女神達の……
どうもっ!
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今回は少しずつ話の内容は、進んでいきます。
とある女神が生み出した強大な[箱庭]。
そこは緑広がる草原に、柔らかな日差しが降り注ぐ。そんな日溜りの下で名の知れた女神、そうではない女神達がそこで優雅に満喫していた。
しかし、そこには女神達だけではなかった。
女神達以外の存在は、その女神達の微笑ましい表情で見守っている。それはまだ幼き存在。この世に誕生した、女神達にとって最も大切な存在だ。
「おぉ~」
「ねー、あしょぼー?」
「ふぁぁ……ねむいよ~」
草原を走って遊んだり、日向ごっこをして眠そうにしている『半神半人』である子供達。中には堂顔でありながらも御腹が膨れている妊婦である女神に話しかけている子供もいる。良く見れば女神の半分は御腹に身籠っているのだ。
「こりゃ……凄いことになったなぁ……」
そう呟いた女神『暁の赤龍』、『アギト』は自分の腕の中ですやすやと眠る『半神半人』の子供の髪を鋤くように撫でていた。その『半神半人』の子供は女神『アギト』と同じく赤いロングウルフな髪型には黄色のメッシュの入った髪、首や腕、脚には龍の鱗が見えがくれしている。だが、唯一異なっている点は臀部からは申し訳ない程度の龍の尾の付け根からはモフモフの毛が生えている。加えて頭部からはちょっと歯が生えかけた様な小さな東洋風の龍の角と狐の耳も生えていた。
この『半神半人』の子供は女神『アギト』の息子だ。見た目は三歳程ではあるが、精神面ではまだ産まれたばかり。特に『半神半人』は身体的な成長は早いのだが、精神面では人間とそう変わりない。
「予想を遥かに越えているな」
そう返したのは『影の国』の最高神である女神『スカアハ』だ。『スカアハ』も自分の膝の上にちょこんっと座る彼女の息子『ミアン』を包むように両手を前に回していた。女神『アギト』の息子同様に『ミアン』の歳も同じくらいだ。今の『ミアン』は母親である女神『スカアハ』と一緒に居れるのが嬉しいのか狐耳をピコピコ反応している。それと同時にうつらうつらと眠そうにしていた。
女神『スカアハ』と女神『アギト』の両者は、共に椅子に座るもう一人の親しい女神へと目を向ける。その女神にとてもスカアハとアギトはどうしても言わずにはいられなかったのだ。
何時ものその女神とは大きく異なる点があった。
それが、その女神の御腹が異常な程に大きすぎるのだ。その大きすぎるその御腹では歩くことも出来ないだろう。そして大きすぎる御腹は今着ている服では隠しきれなくなっていた。
「なぁ、大丈夫なのかよ『フレイヤ』」
「『フレイヤ』、お前という奴は……」
その女神とは、豊穣神である『フレイヤ』であった。
フレイヤは愛おしそうに自身の大きすぎる御腹を大事に両手で撫でながら、2神の言葉に反応した。
「問題ありませんよぉ~。前の時よりかはマシですし~」
「そういやぁ、妊娠第二回目か……」
「お前の身体はどうなっておるのだ……」
スカアハとアギトは呆れてしまう。
実は既にフレイヤには子供達がいるのだ。
フレイヤの元に子供達がやって来る。
その数は 10名。
この10名の子供達こそが女神フレイヤの息子娘達なのだ。因みに10つ子である。年齢は5最程ではあるが、心身共に愛らしくは感じるが何処かしっかりした雰囲気がある『半神半人』の子供達。容姿はフレイヤ同様に見た目は『森人族』であり、尖った耳が特徴的だ。髪は雪の様に真っ白な髪色であるが、毛先が金髪っぽい。それぞれが髪型は異なっており、服装は巫女の様な服装である。
その中で一人の娘が心配そうにフレイヤを呼ぶ。
「おかーさんっ、だいじょーぶ?」
「あら、『モーノ』。私は大丈夫よ~」
どうやらフレイヤの事を気にしていたのか娘の『モーノ』達は「よかったー」、「むりしたら、メッだよ?」と安心して言う。そんな『モーノ』達にデレデレになりながらも「ありがとう~」と感謝する様子をスカアハとアギトは目を丸くしていた。いや、それ以前にフレイヤは変わったのだ。
前までは、同じ女神にも誘惑されそうな色気のある雰囲気だったのが今では別人の様に何にもない、のだ。解りやすく言うのてあれば、フレイヤは格段に大人しくなったのだ。その原因は、恐らく『モーノ』達だろう。加えて今のフレイヤの御腹には8名もの子を同時に身籠っているのだ。
フレイヤの周りにわいわいと子供達が引っ付いているのだが、当の本人は幸せそうである。それは母親としてなのだろうか。
すると、ふとフレイヤはスカアハへある事を尋ねた。
「スカアハ様?少し御聞きしても宜しいでしょうか?」
「なんだ?」
「何故、『白炎帝』と『天空之覇帝』が戦っているのですか?未だに決着が着きそうにないとか」
「……隠す必要はない、か」
『超越者』である『白炎帝』と『天空之覇帝』の親子が戦っている事について、神々の中ではかなりの話題となっていたのだ。フレイヤ等の最高位神ではない神々達は『白炎帝』の主『天照大御神』、『天空之覇帝』の主『ティアマト』の両神が、止めるのではないかと噂されていた。しかし、戦いは激しくなる中その両神は止めることなく放置されている。他の最高位神が止めるかと思われたが、それもない。『白炎帝』と『天空之覇帝』の戦いは最高位神達が黙認しているのではないかという噂が有力だとされているのだ。だが、やはりその実態はどうなっているのかフレイヤだけでなくアギト等のこの[箱庭]にいる女神達全ては興味を持っていた。
スカアハは言う。
「あれは……あの二人の戦いは、所謂『儀式』みたいなものだ」
「ぎ、ぎしき?」
誰もが戸惑ってしまうのも無理はない。
あの神々との闘いよりも苛烈な戦闘をする両者にとって『儀式』だというのは謎である。そんな話を聞いている子供達はあんまりわかっていないようだ。ミアンも頭の上にクエスチョンマークを浮かべているが、内心可愛いを連呼しながらも話を続ける。
「あ、あぁ。『儀式』だ」
「あの戦いが『儀式』です、か……」
「……うむ。『天空之覇帝』アジュリカは、『白炎帝』ハクに継承する事を決意したのだ。勿論、それだけではないが……。あの戦いが終えれば継承も済んでいるだろうな」
「その『儀式』って、何の『儀式』なんだよ?」
アギトはスカアハへ改めて問う。
『白炎帝』と『天空之覇帝』の『儀式』という名の戦いはあまりにも膨大過ぎるのだ。まだ二人は自身の生み出した世界で戦っているので被害は全く無いのだが。
「かつて、かの英雄『半神半人』である『ヘラクレス』、『巨人王リオン』。『アーサー王』、『天女フェルザ』、『森守フーゴリ』、『獣拳アッカス』、そして『天空之覇帝アジュリカ』が脈々と継承されてきた剣……」
「っ!?まさか……!」
「おいおい……初耳だぜ、『あれ』をアジュリカが保有していたのか」
スカアハがいう継承されてきた剣というのは鍛冶の神『ヘーパイストス』が作り出したものなのだが、ヘーパイストス自身も想像を越えた未だに使用者と共に成長する終わりなき栄光の剣。
『巨宝聖剣』と呼ばれているが、それは正しくはない。
その剣の名は……、
「『未来へ繋ぐ栄光の剣』だ」
よく意味がわからない話を投稿していると思われますが、実際は結構意味があったりしてます。
今回の話では、あるお話に繋がっていたりしています。
『未来へ繋ぐ栄光の剣』の継承というのは、誰にでも出来るものではありません。特に所有者の直系には継承が出来ないのが特徴の一つです。アジュリカとハクは義理の親子なので継承は可能です。
『未来へ繋ぐ栄光の剣』の継承というのは、歴代の所有者達の力を受け続けています。所有者と共に成長し、新たな所有者に継承される度に進化しています。
神々の殆どが、『未来へ繋ぐ栄光の剣』の行方が何処にあるのか知らないということでした。まさかあのアジュリカに……というのが神々の反応です。知る神は、スカアハの様な最高位神クラスのみでした。
次回はどの話にしようか検討中です。
候補としては
・シキの話へ。
・地球の話『報復者』
です。
・姫希と彦乃の出会いについては何れ執筆しようとは思います。




