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すごい妻達

どーも!


またまたまた投稿でありまする!


正直今回の物語は飛ばしてもおーけーです!



朝。


その日はリゼットとアルトレア、スミリアと共に『クラウィンウス』という非常に珍しい馬モンスターではあるが普通の馬に変装したロットに馬車を引かせながら『カグヤ』の『キョウラク』城下町へ向かっていた。勿論、従者であるシリルとリラも同行している。リラがロットの手綱を引き、そのリラの肩に猫の姿となったシリルが乗っていた。加えてシキ達の御手伝いをしたいということで娘であるアイリスとマシロも一緒だ。


目的地は雑貨屋と薬屋、そして屋台市場である。


何故そこに向かっているのか。


その理由は馬車の中に関係している。



「着いたぞ」


「にゃー」



あっという間に雑貨屋へと到着したシキ達。


到着した雑貨屋というのは家具や食器等を販売している大きな店である。邪魔にならないように端に馬車を寄せると、その馬車から木製の箱を三つをシキとスミリアが運び出す。



「なぁ~~~!!!リアたんきたーーー!!!」


「はい。ちゃんと今週も持ってきぞ店主」


「いやぁ~ありがと~っ。ん?旦那さんも一緒かいなっ」


「今日は多めに持ってきたから、手伝ってもらったのだ」



この雑貨屋の店主である『ドワーフ』の女性……というよりスミリアとそう変わらない少女はスミリアの肩をバンバン叩きながら「ありがとなぁ~っ!」と豪快に笑う。容姿と振るまいが全く一致していないのは前々から思うシキである。



「でっ!今日はどんなん持ってきたん!?」


「前と変わらず同じものだぞ。あとグラスを少々、かな」



その木箱の中には、紋様がある底が浅いお皿や湯飲み、透明なワイングラスである。割れぬように軟かな羽毛の様なもので保護されていた。どれも芸術性があるものであるが、どれもスミリアが作ったものだ。最初はシキ達の為にオリジナルで作っていたのだが、それが趣味となり今では良い値で売れるものとなる作品となった。



「はぁ~~~……やっぱリアたんが作ったこの容器、その紋様はいいなぁ……よしっ、決めたでっ!!!これ全部で小金貨5枚や!!!小金貨5枚で買い取るでぇぇえ!!!」


「むっ、いいのか?」


「安いか?なら……」


「あ、それでいいぞ」


「ありがとなぁ~!!!」



スミリア曰く、何時もは大銀貨三枚程らしいが日に日に買い取り価格が上がっているらしい。店主にはあまり高過ぎる買い取りは止めて欲しいと言うのだが。



「いやだって、リアたんが作ったの客さん等の人気高いし……」



ということらしい。


次回からは小金貨5枚以上はもらわないとスミリアは店主に宣言する。それに店主は「ええのっ!?」といった感じである。スミリア自身がそれでいいのならばそれでいいとシキは思いつつ、雑貨屋を後にし薬屋へ向かうのであった。




~~~~~




雑貨屋から薬屋はそれほど遠くはない距離にある。


約5分もかからない程度だろう。


薬屋は清楚な外装でありどちらかというと女性向けに良さそうな場所である。実際に女性のお客が多いらしく薬である『ポーション』や『毒消の薬』等だけでなく香水や洗髪料等という女性向けに嬉しいものを販売を主としておるのだ。


雑貨屋同様に馬車を端に置き、馬車からお洒落な白い木箱を6ケースをシキが運ぶとアルトレアが先に店に入り挨拶をする。



「おはよーございます、アルです。店長さんはいますか~?」


「あらっ。アルちゃんいらっしゃい。何時もの『あれ』持ってきてくれたの?」


「はいっ!」


「あぁ、助かるわぁっ!あっ旦那さんも一緒なのね」



この薬屋の店長であるグラマラスなエルフの女性である。魅力は確かにあるのだが、男に魅せるというより同じ女に魅せている感じの美しさである。要は女性からして受けが良さそうな容姿なのだ。他の従業員も女性である。


シキは何時も置く定位置に木箱を置くと、それを確認のために一番上にある木箱を開けると約20本の小さな硝子瓶に液体が入っている。


実は全て『ポーション』である。


一般的に『ポーション』というのは効き目はあるものの、かなり苦い物であり冒険者達からすればしんどいときに、疲れている時に飲みたくないものだったりする。口から摂取したり、傷口に直接かけたり等。


だが、『ポーション』でもアルトレアが作ったのは『マナポーション』だ。通常の『マナポーション』も同様に苦いのだがそれをアルトレアは『マナポーション』に果実の味を付けたのだ。だが、味をつけたことにより普通の『ポーション』より効果はじんわりと効いてくる。だが、 緊急でない限り魔力の使用で疲れた時に『ポーション』を飲むなら断然こっちの方がいいのだ。


店長のエルフはその中から一つ瓶を取り出し、確認の為かアルトレア特製の『マナポーション』を一口飲んだ。



「うんっ♥これは……新しい味ね?」


「それは『玉露(ぎょくろ)』といって、とても甘いお茶なんです。その甘さと苦さが丁度よかったので……」


「ええっ!甘苦くて……飽きないわぁ」


「試作品なので……どうですか?」


「うふふっ。これはいいわぁ……ちゃんと魔力が回復してる」



試作品の場合は本来は値は付けられずタダなのだ。


一旦薬屋で問題ないかを店長自身が確認する。そして商人ギルドに申請をかけるのだ。その厳重な審査を受けて初めてその『マナポーション』を販売することができる。やはり薬なので厳重なのだろう。



「審査の結果は来週には出るはずよぉ。で、他は何時もの『チョコレート』と『グレープフルーツ』ね?」


「はい」


「おーけっ!じゃっ、小金貨1枚ね。あと、おまけにシャンプーつけちゃうわ!」


「えっ!?いっ、いいんですか?」


「何言ってるのよっ。アルちゃんのお陰で皆大喜びよっ!」



どうやらアルトレア特製の『マナポーション』は女性陣から好評価らしい。中にはアイリスの通う学園の先輩達からも凄い人気だということ。店長からほぼ強制的にシャンプーを貰ったアルトレアであった。


そして最後の目的地、屋台市場へシキ達は向かうのである。




~~~~~




屋台市場に到着したのは昼前だ。


屋台市場では昼と夜が特に賑わう時間帯である。屋台市場といっても路上に販売しているのも多いが、勿論店多い。店はチラホラ開いてはいるが他の店は本格的に開店するのは夕方だろう。その代わりに屋台を出している店もある。


その屋台市場にとある野菜を扱う市場がある。


野菜市場は、主に『カグヤ』全国から運ばれる野菜を商人向けに販売する場所なのだ。この野菜市場は『商人ギルド』が経営しており、運ばれた野菜に問題がないかを検査した上で販売される。実はこの検査は迅速にかつ正確に行われるので中々慌ただしい場所でもあるのだ。



「おーい、来たぜ!」



リゼットは近くにいた職員に声をかけると、どうやら顔見知りらしく「リゼットのあねさぁん!」と駆け寄ってくる。図体はリゼットよりもシキよりも大きな女性だ。身体も鍛えているのか逞しいが、それに対して中々美人で勇ましい。どうやら彼女は冒険者でもあるらしい。


馬車から[箱庭]で育てた野菜達を入れた木箱をシキ達は次々運んでいく。アイリスとマシロも手伝っている。どうやらこの魔族の女性はリゼットに夫と娘がいることを初めて知ったらしく「すげぇ、あねさぁんっ」と尊敬の眼差しを向けられていた。どうやらかなりなつかれているらしい。



「終わったよ~」


「なの~」


「おうっ、ありがとな二人とも。で、これで全部だけどいいか?」


「今日もありがとうございあす、あねさん!にしても娘さん、スゲー力持ちッスねっ!あの箱を軽々と運ぶなんて……さすがあねさんの娘さんッス!」


「おっ、おー、そうだなー」



かなりグイグイくる魔族の女性。そんな彼女に少し少し引き気味である。アイリスとマシロも不思議そうにしているのだが、特に興味もなさそうになったので、近くのシキにきゃっきゃと抱きついた。それ光景を見ながら魔族の女性は羨ましそうに思う。



「(いいっすねぇ……うちも結婚して子供を……てか、旦那さんめちゃ美人じゃないっすか!?)」


「……どーしたよ?」


「なっ、なんでもないッスよ、あねさん!」



娘二人と遊ぶシキをジッと見ていたのがいけなかったのか、リゼットはそれを警戒するかの様に軽く睨み付ける。それでも実はかなり怖かったりするのだ。


とりあえず、この野菜は全て『小金貨1枚と大銀貨3枚』となった。これほど値が高いのはシキ達が栽培する野菜が人気が高いことを表しているのだ。


妻達、リゼットとアルトレア、スミリアは殆ど趣味程度でやっているのだが、これほど儲けているのは凄いことだろう。


シキは帰る馬車に揺られながら心底こう思った。


俺の妻達、すげぇ、と。





次回の投稿は木曜日です。


よろしくお願いしますm(_ _)m

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