☆最も警戒すべき勢力②
どうも!
11月ですね!
もうあっという間に12月になるんでしょうか……?まだまだこの作品は続きますので、どうぞ読者の皆様よろしくお願い致しますm(__)m
夜空から降り注がれる隕石の様な大群。
殆どが大災害を引き起こした事にただ見ているだけしかなかった。まさか隕石を幾つも生み出して流星の様に降り注がれるとは誰も思いもつかなかっただろう。幾つもの隕石のせいで夜空は昼間の様に明るくなっている。しかし、ここから遠く離れた空は暗いまま。まるで、この場所だけ昼になったようなものであった。
「あらあら、困りましたねぇ」
そう彦乃は降り注ぐ隕石達を恐れる事なく、むしろ向かって前へ出た。「ふふふっ」と頬笑むと『破邪の御太刀』を片手で軽く構えると、まるで祝詞を唱えるが如くこう述べた。
「《我が身に纏えよ、『嵐纏』》』
辺りに嵐の様な激しい暴風がなんの前触れもなく彦乃を中心に発生する。その暴風の影響で辺りの小物が吹き飛んでいく。それは重さも関係がない。その場にあれば全てを吸い込まれる様に吹き飛ばされていくのだ。その光景はまさに辺りを塵に還しそうな災害ものであった。
彦乃は『破邪の御太刀』にも風を纏わすと、刀身を下に下げて構える。
そして、直ぐにその風を纏う刃を横凪ぎに放つ。
「《吹き飛びなさいっ、『烈風絶破』》っ!!!」
放たれた荒れ狂う暴風の斬撃は、迫る隕石達を纏めて吹き飛ばしたのだ。その斬激だけで広範囲の暴風が<理想>達、<粛清>達にも襲い掛かる。あまりにも超越的な暴風によって、彼等は吹き飛ばされてしまう。
いや、わざと吹き飛ばされたのだ。
彼等全員その気になれば、その場で踏みとどまれる事は可能だ。
が、それをしてしまうと風がミキサーの様に身体をグチャグチャにされてしまうと悟ったからだ。例えそれをも耐えたとしてもそこから彦乃による更なる攻撃に対処は出来ない。
だからこそ、わざと吹き飛ばされたのだ。
しかしこれは、彦乃にとってこの一撃目は単なる最初の小手調べである。その証拠に先程の一撃を終えて構えは完全に解かれていた。これは舐めて攻撃したのではない。こんな大規模な攻撃をしたのが小手調べとは言えないと思われるかもしれないが、最初の一撃をどの様に対処するか見ていたのだ。
「(やはりこの地球の四大勢力のメンバー達。吹き飛ばされながらも反撃の隙を伺ってきますね。その中でも……)」
彦乃はやれやれと呆れつつも半分感心した様子で天に渦巻く竜巻の中心に舞う『混沌』達を眺めていた。
「うほほぉーぃっ!やっっっばぁっ、ジェットコースターとかっ、バンジージャンプとかよりも楽しいにゃぁァアーよぉ!?!?」
「うへへへぃぃい!!!こりゃーっ、荒ぶるぞぃっ!!!『混沌』たんっ!そっちはどぉぉぉお!?!?」
「う~んっ。やっぱ『深淵』ちゃんが居ないとやる気わかないねぇっ~~~。まあ、ボク個人的にはもうちょっと激しかったら興奮するんだけどぉ~~~」
彦乃が放った嵐の如く荒れ狂う一撃をもろともせず、むしろ楽しんでいた。『混沌』に至っては彦乃の一撃に感想を述べている。もう真面目にやっているのか、ふざけているのか不明であるが彦乃にとってみればかなりの手練れなのだと改めて確信した。
「どうするよ、大将」
「そうですねぇ……ゴウキ、ミラ。二人は<理想>と<粛清>の相手をお願いしましょうか。私は<悪戯>と相手をします」
「わーかったぜ、大将」
「今は彦乃様の指示に従いましょう」
ゴウキは『破壊』、<理想>達を。
ミラは『永久』、<粛清>達に向けて向かう。その時には彦乃が起こした風は治まっている。吹き飛ばされていた面々も無事に着地してこちらの警戒をしていた。いや彦乃達ではない。互いが互いを警戒し合っているのだ。
だが、彦乃の発言に黙っていない訳がなかった。
その彦乃がゴウキとミラに発言した内容は即ち、喧嘩を売っているものである。
「おいおぃ、アタイ等をたった一人を止めるってのかぃ?」
「<理想>は兎も角、<粛清>を愚弄する発言、看過できませんね>」
やはり特に『破壊』と『永久』の二人は静かに激怒していた。身体から溢れ出す肉眼でも見える青い魔力のオーラがそれを示している。しかしそれに対抗するかの様にゴウキとミラも更に煽る様に言うのだ。
「さぁ?やってみなきゃーわかんねーだろーが?」
「その通りですね」
その発言は自分達だけでこの場を切り抜けられるという事だ。それはやはり二つの組織にとっては面白くない。何せそれぞれは四大勢力の一角であるのだから。
「はっ!おもしろいじゃないかッ!!!やってみなッ!!!」
「こいよ、お嬢ちゃん?」
「てめっ!?」
『破壊』は弾丸の如く突っ込んできたかと思うとゴウキに向けて突進したのだ。そして拳を互いに放った時、ゴウキと<理想>の戦いは始まった。そんな様子を見ていたミラは「さて」と着ていた執事服を正し、<粛清>に向けて御辞儀をする。
「では、貴女方はこの私が御相手致します」
「私も随分ナメられたようですね?」
『永久』も片手に持つ大きく長い十字架を武器の様に構えながら疾走する。それを迎え撃つ様にしてミラは靴の中から大地を踏み締め、その次の第一歩目で迫る『永久』の傍まで瞬間移動の如く移動する。それを肉眼で既に追って捕らえていた『永久』は振りかぶっていた十字架をミラに向けて振る。ミラもそれを迎え撃って拳を放ち、互いのエネルギーの衝突によって爆発が生まれるのであった。
「わーーーっ!楽しそうに戦ってるねっ!……で、君がボク達の相手をする気なのかな?」
「えぇそうです。不満なのは従順承知していますが」
そう『破邪の御太刀』を構える彦乃。そんな様子を見ていた赤の道化はケラケラと笑いながら彦乃を見て言う。
「にゃぁあ~~~っ!この人かなり美人だにゃよねぇ。あの『深淵』たんと同じくらい至高的な美しさ……ハッ!?まさかっ、君は『深淵』たんの女かにゃ!?それにゃら、とてもお似合いーーーっ!?!?」
最後まで言い終わる前に赤の道化の姿は消えた。
それは本当に一瞬であった。
消えたのと同時に近くのビルが大砲でも打たれたかの様に爆発している。
赤の道化がいた場所の代わりに、彦乃が右足で『なにか』を蹴り飛ばしていたあとであった。それを「……え?」という間抜けな声を出す青の道化。そして『混沌』は実に面白そうなものを見つけた女の子の如く微笑んでいた。
彦乃はハッ!とした表情で手ぶらの手で口元を押さえてしまう。完全に無意識だったのだ。無意識でなければ手にもつ『破邪の御太刀』を振るっていただろう。
赤の道化に『深淵』の女と言われたのが引き金となったのだろう。無意識に手を、いや足を出してしまった。一般人であればこの様なことはしないが、やはり敵であるならばそれほど罪悪感もなく彦乃はこう謝罪した。
「あらごめんなさい。私をあの姫希の女だとよくわからないふざけた事を仰有ったので、つい……」
彦乃と姫希……混ぜたら、いや触れたら危険!!!




