神話?かな?
前回のあらすじぃぃぃい!
『ギルド!』
『ギルドマスター、イルディア・ミルドレイン!』
『のじゃロリばばぁ!』
『もふもふ大好き~』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
ギルドマスター、イルディアのマシロもふもふタイムを強制的に終わらせてシキ達は一階へ戻って依頼掲示板を眺めていた。
今の時間帯ではそれほど依頼は無く、あるとしても低ランクモンスターの討伐や採取、店等のお手伝いがある。
今日は国に到着したばかりなので軽めの依頼を受けようとすることとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
No.37
依頼 孤児院の手伝い
場所 セフィー孤児院
難易度 E
期限 無期限
契約金 大銅貨2枚
報酬額 大銅貨5枚
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この依頼は主に新人冒険者や長期的に療養している者等が受けている依頼らしい。こういう地道で基礎基本的な依頼をこなしていく事が冒険者にとって大事な事だということだ。
「孤児院かー、いいんじゃねぇか?」
「そうですねっ!」
「私も異存はありません」
三人からも了解を得たことでその依頼を受けることになった。
~~~~~
冒険者ギルドの職員から孤児院の場所を聞いてやってくると、そこには教会の様な建物が見えてきた。その横には大きいとはいえないが運動場らしい平地もある。よく見ると教会と合体している様に建物があった。おそらく、そこが孤児院で暮らす子供達の生活の場だったりするのだろう。
すると一人の10歳位の女の子がシキ達に気づいてとことこっとやってきた。
「ねー、ねー、おねぇちゃんたち。なにしてるのー?」
不思議そうに見る女の子にシキは膝を折り同じ目線で話しかける。
「ここのお手伝いをしにきたんだ」
「ギルドからのお手伝いさん?」
「そうだよ」
「わかったー!今院長先生呼んでくるよ~」
女の子はとてとてっと教会の中へ入っていった。暫くするとシスターの服を着た女性が出てきた。
「貴女方がギルドから来たお手伝いさんですね。よろしくおねがいします。子供達に紹介しますので、中へ入ってきてください。」
中へ入ると内装はやはり教会そのものであった。しかし、そこには子供達の姿はない。案内されたのは教会と合体していた建物の方であった。そこでは子供達が本を呼んだりお話をしていたり等と今は室内で遊んでいたようだ。
院長はパンパンと手を鳴らせて注目させる。
「はいはい、みなさん、今日はギルドからお姉さん達が来てくれました。」
「あ、えっと……すみません。こんな服装だが男なんです」
「……あらまぁ」
「男なんですかっ!?」
「嘘っ!?」
「え~、おんなのこでしょ~?」
「なんでおんなのこのふくをきてるの~?」
その事実に驚いたのは院長だけでなく、そこで働いていた同じシスター服の女性や子供達であった。
何故、この服装をしているのか等を説明し終わり改めて自己紹介を済ました後、シキ達は子供達の遊び相手になるのであった。
「ねぇねぇー、おねぇちゃん」
「んー?何かな?」
「これ、読んで~」
「うん、わかった」
何度も「おねぇちゃん」と間違われ続けているのでもう諦めたシキは愛想よく、そして子供達と一緒になって遊んでいた。最初は他の子供達も美女なシキに恥ずかしそうにしていたがシキの積極的な行動で直ぐに打ち解けている。男の子全員、本当にシキを女だと思い込んでいるみたいで中には悪戯で胸を掴んだり等する子がいたが、別段激怒する事無くその破廉恥な事をした男の子達の注意を忘れない。
そして今は歴史好きな女の子が一冊の子供にしては分厚い本を持ってきたのだ。見た目は少し古そうではあるが文字はしっかり記されているので読むのには問題ないだろう。だが、子供にしてみれば難しい事が書かれていた為、その意味を教えながら読んでいく。
内容は昔話みたいなものではあったが、シキは読み聞かせながら興味を持つようになっていた。
その内容はまとめるとこんな感じだ。
遥か昔、この世界は三つの海に分かれていた。
その三つの海にはそれぞれ海を支配していた存在がいた。
しかし年月が過ぎ、三つの海は一つに繋がってしまった。
それぞれ海を支配していた存在が喧嘩をしだした。
喧嘩は大きな戦いとなり、やがて大地に洪水を起こした。
長き戦いの末、一つの存在が海を支配することとなった。
敗れた二体は、陸へ、空へと居場所を移して海から遠ざかっていった。
海を支配する存在は巨大で長く、身体をくねらせて海の底で眠っている。
陸へと移動した存在は一国の大地の様な姿で陸の支配者となり、地中深くで眠りについた。
空に移動した存在は大きな翼を用いて空の支配者となり、雲の塊の中で眠りについた。
今は眠っているが、これが起きてしまうと何が起きるかわからない。
もしかすると陸の支配者、空の支配者は再び海の支配者と戦い新たな海の支配者になろうとしているかもしれない。
彼等は本当に存在するのであれば『勇者』でも『魔王』でも止められる事はできないだろう。
「(……何か地球でもこんな神話っぽいのあったよな)」
「おねぇちゃん!次あたちが持っている絵本読んで~!」
「ずるぃ~、次ぎはうちの~」
「あ、おらのを!」
「はいはい。順番に読むから待っててねー」
もう、完全に子供達の前では口調が変わってしまう優しいシキであった。
ブックマーク登録、評価をよろしくお願いしますm(__)m




