何故にッ!?
前回のあらすじぃぃい!
『VS『魔王』バルブーア』
『朝比奈ピーンチ!を回避!』
『スミリアがピーンチ!』
『レッド参上!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
「大丈夫か?」
レッドは片手で抱き寄せていたスミリアに声をかける。見た感じでは大した外傷は無く[治療術]の使用は不要だろう。
「あ……あぁ、大丈夫だ」
スミリアは何やら驚いた表情をしていたがとりあえず無事だった事に一息をついた。
「てめぇ、無視してんじゃねぇぞッ!」
バルブーアは掴まれていた拳に熔岩の様にボコボコと発光しながらある魔法を唱えた。
「『爆発』ッ!!!」
しかしレッドに掴まれたその拳は確かに発動はしたが手の中でボンっと小さな音を出しただけだった。
バルブーアの『爆発』は不発に終わってしまう。
「な、何だとっ!?俺様の『爆発』が不発っ!?……てめぇ……まさか……ッ!!!」
レッドの顔を見ながら驚愕した様子で不発に終わった訳を理解する。
「てめぇ!俺様の『爆発』をその手で"押さえ込んだ"のかっ!?」
しかしレッドは何も言わずに只"蹴り飛ばした"。
「グハッ!?!?」
見事に放物線を描きながら100メートル先へと吹き飛ばされてしまった。
レッドはバルブーアの事をお構い無しにスミリアを抱き上げて結界を張っているアルトレア達へと移動する。
「なっ!?何者だッ!」
リゼットは太刀を2本構えながら警戒するが、どうやら正体がシキだとバレていない様だ。少し寂しい感じはあったが今はレッドとして振る舞う。
「安心しろ、敵ではないさ。それより、彼女を頼む」
「お、おう……ッ!?」
近寄ってスミリアを下ろした瞬間、リゼットは何かわかったのか驚いた様にレッドを見ていたがそんなことを気づいてなかった。
ふと近くに片手を押さえながら少し苦痛の表情の朝比奈の姿が目に入る。
「どうした?」
「……さっきあの『魔王』に腕を掴まれて……多分骨が折れてるかも……」
「そうか……ちょっと見せてもらうぞ」
「う、うん」
少し強引に押さえていた腕を見ると朝比奈が言ってた通りに骨折していた。しかもひびも入っていてかなり痛そうで真っ赤を通り越して黒く腫れている。その腕を優しく触れ[治療術]を発動する。
エメラルドグリーンのオーラがその腕に包み込むとその痛々しい腫れが和らいでいき1分も経たずに完治した。骨もしっかり修復しているので今動かしても問題ないだろう。
「これで大丈夫だ。一応……この『ポーション』を飲んでおくといい」
[空間庫]から1つのポーションを差し出すと少し戸惑いながらも朝比奈は受け取った。
「あ、ありがとう……」
「どういたしまして」
さて、とレッドはバルブーアがいる方へと向かおうとするがその前にリゼットとアルトレアが耳打ちする。
「……ありがとな、シキ」
「……感謝しますけど、後で話を聞きますからね?」
「……(何故にバレた!?)」
表情には出さないが『シキ』だと正体がバレた事に困惑していたがまず自分がやるべき事をやろうと前に進むがその目の前にスミリアがもじもじしながらレッド(シキ)に聴こえる位の小さな声で言う。
「……そ、その……シキ殿、感謝する……」
「(何でバレたぁぁあーーーーーー!?!?)」
心の中で絶叫するレッド(シキ)だった。
「……ぐはっ、……あの赤髪ぃ……ぜってぇ今ここで殺してやる……ッ!!!」
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