を討伐すると言った馬鹿げた事をしでかした事に対してレッドは唯唯、頭を悩ませていた。
「で、『勇者』達は行ったのか?」
「あぁ、大体……一時間前位か」
「本当に討伐できるのかな?」
「一応冒険者ギルドからも来るとは思うんだが……」
「(あの馬鹿、もう行っちゃってたのかよ!面倒臭いなぁ……でも、報酬はいいし……将来の為に早めに貯蓄しておくかっ!)」
そう判断したレッドは話に聴いていた森林へと向かった。
暫く前方へと進んでいくと狼系モンスター達が襲いかかってきた。
レッドは確実に避けると時間が無いのでさっさと終わらせようとした時にある事を思い付いた。
「(この『猫の指輪』って姿は変えられないけど……大きさはどうなんだ?)」
とりあえず、大きくな~れっと頭に念じながら唱えていると癖っ毛のある金色の毛並みが煌めくとメキメキと猫の姿が大きく変化していく。
「ぐるぅぅ……(これは……)」
その大きく変化した姿は確かに猫であった。
より正確には猫科である勇ましい姿の猫だ。
地球でならサーバルキャットに近いだろうか。しかし、サーバルキャットよりか毛並みが長い癖っ毛のある金色だ。もし、イルディアがいれば問答無用でもふもふしてきただろう。
その姿を見た狼系モンスター達はその美しさ、凛々しさ、そして最強の風格に恐れをなして逃げていく。レッドからしてみれば血を流さなかった事によかったと思っていた。
サーバルキャット化の状態が最大らしくその姿のまま『勇者』達を捜索を開始する。
開始して1分後、直ぐに『勇者』達を発見した。『勇者』達は巨大鷹巨大蛇が戦っている中にちょっかいをかけた様でかなりキレているみたいだ。
ーーークゥァァァァァァァァァァァァ!!!
ーーーキシャァァァァァァァァァァァ!!!
「魔法や剣でも全然敵わないよ!」
「今は朝比奈君と島崎さんが結界を張ってくれてるけど……もう……」
「だっ、大丈夫だっ!僕達『勇者』ならやれる!」
「そ、そうだなっ!」
「(んなわけないでしょうに……)」
かなり絶対絶命的で今持ちこたえているのは朝比奈と島崎の『水魔法』と『氷魔法』で作り上げた『氷の結界』によってだ。それが砕けてしまえば天城達が死ぬことは目に見えていた。
「(しゃーない。助けるかぁ……)」
正直乗り気ではないレッドだったが、朝比奈も頑張っているので助けることにする。
近くにあった崖から姿を見せると何故か巨大鷹巨大蛇、そして天城達から注目を浴びていた。
誤解しないでほしいがこの時物音は立ててないし、鳴き声を上げたり等はしていなかった。
何故か、と思っていると直ぐに答えはわかった。
レッドのサーバルキャット化で毛並みが月に照らされて金色の毛並みは優しく輝いていたのだ。
「あ、あれは……?」
「猫……?」
「サーバルキャット……より毛が長い……」
「きれぃ……」
何故かゲームでいうと伝説のモンスターが降臨したみたいになっている。
「(え……えーっと、どうしよう……)」
静かに気付かれずに二体の鷹と蛇を始末しようとしたのが失敗に終わったのでそこからどうやって討伐するか考えていなかった。もうこそこそしててもしょうがないと思ったレッドはとりあえず鳴いてみる事にした。
「クルゥァァァァァァァァァァン!!!」
ーーークゥァァァァァァァァァァァァ!!!
ーーーキシャァァァァァァァァァァァ!!!
凄い風景になってしまっている。
夜の森林で巨大な鷹と巨大な蛇が戦いを繰り広げている時、月の光に照らされて現れた一体の金色の神獣が降臨した……という感じだろうか。
もう、面倒臭い!と思ったレッドは[影魔法]で巨大鷹巨大蛇を身体を拘束した後に[白光]で二本、光の槍を生み出して二体の翼と尾に向かって弾丸の様に突き刺した。
当然あっという間に無力化した巨大鷹と巨大蛇は[影魔法]で[箱庭]に放り込んだ。
「一瞬で……」
「凄い……」
「かっこいい……」
女性陣が見惚れている中、レッドの前に天城が前に出てくる。何かお礼でもするのかと思ったレッドだが何となくそれは違う気がしたのが正解だった。
「き、君は、敵なのかい?味方かい?」
「クルゥゥゥゥ?(ん?こいつ何言ってんの?)」
「そうか!僕達の味方なんだねっ!」
「クルゥ……(え、こいつ馬鹿?)」
「なら、僕の仲間になってくれないか!?」
「クゥ……(もういゃだぉ……)」
「さぁ、一緒に……」
「グルゥゥゥ……(調子乗るなよ?)」
「ヒッ!?」
少し威嚇しただけで尻餅をついた天城はイケメンフェイスが恐怖で崩れてしまい使い物にならない中、一人の少女……ではなく、朝比奈梨央が天城の変わりに前にやってきた。
「ごめんなさい!天城君、思い込みが激しいんだ。……怒ってる……よね?」
「グルゥゥゥ(お、朝比奈久しぶりだな。)」
レッドはバルリムではあまり見ていなかった朝比奈の姿によく見る様に近づいていく。容姿は全く変わってはいないが、精神的に強くなった様だ。そんな成長した友人の姿を見て頭を撫でてやりたかったが猫、サーバルキャットみたいな姿なので変わりに頭を擦り寄せるていく。まるで構ってほしい猫の様だ。
「クルゥゥ~(成長したなぁ~、朝比奈)」
「くすぐったいよぉ~。よく見ると凛々しいだけじゃなくて可愛いね……。」
「……クゥ?(どうした?)」
何やらテンションが下がった朝比奈に顔を傾げたレッドは何かあった?といった表情をしてみた。
「えっと……クゥ?さん。僕達、この森から出たいんだけど……どうやったら出られるかな?」
何故かクゥと名付けられたレッドは森に迷っていたらしい『勇者』達の現状をみて内心溜め息をついた後、ナルアラマがある方向へとゆっくりと歩んでいく。
「えっ、教えてくれるの!?」
「クルゥ!(おぅ!)」
「ありがとぅ……」
朝比奈は天城達に事情を説明してからレッドが先頭になってナルアラマの町へと向かっていく。途中、クラスメイト達にモフられたり撫でられたりしたが何にも感じなかったので無視しながらそのまま歩んでいったのだった。
しかし、唯一朝比奈の撫で方は意外と気持ち良かったのは秘密である。
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