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決着?

前回のあらすじぃぃい!


『助ける!』


『治療!』


『3人にバレちゃった!』



のどんっ!ι(`ロ´)ノ



何故三人に正体がバレてしまったのか気になってしまうがそれを後にしてバルブーアを蹴飛ばした方向へと顔を動かす。


見るとバルブーアは横腹を押さえながらも生まれたての小鹿の様にプルプル震わせながら立ち上がる様は第三者からしてみれば思わず吹き出して笑ってしまいそうになるかもしれない。


「……ぐッ!……おぃぃっ!俺のッ俺の『あの』剣を持って来いぃぃぃぃぃい!!!」


怒鳴り声と共に一体のモンスター、キングトロールが両手で巨大な大剣を持ちでっぷりとした腹を上下に揺らしながらバルブーアに向かう。

そしてその巨大な大剣を差し出すとバルブーアはその柄を握った瞬間にズシャンッ!と持ってきたキングトロールを両断した。


ーーーゥォォォォォォォオ……

「持ってくんのがおせぇんだよ、くそがッ!」


冷酷な目で死んだキングトロールの顔をを無造作に踏み潰しながら巨大な大剣を担ぐ。


巨大な大剣は黒曜石の様な色をしていて通常の大剣と比べると横は変わらないが縦には約2倍以上はあるだろう。


「ハッハァッ!こいつは『魔剣レイウェラー』!こいつはよぉ!剣や矢の雨を一振りで蹴散らしやがったイカれた武器だ!おぃ!その赤髪の女ァ!謝るんなら今のうちだぜ?今許しを請うなら俺様の性奴隷(おもちゃ)にしてやるぜぇ?」



ーーーピキッ



その瞬間。



確かに何かの音が鳴った。



その音は大して大きくもなくむしろ小さかった筈だ。



だがその音を聴いたのはその戦場にいた『勇者』や騎士、冒険者、そしてモンスター達。



もちろんその音は『魔王』であるバルブーアも確かに聴こえていた。



誰もが手足を止め、その音の主へと目線を向く。



その集まった視線の先には表情は見えないが黒一色のスーツを着た赤髪の麗人こと、レッドだ。その立っている地面はキィィィ、キィィィ、と悲鳴を上げながらひび割れていく。



「……なぁ、そこの魔剣野郎」


「なっ、なん……だ……」


今のレッドの声はむしろ綺麗に透き通った声なのだが何故か恐怖を与えるものだった。それはバルブーアはもちろんの事、その場にいた者達も無意識に恐怖を抱いている。



只、その中でリゼットとアルトレア、それにスミリアの3人は恐怖ではなくむしろこう感じ取っていた。




あ、泣きそう、と。




今のレッドの状態はイメージとして子供が何かしら泣きそうになるが涙を我慢しているのと同じ感じだった。



「剣や矢の雨を蹴散らすって言ってたよな?」


「あ、あぁ……」



「そっか……なら……蹴散らせてみろよ」




レッドは上空にびっしりと無数の剣が出現する。


剣は鉄でできた物ではなく[炎の剣]や[水の剣]、[雷の剣]、[風の剣]、[土の剣]、[闇の剣]、[光の剣]等様々な色、属性の剣がバルブーアを取り囲む様に展開されていた。その光景は虹色に輝く絶景な筈だが優に万を越えている剣の大群は誰もが身構えてしまう。



「な……なんだよぉ!これはぁぁぁあ!?!?」


「え?今から剣の雨を降らせんだよ?」


何言ってるの?といった表情をするレッドにバルブーアは悲鳴にも似た叫び声を出す。



「ふ、ふざけんなぁぁぁぁぁぁあ!!!こ、こんな……無理に決まってんだろぉぉぉぉぉぉお!!!」


「蹴散らすんだろ?さ、頑張れよ」



パチンっと指を鳴らした瞬間上空に浮遊していた剣達がバルブーアに向かって一斉に放たれた。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!




それは一方的な虐殺でもあったがそこにいた者達はあれほどの数の、そして様々な属性の魔法を展開し発動させた事に驚愕させて騎士や冒険者の魔法使い達は最初は恐怖を抱いていたが途中からあれほどの魔法を使いこなせているレッドに尊敬と敬愛の目差しを送っていた。それに小さな声で『御姉様』等とボソボソっと言っていたが結局はレッドを女だと勘違いしている乙女達だった。




その剣の雨が止むとそこは大きなクレーターが出来ていたがレッドとしては周りに被害が出ないように最小限の努力はしている。

クレーターの中心には身体中様々な属性の剣が突き刺さっており手にあった『魔剣レイウェラー』はボロボロに砕け散っていた。



「……ァ……ガァ……ゴ……ワィ……ユル……ジデ……ゴベ……サィ…………」



ヒュー、ヒューと息をし血ヘドを吐きながらも辛うじて生きていたバルブーアだったが完全に心が折られて再起不能となっていた。


さて、どうしようかと考えていたレッドはこれ以上バルブーアを攻撃しても意味無いとも考えたりする中、突如バルブーアの横に一人の人物が現れる。



「何者だ?」

「『七天魔皇』の一人、ラバラス。悪いがこの男を引き取らせて貰うぞ」


ラバラスと名乗った人物は青と黄色の鎧を着た男性でレッドを見下した様に見ている。

だがそんな事はあまり気にしないタイプなのかレッドはラバラスが言っていた『七天魔皇』という単語が気になった。


「『七天魔皇』?何だそれは?」

「……ふん、いいだろう。『七天魔皇』はこの世界に存在する最強最悪の七人の皇帝の事だ。」

「『魔王』の親玉的な存在なのか?お前らも悪なのか?」

「そうだ。中には変わった奴もいるがな。『魔王』なんぞ俺達『七天魔皇』には雑魚しか変わらん。」

「……俺が言うのも何だが、そんな事を教えていいのか?」

「ふんっ、別に構わんさ。こいつを倒した事は賞賛はするが、結局はその程度だ。女のお前が何かできるとは考えられんからな」


そう言い終わるのと同時にラバラスは再起不能になっているバルブーアと共に一瞬して姿を消した。





だが、ラバラスを只で帰す筈も無い。



既にレッドの右手は[転移]と同時にラバラスの千切れた右手が掴まれていた。



バルブーアの部下のモンスター達もレッド相手には敵わないと理解したのか既に森へと帰っていた。


レッドはそのラバラスの右腕を興味無さそうに投げ捨ててリゼット達の方へと向き歩くと大きな歓声が巻き起こる。



そう。




『魔王』に攻められて危機に陥っていたバルリム王国はレッドとその仲間達によって救われたのだった。





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