そんな味方で大丈夫か!?
ごめんなさぃ……。
やっぱりあのキャラを登場させようとこうなっちゃうんですよねぇ(笑)
あ、因みにですが設定は最初から決まっていました。
多分驚くと思います、悪い意味で……。
ではでは、変な時間に投稿しましたがお楽しみください……( ・∇・)
クロが『暗黒の化け狐』となり仮面女と衝突している頃、『グランディセウム学園』では既に『女神クシャル』の眷属である存在が学園内に潜入されていた。
潜入を許してしまったのは、やはりあの仮面女が元凶なのだ。彼女の一撃で結界は破壊され、学園内の結界は破壊は免れたが一瞬の歪みを突かれて潜入を許してしまった。
潜入された場所は、まだ幼い生徒達がいる小学部の棟である。だが、そんな簡単に侵入者を野放しにしているわけがない。その侵入者は女達だ。その女の前にはシキと数人の教師達。学園長やこの場にいない教師達は生徒達が避難している教室の守護である。
「最初に言っておきましょう。『勇者』達を差し出しなさい、そうすればこの学園の生徒達は一切手を出さないわ」
武器である剣の刃を露にして子供達がいるにも関わらずに堂々と発言するその中のリーダーであろう女。髪を一纏めにした朱色は何処か正義を象徴しそうなものである。しかし今の彼女がやっていることはまさしく"悪"だろう。
……しかし、ここで厄介な存在も介入していた。
その厄介な存在というのは、シキ達教師達からすれば敵ではない。
「ほぅ、子供達を盾にしようとするとは……神の眷属というのはどうしようもないクズなのだな」
シキ達教師陣の前に先頭に立って敵の女達に対して言うまだ少女らしさを残している女性。黒灰色は右目が隠れる様になっている。紫色の瞳は敵を殲滅させる如く勇ましい闘志を宿っていた。そして特徴的なのは大きくブカブカなコートを上に着ており裾はボロボロな服装。
小学部の生徒達は殆どが、その彼女のことを知っていた。
何故らーーー。
「あ、いつもきからみてくるひとだー」
「先生は変質者って……」
「……いつもいるよね?」
「なんかいつも『ハァハァ』って……かぜなのかな?」
「……なんか、キモいね」
「だ、だめだよっ。女のひとにそんなこと……たしかにあたまおかしそうだけど」
「で、でも、この前私達の着替えを覗き込んで目が怖かったよ!?」
「う、うわ……ほんとにヤバいひとじゃん」
「キモ!マジでキモいよ!!!」
SSランク冒険者『静寂の戦車』シャルロットである。
子供達から人気である。
勿論、悪い意味でだが……。
「……ふっ。子供達からの"罵声"と"汚物を視るような目"で元気がモリモリ沸いてくるな!!!……なっ!!!」
「いや、俺に同意を求めるなよ」
もう手遅れであるシャルロットは同意を求める様に後ろにいたシキに顔を向けるが正直迷惑である。そしてさっきから鼻息を荒くし頬を上気させるのはシキから見ても何だか嫌だ。それは教師達や攻め込んできた敵である女性達も同様である。
「(ていうか、何故ここにいるだよ)」
「それはだな、私が毎日この小学部の子供達を覗き見……もとぃ、見守っているからだ!!!」
「何故心を読む。そして……覗き見、だと……?」
「え、いや……ち、違うぞ?お目当てのアイリス君を狙って……とかではなくて……」
「……面貸せや。うちの娘に何かしたら只じゃ済まんぞ?」
「く、口調変わってないか!?ま、まぁ、貴方にお仕置きされるのは……悪くないなぁ♥️」
「……もうやだこいつ」
シャルロットが介入してしまうと色々と面倒である。そもそもこのシャルロットとコミュニケーションを図るのも容易ではない。敵と戦う前から疲れてしまう。
流石の敵側もシャルロットの発言に困惑してしまっている。それはそうだろう。何せドM……変質者が現れたのだから。思わず子供達の罵声等で頬を上気させるシャルロットに敵のリーダーである女はこう発言してしまう。
「容姿は愛らしいが……なんか、気持ち悪いぞ!?」
「は?もう一度言ってみろ、ぶち殺すぞ。私は見た目が私より幼く愛らしい同性と子供達の罵声は御褒美だが、歳上と15を超えた男のはただただ不愉快だ。普通に殺意が芽生えるぞ」
なんと言う設定なのだろうか。
どうやらシャルロットのドMには年齢制限があるらしい。
子供と見た目が幼い女性には発動するが、15歳以上の男性と自分より歳上っぽい女性には不愉快でしかないらしい。普通は誰にでも不愉快だと思うのが通常なのだが。
しかし、ふとシャルロットの発言に疑問を抱いたシキ。
「なら、俺は15歳以上の男性だが……?」
「「「はぁ!?!?」」」
「え、いや……あれ、敵はともかく何で先生方まで?」
教師達や敵側の女等がオーバーではないかと思ってしまう程に驚愕してしまう。やはりこの場にいた殆どがシキを女性だと思っていたのだ。だからこそ、それは仕方がないことである。加えて勘違いしていたのは敵や教師達だけでなく小学部の生徒達も同様であった。
それにしても、シャルロットの先程の発言の件でシキが疑問に思うのは仕方がない。
シャルロットは15歳以上の男性に罵声を言われると不愉快だと言うのだが、先程まあまあな発言をしたシキに対してドMを発動していたのだ。
シキの歳は15歳を過ぎているし、男性である。
なのでシャルロットにとっては先程のシキが言った発言に不愉快だと感じる筈なのだ。
「何を言うか。貴方は特別なのだ……特別なのだぞ♥️」
「いや勘弁して」
「ふふっ♥️本命がいるのか……ならば、愛人でも構わないぞっ」
「こいつ……ッ!」
こんな緊迫な状況であったのだが、シャルロットが介入した為に色々と酷い状況となっている。正直シキからすればイライラが半端ない。本当に何でこんな時に来たのか。
シキ同様に敵側の女性もイラつきながら腰に携えた剣を鞘から抜き放った。
「ただの冒険者が……こんなところに出てきたところで……」
「……ん、貴様等は何か勘違いしているようだな」
シャルロットは相手を愚か者だという目で睨み付ける。シャルロットがいう勘違い、というのはどういう意味か。それはシキ達も少し困惑してしまう。
それは、自ら自分はただの冒険者ではないと公言したのだ。
シャルロットというのはSSランク冒険者『静寂の戦車』の異名を持つことくらいしかシキは知らない。
だからこそ、彼女は相手に自分の存在を明かす。
「なに……?」
「何を隠そう、私は倭国カグヤ第二王女『シャルロット・カグヤ』なのだからなっ!!!」
「「「「「……はぁぁぁあ!?!?」」」」」
「はぁあんっ♥️やはり思っていた通りの反応だな……ここに年増等がいなければもっと良かったが」
まさかの自分より歳上の同性と15歳以上の男性に対して睨みながら舌打ちをするシャルロット。しかしながら全員がこの様な反応なのは仕方がないだろう。
何せ、倭国カグヤ第二王女、だとは誰もが思わなかった。
加えて、国民は第二王女が『シャルロット・カグヤ』という名なのは誰もが知っている。だが、残念ながら『シャルロット』という名前はこの国では珍しくない。だから彼女をシャルロットという名でも第二王女だとは気づかないのだ。
……因にではあるが、皆の反応は『まさか、貴女が……!?』とか『な、なんだってーーー!?!?』とかではない。
『はぁ、何でお前なの!?』なのである。
よりにもよって、何故こんなド変態が王女なのか……と。
「この……ドMが、第二王女、だと……?」
「あんっ♥️そう褒めるなっ」
流石のシキも酷く狼狽えてしまう。
思わずこの状況……あの『静寂の戦車』シャルロットの正体が、倭国カグヤ第二王女だと他の小尾達へ伝達してしまうのであった。




