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覇王の座を狙う者

短くてごめんなさい。




( ;∀;)



王宮の王の間、その王座にジークは強引に座らされており、そこから脱出できぬ様手足に剣が深く突き刺さっていた。



「グハハハゥッ!」



ヘムンドゥはその姿に愉快そうに腹を抱えて笑っていた。光景としては悲惨な状況にも関わらずそんな反応をするヘムンドゥは何処か狂っている事が伺えるだろう。



「これは……どういうことだっ!?」


「あん?」



そこに現れたのは反王国勢力の中心的な人物、現騎士団長レオルド・バッコーニーとその他の騎士団長と騎士達だ。誰もが王座に座るジークの哀れな姿に絶句してしまう。そしてジークしかいない空間に見たことのない三人の女性達に注目してしまうのは仕方がない。



「誰だっ、貴様!」


「意外にもはえぇじゃねーか!」



ヘムンドゥは≪"波動(はどう)(バチ)"≫の≪全≫を右手で握り締めると、王間の入り口に警戒している騎士団長達に向けて叩いたのだ。しかし、叩いたといっても直接ではない。ヘムンドゥと騎士団長達の間には広く空いていた。しかし、その≪全≫は叩いた瞬間にあらゆるものを歪ませ衝撃波として襲い掛かってきたのだ。


時空を歪ませ、王間の床や壁、そして天上までも捻れ狂っていく。騎士団長達も魔法などを撃って抵抗しようとするが放った魔法自体もその場で制止して同じく捻れていくのだ。何もかもが捻れ狂う様は自然現象では整理できない。


明らかに超越的なものによって、ねじ曲げられたとしか考えられない現状なのだ。だからこそ、騎士団長の一人はヘムンドゥを今まで合ってきた敵の中で最も最悪な存在だと理解した。その理由の一つが、あのジークを戦闘不能にしたこと。



「ぐっ、ぐぅぅぅぅ────」


「から、だが─────」


「う、あがががががか────」



捻れ狂うのは物だけではない。時空も歪むのならば、音も、光をも狂わせていく。その状態は完全にヘムンドゥの支配下となっている。もう、身動きが取れない騎士団長達はこの瞬間に敗北が決まってしまったのだ。


ヘムンドゥは≪全≫を振り上げ、哀れにも身動きが取れぬ騎士団長達に言葉を投げ掛けた。



「御苦労だったなぁ。だが、ここで────終わりだぜぇ!!!」



第二撃が騎士団長達に襲い掛かる。その第二撃は、先程放った一撃目より明らかに歪ませるだけではなく、破壊をもたらす一撃であったのだ。


歪んできた全てが、硝子の様にひび割れていき───そして破壊の衝撃が騎士団長達に襲い掛かる─────その筈った。



「はぁぁあっ!!!」


「せィッ!!!」



破壊の衝撃を軌道を反らした二撃によって防がれしまう。ヘムンドゥは眉を潜めつつも、破壊の衝撃を回避させた人物をその目で捕らえていた。第二撃が反らされたことによって王間の側壁全てが吹き飛ばされていたが、騎士団長達には被害はない。加えて先程まで歪んでいた時空は元通りとなっていた。



「だれだ……てめぇら」



「狼の、獣人!?」


「白い……」



そこに現れたのはシリルと葵だ。


この二人がヘムンドゥの≪全≫による破壊の衝撃の軌道を反らしたのだ。しかし、シリルと葵の息は既に上がっている。既に魔力も半分も消費していたのだ。しかもヘムンドゥによる≪全≫の攻撃は何とか反らす事しか出来ない。



「……面白そうだなぁ。なら、オレを楽しませてくれよ?────────おぃ!」


「「畏まりました」」



シリルと葵の目の前に立ちはだかったのは、二人の女性。人族と犬の獣人だ。二人は虚ろな目付きで、明らかにヘムンドゥの人形なのだと理解できるだろう。そしてまるで命令を従う姿はまるで作業の一貫の様なものであった。



「「妹様の為、貴方方を止めさせていただきます」」


「シリル!」


「うんっ!」



そして葵は人族の女性を、シリルは犬の獣人と衝突する。それに騎士団長達は二人に支援する姿をヘムンドゥはケタケタと笑いながら見下ろすのであった───。




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