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『竃の女神 ヘスティア』 と『月の神 月読命』

すみません!


投稿遅れました!

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【月の神:月読命(ツクヨミノミコト)】


【『日本之神王:天照大御神(アマテラスオオミカミ)の弟であり、月を司る女神の如く美しい男神。外に出る事を嫌い人々の前には殆ど現しておらず、神話で登場しているのは分身でしかない。実は引き隠りであり、天照でも連れ出す事は不可能であった。夜を統べる神である為、夜になると姉であり主神である天照大御神をも凌ぐ力を発揮すると伝えられている。』】


▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲



竃の女神ヘスティア。


彼女は現在、唯一の眷属である不知火姫希と共に神世界へ赴いていた。広々とした世界であり、その世界に果てはない様な錯覚を受けてしまうその場所で極楽浄土の様なある座敷でとある神とヘスティア同様に唯一の眷属と共にテーブルを挟んで座っている。


ヘスティアの前にいる神は『月の神 月読命(ツクヨミノミコト)』。


そして、その『月の神 月読命(ツクヨミノミコト)』の眷属である大御門彦乃であった。



「「ガルルルルゥゥゥ……!」」



姫希と彦乃(このバカ二人)は、出会って早々『獣人族(ビースト)』の姿で毛を逆立て威嚇しあっていた。だが、まだ喧嘩をしてしまうと主神に迷惑をかけてしまうのでそこまではしない。端から見れば『何見てんだこの狸、あ゛ぁん?』『此方の台詞ですバカ狐。ぶち殺しますよ?』といった感じでメンチを切っているのである。



「おひさ……月(つー)ちゃん……」


「そうでありんすなぁ……ヘスティアはんが元気そうでよかったありんす」


「うん……そっちも……元気……嬉しい……」


「暫く合わんと思たら……いい眷属(おとこ)見つけたか」


「うい……そっちも」



ヘスティアと月読命は非常に仲良くお話をしている。月読命が廓(くるわ)言葉なのは姉である天照大御神が原因だ。あまりにも月読命が可愛らしかった為に彼女が廓言葉を教え込み、完全に定着させてしまっている。


この二柱は、唯一の親友とも呼んで良い程の仲でありメル友でもあるのだ。そして同時に前までは(・・・・)は誰一人眷属にしたことない。しかし、運命の悪戯なのか二柱共に神々が最も眷属にしたいトップクラスである不知火姫希と大御神彦乃を眷属としたのだ。



「「がるるるぅぅぅ……!」」


「もう、喧嘩、ダメ」


「いい加減にしなんし」



放っておくと何時までも威嚇し合うだけになってしまうので流石に注意するしかない。前々からこの二人は仲が悪いとは聞いてはいたのだが、まさかここまでだとは思いもよらなかっただろう。


ここは、神々の御用達でもある料亭でもある場所だ。


透き通った湖の上にある座敷で特等席ではあるが、喧嘩していれば今から出てくる料理が出せないだろう。



「失礼しました。ヘスティア様、月読様」


「お見苦しい姿を見せてしまい申し訳ありません……」



喧嘩……ではなく威嚇し合った事を謝罪した後、テーブルの前に持ってこられたのは和の料理の数々。量は一品一品少ないのだが、これは単なる人間が食べても良いものではない。この一品一品が[神気]という、普通の人間にとっては毒でしかないもの。例えば、中央右に置かれている鯖の生姜煮は、鯖自体は少ないが上に飾られた生姜は薄くも多く乗られている。そして煮詰めた鯖や生姜の美味しい出しが下から露となっているのは、期待を……良い意味で期待を裏切るかの様な雰囲気があるだろう。しかし、少ししかないこの鯖の生姜煮でも一口食べれば普通の人間には致死量であるのだ。


数々の料理が並べられる中、人間の世界ならば水が出てくるだろうがこの世界では《神霊水》が注がれた盃が出されるのだ。


これも先述べたのと同様である。


しかし、これらは姫希と彦乃の前にも用意されている。といっても、子供が見ても足りないと感じさせるのには十分な量なのだ。これを食べるくらいならばワンランク下げた料亭の量の方がマシだと考えるのは圧倒的に多い。


料理が全て出し終えた後ヘスティア達は両手を合わせ、食事を始める。


姫希は《神霊水》が入った盃を口に付け一口呑んだ後、正面に月読命と同じペースで食べる彦乃の顔をまじまじと見てきた。



「……何です。不愉快なのですが?」


「彦乃(狸)、その傷(・・・)誰にやられた?」



辺りは沈黙が生まれる。


姫希がいう、"その傷"というのは彦乃の左目にある火傷(・・)の痕だ。その痕は広がる様に痛々しくはないものの、その時はかなりの火傷だったのだと察することが出来るだろう。長い髪で上手く隠していたらしいが、姫希からすれば直ぐにわかること。



「……火傷(これ)については、ヘスティア様を含めお話しておきましょうか」



彦乃は語る。


地球で <理想(イデアル)> 、 <粛正(ジャッジ)> 、 <悪戯(フール)>との戦闘に『マリス』が乱入してきたこと。


その『マリス』は"ハナ"と"ヤム"という名であり、歪で気味が悪い魔導書『ルルイエの異本』でとある神二柱を降臨させ自らの身体に宿したこと。


加えて、"ハナ"と"ヤム"は日本の土地神である二柱を殺害していたこと。彦乃の顔の火傷は、"ヤム"が降臨させた『生ける炎』の神によるものだと思うだろう。



「その『マリス』にやられたのか?」


「いいえ、違います。『マリス』ではありません」


「なに?」



彦乃は『マリス』、"ヤム"ではないと言い切った。


流石の姫希も動揺するしかない。


姫希が知る限り、彦乃程の男に傷を付ける相手は神の力を掌握した『マリス』以外考えられなかった。四大勢力の『混沌(カオス)』、『破壊(ブレイク)』、『永久(永久)』でも彦乃に傷を負わせるのは考えられない。可能性が無いわけではないが<悪戯(フール)><理想(イデアル)>、<粛正(ジャッジ)>のボスが表に出てくるのも考えにくい。



「あの時、私は油断も慢心も一切していませんでした」



その口振りは、今はまだ脅威ではないが何れ確実に神の力を掌握した『マリス』よりも四大勢力よりも最も脅威となるという意味を込めていた。彦乃自身も、地球に『マリス』よりも厄介な敵と遭遇したのは予想外のことだったのだ。


彦乃は言う。


左目の火傷を負わせたその人物、そしてその組織の名を。



「火傷(これ)をつけた相手は……























<報復者《エリニュエス》>のリーダー、『高頭(たかとう)夕佳里(ゆかり)』という女です」




次の話では高頭だけでなく、『勇者』についての重要な話になっていきます。勿論、ヘスティア様や月読命様も話に加わっていきます。


多分ですが、次回から『勇者』編みたいなものになるかもしれません。


次回もよろしくお願い致します。

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