レッドでギルドへ
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前回のあらすじぃぃぃい!
『アルトレア、スミリアも魔力UPに加護が!』
『原因は……ヤったから?』
『なら、検証してみましょう!』
『ちょっと……いや、かなりエッチな……』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
少し夕焼けが夜へと傾いている中、真紅の長髪を下向きで後ろに束ねた黒スーツ一色の麗人が一人、街中を歩いていた。その人物を見かけた人達はその美しく凛々しい姿に老若男女問わずに見惚れてしまう。
その麗人の正体は『レッド』に変装したシキであった。
レッドが向かっているのは冒険者ギルドで、ギルドマスターであるイルディアに呼び出されたのだ。呼び出されたと言っても直接ではなく、昼食を終えてリゼット達にお仕置きが終了した後に窓から一羽の鳩が手紙を持ってきていたのだ。鳩は地球でお馴染みのあの鳩である。この世界では『ポロル』と呼ばれている殆ど害の無いモンスターであるらしい。
そのポロルから渡された手紙にはギルドマスター、イルディアから夕暮れ時に頼みたい事があるという事だった。
お仕置きされたリゼット達は非情にあられもない姿であったのでそのままには部屋に置いとく訳にはいかず、[箱庭]に入ってもらいマシロに見てもらっている。三人共、失神しているので夜までは目覚める事は無いだろう。加えて確実に腰が砕けているのであまり身体を動かす事はできないのでヤり過ぎたと心の中で反省しているレッドであった。
冒険者ギルドに到着すると酒を呑んでいた冒険者達はレッドの姿を見た瞬間に注目の的になっていた。そんな事を気にせずにレッドは受付に向いう。
そこには犬耳の受付嬢がいたのだが、ぽーっとしながらレッドを見て惚けていた。
「何か私の顔についているか?」
「いっ、いえっ!何もないですよっ!え、えっと、御用件はなんでしょうか……?」
「あぁ、ギルドマスターに呼ばれてな」
「おっ、御名前は……?」
「レッドだ。」
レッドが自身の名を告げた瞬間、その場にいた受付嬢や冒険者達はざわめいた。
「あれが、三体の『魔王』を葬った……」
「Aランクの『炎雷』か……」
「本当はSSSランクの実力があるってよ」
「三体の『魔王』を葬ったならありえるでしょ」
「『炎雷』って異名だけじゃなくて『拳王』とも呼ばれてもいるらしいぜ」
「まじかよ……」
「にしても綺麗だな……」
「格好いいわ~……御近づきになれないかしら?」
「同じ女だぞ?」
「あんたらみたいな野郎共よりかは彼女に抱かれた方がいいわよ」
前にギルドマスター、イルディアが言っていた様に『レッド』という存在は有名になっている様だ。しかも厨ニ病みたいな異名が二つも出来ていた事にかなり恥ずかしい。『炎雷』は恐らく炎と雷で。『拳王』はモンスター達を素手で葬った事からついたのだろう。
「あっ、貴女が……」
「ギルドマスターは不在か?」
「い、いえ!今確認してきますので、少々御待ちくださいっ!」
そのまま犬耳の受付嬢は慌てながら二階へと上がっていた。
「なんだぁ?こんな細い女が『魔王』を倒したぁ?」
「Aランク?デマに決まってんだろぉ?」
「へっへっへ、胸はねぇけどいい女だなぁ~」
横から三人の冒険者野郎共がレッドに向かって下心満載な目で近寄ってくる。その三人を見ていた者達は嫌そうな表情をしていた。
「Bランクのブルーノか……」
「BランクってもCランク位の実力しかないみたいだぜ?今日はたまたま他のBとAの冒険者達がいないからって調子にのってんだよ」
「あーあー。おれ知らねぇぜ。あいつら」
「でも、いいの?」
「丁度いいじゃねぇか。彼女が本当にA、最低でもBランクの実力があるならな。やばくなったら、ここにいる全員で止める。万が一、ギルドマスターもいるからな。」
「ふ~ん……『炎雷』さん。どう彼等を対処するのかしら?」
どうやら他の冒険者達はレッドの実力を見極めようとしているらしい。だが、ブルーノ達はそんな事は聴こえてないらしく今は目の前にいるレッドにしか目にくれていないようだ。
しかし、レッド本人は呼び掛けられているのが自分だとは知らずに無視をしていた。本人は男なのだから女と呼ばれて反応しないのは正しいかもしれない。だが、無視されたブルーノ達は我慢にならなかった。
「おい、無視すんじゃねぇよっ!」
真横で怒鳴り散らすブルーノにやっとレッドは反応した。しかし、反応したといってもブルーノとは反対の方を向いたり後ろを見たりして誰もいないことに気づいてやっと自分に向かって言われている事に気づいたレッドは内心女と呼ばれて苛ついていた。
「……私か?」
「あぁ、そうだ!」
「で、何のようだろうか?」
「今から俺達三人で指導してやるよ。Aランクの実力も無いくせになっ!」
「謝るんなら今のうちだ。許しては欲しかったら俺等の女になるなら許してやるぜ?」
「……すまんが、お前達が何言ってるか全く理解できないんだが」
「この、アマが!」
「潰すっ!」
「許さねぇ!」
ブルーノ達は武器を手に持ってレッドに襲い掛かろうとするが、動こうとした身体全体は石の様に動かなくなってしまう。
「なっ、なんだぁ!?」
「か、身体がぁ!」
「どうなってる?」
ブルーノ達の身体中には幾つもの黒真珠よりも深い色をした鎖によって拘束されている。その鎖は何もない場所から出現しておりブルーノ達や他の冒険者達も察知することはできなかった。
「黙ってろ」
レッドが言葉を放った瞬間、鎖に拘束されて身動きが取れなかったブルーノ達は勢いよく潰されるような勢いで床に突っ込んでいた。まるで死にかけた虫がピクピクと動きながら三人は気絶していた。
[重力鎖]。
それがレッドが使用した魔法の名。
相手を鎖で拘束してから重力で押し潰したり浮かしたりすることができるものだ。
一瞬でブルーノ達を無力化した事に他の者達は呆然としている中、犬耳の受付嬢がとことこと二階から降りてきた。
しかし一体何が起こっていたのかわからないと傾げていた彼女だったが、とりあえずレッドの方へと声をかける。
「レッドさん。ギルドマスターが御呼びです。来てください!」
「わかった」
レッドは近くで気絶している三人を放っておいて犬耳の受付嬢についていき二階へと上がっていった。
「なぁ、何だ、あの鎖……魔法か?」
「しかも一瞬で現れて一瞬で消えたぞ」
「魔法……よね。あんな魔法見たこと無いわ」
「『炎雷』……実力は本物か」
「……とりあえず、床で寝てるあいつらを拘束しておくか。」
「そうだな」
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