召喚術
前回のあらすじぃぃい!
『レッド、東門へ!』
『槍が……神槍に?』
『参戦!』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
レッドが参戦して東門の状況が一変していた。
迫ってくるモンスターはBからEのモンスターが殆どだが、中にはAランクモンスターがちらほら出現していた。本来Aランクモンスターはかなり強敵であったのだが一瞬でレッドの手によって葬られてしまった。
実は何か話そうとする前に消されたゴキブリモンスターはSランクモンスターであったのだ。
加えていうのであれば魔王ザルボブルの右腕だったりする。
「(にしても数が多いな!)」
攻めてくるモンスターの数は確実に減らしている筈なのだが更に何処からか増えてきている。正直疲れはしていないが面倒臭いと感じたレッドは敵から距離を置くと[火炎]と[雷電]を行使する事にした。
右手には雷を。
左手には炎を生み出した。
その雷と炎は徐々にある形に模していく。
「ゆけっ!『雷龍』、『炎龍』!!!」
両手から放たれた雷と炎は徐々に大きくなると2匹は東洋風の雷の龍と炎の龍へと変化していった。
ーーーゴォォォォォォォォァァァア!!!
ーーーブァァァァァァァァァァァア!!!
そして2匹の龍は咆哮するとそのままモンスター達密集する場所に蹂躙していった。
ーーーギシャァァァア!?!?
ーーーグルォォオ!?!?
ーーーシャシャ!?!?
ーーージジジジっ!?!?
ーーーバジャシャシャっ!?!?
2匹の龍に焼かれ、感電されて悲鳴を上げながら多くのモンスター達が命を散らしていく。
その光景を見る者達はこう思っただろう。
雷の龍、炎の龍の2匹を従えし赤髪の麗人がモンスター達を蹂躙した、と。
「うぐっ……!」
「島崎!?」
「島崎さん!」
『勇者』の1人である島崎三春が顔色を悪くしてその場で倒れこんだ。おそらく虫系モンスターの毒攻撃を受けたのだろう。
同じ『勇者』の天海翔貴達が必死に呼び掛けるが返答を返せない位に苦しそうだ。天海の取巻きである女子が回復や浄化、解毒の魔法をかけているが一向に治らない。
レッドは島崎の様子を見て普通の魔法では助からないと判断する。
「島崎!島崎っ!」
「島崎さん!」
「死ぬな、島崎!」
必死に呼び掛ける『勇者』達だが徐々に島崎の身体は毒に侵食されて肌が紫色の斑点が浮かび上がっている。
もう時間の問題だろう。
「(はぁ……仕方がないな)」
確かにこのままでは島崎は助からないだろう。だが、それはレッドがいたら話は別だ。
『勇者』達に近づくがレッドの事などお構い無しに島崎を呼び掛けていた。
「悪いがその彼女を見せてくれ」
「あ、あんたは……」
「いいから見せろ!」
少し強引に天海から島崎を奪うと黒手袋を取って今の彼女の状況を確認をする。
「彼女を救えますか!?」
「まーーー」
「救える訳ないでしょう~?」
何処からかともなくねっとしとした男の声が聞こえてくる。レッドは何も感じなかったが『勇者』や騎士達はただならぬ気配を感じ取っていたようだ。
その声の主はモンスター達がいた場所の上空に佇んでいた。
「『勇者』っていっても~、大した事ないんですねぇ~。」
「誰だっ!」
「ワタクシですかぁ~?ワタクシの名は~『魔王』ザルボブルですよぉ~。蟲の魔王なんて呼ばれてますねぇ~」
そのザルボブルと名乗る『魔王』は見た目は道化師の様な格好をしており背中からは虫の羽根で空を飛んでいた。
「救えないってどういうことだっ!」
「それはですね~、ワタクシの配下達の中にはワタクシ特製の激毒を授けたのですよぉ~。その激毒は~簡単には解毒できませんしぃ~既にもうその『勇者』も死にそうですからねぇ~。もってあと5分位ですかぁ~?」
「そ、そんな……」
天海達はもう助からないと宣告を受けて悔しそうな表情をしている中、レッドは島崎の状態を見ながらこう思っていた。
「(あー、治るわこれ。)」
島崎の身体に触れるとその手からエメラルドグリーンのオーラが現れるとそのまま彼女の身体を包み込んだ。
身体にあった紫色の斑点や戦闘での傷もみるみる治っていった。
「何ぃぃいっ!?!?ワタクシの激毒を!?!?」
「うっさい。喰らえ!」
ーーーゴゴォォォォォォォォォァァァァア!!!
ーーー ギャララァァァァァァァァァァァァァ!!!
「何ですかぁ~っ!?!?ギッ!?ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァォァァァァァあ!!!」
非常にウザいと感じたレッドは『雷龍』と『炎龍』をザルボブルへとぶつける。
ザルボブルは2匹の龍に喰らわれ、焼かれ、感電されて一瞬にして黒焦げの亡骸に変われ果ててしまった。
「……ぅっ……わたし……は?」
「大丈夫か?」
「……えっ!?は、はい……」
「なら、返すぞ」
何とか意識を取り戻した島崎を天海に返すとそのまま『雷龍』と『炎龍』で残りのモンスターの殲滅を始める。
そのレッドの後ろ姿を島崎は惚けた様に頬を赤らめながら眺めるのだった。
~~~~~
約5分程で東門に攻めてきたモンスターの殲滅は完了する。
『勇者』や騎士達は怪我人は出たものの死亡者は一人も出なかった。殲滅を終えた後にレッドが重傷者を[治療術]で早めに対処したのがよかったのだろう。
「(東門はもう大丈夫だな)」
そう判断すると突如レッドの身体に『何か』が勢いよく流れてきた感覚があった。それは別に痛くも無く痒くもなかったのだが、その流れてきた感覚に心当たりがある。
「(まさか……!)」
その感覚とは(仮)契約と時に『白炎妖九狐』と『紅蓮天神龍』の魔力と全く同じの物であったのだ。
何が原因であったかはわからないがレッドは[召喚術]が使えるということは瞬時に理解する。
「よし、なら……[召喚]!『白炎妖九狐』、『紅蓮天神龍』!!!」
レッドの前に2つの白と赤の魔方陣が出現すると白の魔方陣から九つの尾を持つ白くしなやかな狐。
赤い魔方陣には神々しく西洋風の龍だ。その身体は真紅であり身体より大きい翼を持っていた。
「あるじー!」
「久しいな」
白炎妖九狐は子供の様な無邪気な可愛らしい声であり、紅蓮天神龍は中性的な声ではあったが威厳のありそうな口調であった。
本当ならここで感動の再会をしたい所だがそうも言ってられない。
「マシロ、クリム。いきなりですまないが手伝ってくれないか?」
「てつだいー!やるー!」
「いいだろう」
レッドはマシロとクリムゾルに簡単に今の状況を伝えた後、レッドは西門を。
クリムゾルは北門を。
マシロはここの東門で怪我人の手当。
という感じに役割が決まった。
『勇者』達や騎士達も突如現れたマシロとクリムゾルに驚いてはいたがレッドの仲間だとわかると何も言わずにその光景を眺めていた。中にはマシロとクリムゾルを神の使いと勘違いした騎士が祈りを捧げていたりもしていた。
「マシロ、クリム。頼む!」
「わかったー!」
「了解した!」
そう言うとレッドは西門へと向い、クリムゾルは北門へと飛びだって行った。
東門で残ったマシロは『勇者』と騎士達に向かうとゆらゆらと柔らかく、そして優雅に九つの尾を動かしていた。
「ねー、けがしたひとはどこー?なおすよー?」
最初は警戒していた『勇者』と騎士達だったがマシロが怪我人を次々治療していくといつの間にかアイドル的な存在になっていたのだった。
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名前 マシロ
種族 白炎妖九狐・神霊種
ランク 測定不能
性別 雌
職業 使い魔・癒し手・守護獣
契約者 ヒメキ・シラヌイ
レベル 測定不能
体力 測定不能
魔力 測定不能
筋力 測定不能
耐久 測定不能
俊敏 測定不能
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[絶対固有スキル]
火炎.EX
白光.EX
治療術.EX
小型化.--
魔力操作.EX
精霊化.--
結界.EX
気術.EX
霊術.EX
浄化魔法.EX
全属性無効化.EX
全状態異常無効.EX
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[固有スキル]
偽造.5
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[スキル]
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[称号]
九尾
覚醒獣
限界を越える獣
神格獣
精霊王の資格
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