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☆不知火姫希のレポート

⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠⚠



地球が大好きな方、地球は最強の惑星等々と思っている方絶対に見ない方が良いかと思われます。所謂『地球スゲェーーー!!』や『地球の技術つぇぇーーー!!!』な好きな方は見ないでください。責任は持てません。自己責任でお願いします。


あと、何処かの宗教を信仰している方も読まないでください。













人によっては不愉快になるかもしれません。


本当に。




























それでもよろしければ。



どうぞ。



<WAO>の『深淵(アビス)』の仕事部屋。


そこはオフィスの様な造りであり奥には書斎がある。


そんな書斎の引き出しに何やら魔方陣が描かれており、それをとある人物がそれを解錠させようとしてきた。



「あ、あの、彦乃さん?いいんッスか、勝手に」


「むむむ……」


「彦乃さん、マジで『深淵(あの人)』に俺怒られる……」


「あっ、開きました」


「マジッスか」



大御門彦乃は、魔方陣を手で動かしながら金庫の鍵の様に解錠させた。その引き出しは『深淵(アビス)』不知火姫希が施錠させた弟子である田中樹と神田刀奈にも触れさせた事の無い。気になる引き出しを彦乃は開けたのだ。


引き出しの中には分厚い封筒が一つ入っている。その封筒には、護符が貼られていた。その護符に向けて彦乃は懐から取り出した同じ護符を重ねると、カチッと音を立てる。その音を立てて直ぐに重ねた護符は静かに燃えるのだが、それは熱さを感じさせない。ただ重ねた護符2枚のみが燃えたのだ。


封筒はまるで真空パックになっていたように中の量を適格に見せていたのだが、護符が無くなった瞬間は空気が入った様にふっくら膨れ上がっていた。


彦乃はその封筒の中を開くと、机の上に置く。


中に入っていたのはファイルに閉ざされた資料だ。


ファイルを開けると、その資料の中を確認する。



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●【理想(イデアル)

この組織は、恐らく16世紀後半から存在されていたとされる。

表向きには『破壊(ブレイク)』と呼ばれる女性が組織の代表とされているが、実際は裏に何者かが支配していると考えられる。その理由として、過去に私は【理想(イデアル)】のボスと思われる人物と接触。まさしく魔女という風貌はしているが、年齢は10歳程。拘束を試みようとしたが、逃亡され失敗。その女性の名は『マリ(・・)』と名乗り、組織を【理想(イデアル)】ではなく『サバト(・・・)』だと発言していた。世界中の殆どのマフィアやヤクザを支配下にしている凶悪な超大組織。それに対抗組織はあるのだが、報道やマスコミの影響か警察による取り締まりが強くなった為に対抗する組織の戦力が削がれている。最近日本を中心に活動する事が多い。可能性としては日本列島に眠る『あれ(・・)』を目覚めさせようとしているのだろうか。しかし、『あれ(・・)』については<WAO>の一部と『47の土地神』しか知らない筈。まさか、誰かが情報を漏らしたのだろうか。


●【粛清(ジャッジ)

過剰な正義感を持つ巨大な大組織。【理想(イデアル)】と敵対組織である。しかし、この組織も私から見れば【理想(イデアル)】と異なりはするが、犯罪組織だ。この組織について現在判明しているのが『永久(トワ)』が君臨する組織であり、裁かれなかった犯罪者を抹殺するという事を主に知られている。犯罪を犯したのにも関わらず、国によって裁かなければその者の年齢(・・)事情(・・)に関わらず問答無用で殺害される。更に厄介なのがその裁かれなかった犯罪者の親族、関係者に共犯の疑いが本の少しでもあれば同様に殺害されるのだ。全ての悪を殲滅させる善の執行者。しかし、人によっては【粛清(ジャッジ)】を支持する者達も多い。特に宗教的な関係者は多いだろう。


●【悪戯(フール)

この組織に関してはあまりにも情報不足な為に記すことは少ない。ただ分かることは気紛れで物事を乱し、面白ければなんでもする存在。過去に【理想(イデアル)】と衝突があったのだが、恐らく『混沌(カオス)』が関わっているのは確実だ。あの男も【理想(イデアル)】に所属しているが、最近【悪戯(フール)】と同じ思想となっているので遠かれ早かれ組織を乗り換える可能性がある。いや、既に【悪戯(フール)】へ乗り換えているかもしれない。【悪戯(フール)】のメンバーは奇妙な面をしており、声も裏声で話したりする為にふざけている様にしか見えない。しかし『真序列(バックナンバー)』2位を簡単にあしらう為に実力は確かなのだろう。


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●【世界樹(ユグドラシル)

かつて、この地球には【世界樹(ユグドラシル)】が存在していた。しかし今では一本も生えていない。過去に【世界樹(ユグドラシル)】が生えていただろう痕跡は『日本の大分県と北海道』・『アメリカのワイオミング州』等年代は違えど確認している。しかし現代では森林伐採や環境汚染によって【世界樹(ユグドラシル)】は絶滅している。残念ながらこの地球で苗から育てるのは不可能と上層部は判断。成木した【世界樹(ユグドラシル)】であればこの地球でも育てていく事が可能だと判断されたので私、不知火姫希が暫くの間【世界樹(ユグドラシル)】の面倒を見ることが決定。しかし、ある程度成長させたとしても【世界樹(ユグドラシル)】はこの世界で問題なく定着出来るか疑問である。だが、やってみないと分からない事なので試すしかない。


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●【核兵器】

この世界では多数の国々が核兵器を保有している。それこそが『あちら』の世界の国々にとって接触も交流もしたくない要因となっているのだ。何度か核兵器の廃棄を求め各国の代表に直訴したがよい返事は一つもなかった。しかし、核兵器を何とかしなければかの『八大海賊王』の一人、『金剛』のような地球に侵略する者達が現れる可能性が非常に高い。只でさえ『あちら』の国によっては地球を悪だと敵視している。加えて地球を庇護する『軍』にも批難の声が上がっているのだ。過去に『あの事件(・・・・)』があったのだからそうなってしまうのも無理はないだろう。


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●【アトランティスの遺跡】

【アトランティスの遺跡】は発見された。場所をここに記すのは出来ないが、やはり『軍』の上層部からの報告通り4分の1この地球に残っていた。『あちら』の世界には同じく4分の1既に発見されているが、残りの2分の1は何処にあるのだろうか。中は既に何者かの手(・・・・・)によって運び出されており、蛻の殻。【アトランティスの遺跡】というのは、やはり呪詛にまみれた場所であまり長居したくない場所だ。



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●【マリス】

この地球でも前回の前任者からの報告通り出現されている。しかし、目撃例は極めて少なく調査しようにも手掛りが無い為調査はまだ時間は掛かるだろう。何度か遭遇し、意思疎通を試みたが失敗に終わる。


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【禁忌之命金剛石】

【アトランティスの遺跡】に数個発見したが、どれも欠片ほどしかない。だが、そこにあったのは間違いないのだが消えた【禁忌之命金剛石】は何処へいったのだろうか。もし、組織の手に渡っていれば中々面倒な事になる。これが一般人の手に渡ればそれだけで悲惨な事になるので総本部長には他の『真序列(バックナンバー)』や『序列(ナンバー)』だけでなく世界中の魔術師、陰陽師等に通達してもらっている。


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【GMSET計画】

『遺伝子組み換え超人異能計画《Genetically Modified Superhuman Exceptionally Talented》』の略である。これは【WAO】の何代前からの総本部長が行ってきた非人道的実験である。しかも行われていたのは日本の首都東京と大都市大阪の大施設で行われていた。表向きには大企業として巨大な建物があったのだが、その実態はその大企業の施設地下で行われている事が判明。その内容は名前の通り遺伝子組換えによる人工的に人間を生み出す、所謂デザイナーベイビーを生み出していた。既にグレン総本部長によって摘発し、研究に加担していた研究者や企業を処罰している。その研究者は日本人だけでなく、殆どの先進国の研究者や介入もある事が資料から判明した。デザイナーベイビーは液体カプセルに2名を確認。他は雑に放棄されており、既に死亡が確認された。この液体カプセルに入っていたのは年齢10代中半程の少女。研究資料からこの少女は『完成体』といい、研究者達にとって理想以上の個体であるらしい。片方の少女は『欠陥体』として破棄される予定だった様だ。この2名の少女を保護し、既に私の部下として働いている。万が一、私が居ない時や何かあった場合はグレン総本部長か田中樹、神田刀奈の3名に保護するようにしている。

この【GMSET計画】では、もう何名の『完成体』が存在していると調べていく内に判明した。その中で2名の『完成体』というのが、元『真序列(バックナンバー)』である『終焉(フィーネ)』と『姿見(ウツシミ)』ではないかと考えられる。そもそもこの2名に関しては素性が全く無いのだ。何処で産まれ、両親は誰なのかも全く。判断材料はそれだけでなく、『真序列(バックナンバー)』へ加入させたのは【GMSET計画】の指揮下であった当時の<WAO>総本部長の独断だったからだ。当時の日本本部長グレンや他の各国の本部長等も疑問視していたらしい。何より、保護した2名の容姿は『終焉(フィーネ)』と『姿見(ウツシミ)』と同じだったからだ。それは破棄されていた者達も同じ。

何故、あの二人が<WAO>を裏切り襲撃したのかはこの事から理解できる。しかし、残念ながらこの【GMSET計画】に加担していた研究者と関係者等は全て処罰されていない。何処かに逃げ延びて、最悪何処かの組織に属している可能性も十二分ある。

この【GMSET計画】での被験者は、数年前から行方不明になっていた『あちら』の世界の2名の女性であった。その女性を母胎としていたのだろう。心身共に疲弊しており、直ぐに『あちら』の世界へ送還した。彼女達曰く、自分達以外にも過去にもう3名の女性も居たのだが既に亡くなっているとのことだ。この件で、『あちら』の世界の国々の殆どが地球を敵視する決定的なものとなってしまった。正直、この件で私はもうどうすればいいかわからない。


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「……」



彦乃はその資料というより、不知火姫希のレポートを目を通し終わると深く目を閉じる。事前にこのレポートの事は既に『軍』にいる上司に提出済みされており、内容は大体は聞いていたが改めてこんな事になっているのには彦乃も頭痛を感じるしかない。


しかし、この事を見ても彦乃は何かを言うつもりもなかった。それを黙っていた田中と神田であったが、田中は覚悟を決めて彦乃の名を口にしようとする。



「彦乃さーーー」


「貴方達には先に言っておきましょう」



田中の発言を阻む様に彦乃は言う。


それは、二人にとって衝撃的な事であった。




「『真序列(バックナンバー)』1位『深淵(アビス)』不知火姫希を<WAO>から脱退し、『第八軍』へ異動が議会で決定しました」




即ち、『深淵(アビス)』はこの<WAO(組織)>から居なくなるということ。もう、この地球には帰ってこないということを彦乃の口から発言されたのだ。


あまりにも急すぎる話だ。


それに本人が居ない今そんな事を決められるのか、と。



「前々から、貴方達"地球人"があの姫希()を拒絶していましたね。"姫希(サタン)"を滅ぼさなければならない存在と明言し、前の大災害はあの『姫希(悪魔)』が起こしたことだ、と。とんだ笑い者ですね、本当に」



不知火姫希は『魔王サタン』の王族でもあるが故に起こってしまった。この地球にとって『サタン』という存在はどの様なものか、大体分かるだろう。それは彦乃にとっても同じこと。この世の悪であり、『悪魔』だ。そんな存在がこの地球にいる事によく思わなかったのだろう。


軍の上層部は、これ以上地球に『魔王(サタン)』の資格を持つ不知火姫希の身に危険があるとしてこの結果になったのだ。



「まじか……!」


「……」



田中と神田も、この結果になってしまった事に呆然とするしかない。しかし、二人とも何れこうなると勘づいてはいたのだ。それは、『深淵(アビス)』自ら発言していたのだ。「自分はこの地球(世界)にいられなくなる」と。だからこそ、田中や神田達を今の『真序列(バックナンバー)』よりも実力を誇る弟子達を育て上げたのだ。そして、『マリス』の驚異から防ぐ為に『あるもの』を作り出した。


何時でも『深淵(自分)』が、居なくなってもいいように。



「ま、そんな事(わたくし)には関係ありませんが」



彦乃は言うだけ言うと、この場から退出しようとするといきなり扉がバンッ!!!と乱暴に開かれた。しかしこの場にいる者達は驚いた様子はない。


その扉を開いたのは、黒服を着た少女であった。


肩を上下させている事から全速力でここへ走ってきたのだろう。



「これはッ、どういうことよ!!!」



少女は叫ぶ。


彼女は『真序列(バックナンバー)』6位『空間使いディメイションマスター』。まだ14歳でありながら現在最年少の『真序列(バックナンバー)』である。<WAO>総本部長から言い渡された『深淵(アビス)』について憤っていた。



「なんで『深淵(あいつ)』を脱退させるのよッ!?」


「……話を聞いていないのですか?」


「聞いたわよッ……!でもっ、そんなの納得できない……!」


「貴女が納得しようがしまいが、関係ありませんよ。これは既に決定した事ですから」



空間使いディメイションマスター』の声に傾けようとしない彦乃。彦乃にとって、この地球がどうなろうが正直どうでもいい。今の立場上、この地球まで守れというのはほぼ不可能。しかも彦乃は『魔王(ルシファー)』の王族。『魔王(ルシファー)』といえば、『魔王(サタン)』同様この地球(世界)でどの様な存在かわかるだろう。今回は地球に出現している『マリス』について調査をしにきただけである。因みに『深淵(アビス)』不知火姫希の部屋の引き出しを漁っていたのは姫希の了解を前々から得ているのだ。その証拠に解除時に使用した護符が何よりの証拠だ。


彦乃はまるで母親の様に微笑むと、優しい音色で子供を咎めるかの様にこう言った。



「最終的判断を下したのは、貴方達地球人なのですよ。それを私達異議したところでどうすることはできないのですから」






全員が賛成しているわけではありません。


特に国々の代表者等は反対はしていたものの、このままいけば『深淵(深淵)』に危険な目に遭うと考えてこうなりました。


『サタン』や『ルシファー』は宗教上絶対なる『悪』です。


それなら不知火姫希以外の軍人がやれよ!と思われるかもしれませんが、仕方がなかったのです。


誰もが『地球』へ行くことを拒んでいたから。


そしてあの三体の超巨大モンスターによる被害によって、更にというか異常に拍車が掛かってしまったのです。

結果、こうなるのは仕方がないのです。



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