小学部3年C組
どうも!
またまた投稿しました!!
総合評価4000を越えました!!!
読者の皆々様、ありがとうございます!!!
今回は百合っぽいです!!
ほのぼのです!!
小学部3年Cクラス。
その教室では地球の日本とほぼ大差ない少年少女達が昼食を取っていた。中には食堂もあるのでそこへ行っているものもいる。
そんな中、教室からノロノロと疲れた様子で入ってきた生徒が一人。
「うぅ……説教が長いのだぁ……」
そう虚ろな目をしていたのは未熟な自称『魔王』ロード・メモリアであった。勿論説教が長かったのはロードが授業を無断で欠席したからである。事前に授業を受けないと意思表示をすれば説教はなかったのだが。
そんなロードに声をかけた生徒が一人。
「どうしたの、ロード?」
「おぉ!?我の婿殿ーーー」
その生徒は、ロードの同じクラスメイト。
翡翠の目に長い蒼色の髪は後で髪紐で結われている。そして爽やかな白のカッターシャツの上には制服を着ており、下は脹脛の半分まである青色のズボン。そのズボンから靴までにスラリと細い脚には黒のレギンスが見えるだろう。
ロードはそのクラスメイトを婿と言っているが、残念ながら男ではない。外見からは美少年にしか見えないのだが。
彼の……彼女の名はアイリス。
そう、シキの娘であるアイリスである。
最近このクラスに入学したのだが、既に馴染んでいた。
仏頂面ではあるが、そんなアイリスにロードは抱き付く。
「先生に怒られたのだ……」
「うん、それはロードが無断欠席したからだよね」
「うぅ……冷たいぞ婿殿」
抱き着いて離さないロード。
何処が『魔王』なのか、と思われるがそれは単なる差別にすぎない。自称『魔王』であっても、本当の『魔王』であっても、その1つの存在は様々な色や形が違うのだから。
そんな百合百合な……といってもアイリスからすれば困った様子で抱き着いたロードをどうするかと考えていると一人の少女がこちらに近付いてきた。
その少女は雪のような真っ白な純白の肩まで伸びた髪からはひょっこり同じ色の狐の耳が生えており、そしてお尻からは一本のもふもふの尾が毛だ立っていた。露出が殆ど無い着物を着用している。その上でブレザーを羽織っていた。
「アイリスからはなれるの!!!」
「むっ!?我と婿殿の邪魔をするか、義姉様!!」
「だれがあなたの姉になるかっ、なの!!!」
「婿殿~、義姉様がこわいのだ」
「むきーーー!!!」
その少女、マシロはアイリスに抱き付くロードを引き剥がそうとするのだが、アイリスはやれやれとしながらも抱き付く手を優しく添えてゆっくりと放した。手を添えられたことにドキッとしたロードであったが、アイリスの手には反抗することが出来ずに抱きしてる手を緩めてしまう。そしてアイリスは滅多に見られない微笑みをロードに向けて言う。
「ごめんね」
ロードは一瞬、その「ごめん」という意味がわからなかったが直ぐにその意味を理解する。
アイリスはマシロに向かって両手を広げたのだ。
「マシロ」
その言葉にマシロはぶぁっとキラキラと輝く笑顔になるとアイリスの胸に向けて飛び込むように抱き着いた。
「なーの~」
すりすりと甘える様にする様子はマシロの可愛らしさを際立っていた。耳はピコピコと、尻尾はふりふりと嬉しそうに反応していたから余計にである。まるでアイリスが妹というより姉の様にマシロの頭をよしよしとしながら撫でていた。
しかし、ここでアイリスは気づいてしまった。
このじゃれあいはアイリスからすればそれほど目立たないものだと思っていたのだ。だが、何故か教室の端側にいた筈なのだが周りから注目を浴びていた。実はこの様なじゃれあいはこれが初めてなのだが、周りのクラスメイト達は……特に女子達はヒソヒソ話をしていたのは中々傷ついてしまう。
何か変な事を言われているのではないか、と感じてしまうアイリスであったが本人は気付かない。
「いいなぁ……」
「私もアイリスさんに……」
「マシロちゃんもかわいぃ……」
「わ、わたし、アイリスさんが女の子でも……」
「……先生もあんな風に頭撫でてほしいなぁ」
実はアイリスはクラスメイトの女子から人気があったりするのだ。それはクラスメイトだけでなく、他のクラスメイトの女子達もチラホラと。しかしそんな事はアイリス本人は知るよしもない。このクラスの担任である女性教師もぽろっと何か言ってしまっているのは何故だろうか。
しかし、そんな雰囲気に物申すものが一人いた。
「ちょっと!あなたたち、なにをやってるの!?」
その女子は、このクラスメイトの代表でもある豹の獣人『ユリ・ラーヴァ』であった。
「あ、委員長」
「アイリスさんっ、あなたはただでさえ男の子みたいなのですからそのようなことはしないでください!」
「あははは……ごめんなさい」
「あっ、いぇ、あやまらなくても……」
「くぅっ!?ユリよ、お主も婿殿を狙って……」
アイリスは確かにこれだけ変に目立ってしまえばユリにそう言われても仕方がないだろう。マシロはというと「ふゅぅぅ~」と居心地よく和みながら外部の事など一切気にしていない様子。ユリはユリでただ、内心アイリスに抱きつきながら幸せな表情で和んでいるマシロが羨ましかったというのが本音であったりするのだが、アイリスとの会話に緊張してしまいオロオロしていた。
そんなユリの様子にロードは余計な口出しをしてしまい、地雷を踏んでしまう。
「ロードさぁん?貴女、またサボったのですよね!?」
「あぅ!?それはだな……そぅ!自主勉なのだ!自主勉をしていたのだっ!」
「それをするならば、じぜんに先生へほうこくしなさい!!!」
「せっ、説教か!?また説教なのか!?我は『魔王……」
「この学園では『まおう』なんて関係ありません!!ここでは生徒なのですから……それに、そろそろ口調はやめませんか。ロードさん、女の子なのに……」
「これが我なのだーーー!!!」
そう、自称『魔王』ロードは、女の子である。
大体アイリスに『婿殿』等と言っている時点で気付いているのが大半だろうが。ショタみたいであるが、男ではないのだ。
そんなわいわい楽しそうな光景を外の近くにある木の枝上に一匹の烏が見ていた。その烏は普通の烏ではなく、三本に微かに羽毛から細かな金粉の様な光が漏れている。そしてその烏の首から蒼色のまんまるとした真珠が下げられていた。
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目の前にある蒼色の水晶に写し出されたアイリスとマシロ、そしてクラスメイト達の様子を観ていたのはシキとリゼットであった。あの烏はリゼットの『契約モンスター』であったりするのだが、そのリゼットは横に一緒に観ていたシキの様子に思わず声をかけてしまう。
「……シキ?」
「~~~っ!?!?」
シキは口を押さえて悶えていた。
何故悶えているのか。
その理由は簡単である。
アイリスとマシロが、あまりにも可愛すぎたのだ。
本来のシキであれば、アイリスとマシロの前では毅然とした態度をしているのだが実は二人が可愛すぎて仕方がないのである。実はそんなシキをアイリスとマシロも知っていたりするのだが当の本人は気付いてない。
そんな悶えているシキの頭をポンポンと撫でながらリゼットは思う。
「(悶えてるシキもかわいいよなぁ……)」
リゼット自身もアイリスとマシロが可愛くて仕方がないのだが、それと同時にこの様に悶えるシキも可愛かったりする。ここにアルトレアとスミリアも居ればリゼットと同じく思っていただろう。
いつの間にかアイリス達の教室から戻ってきた烏が窓から入り、リゼットの肩へ止まる。
「さんきゅーな、『ヤト』」
「クァっ」
烏……いや、八咫烏のヤトは小さく鳴くとゆらゆらと我慢するかの様に揺れるシキの九つの尾を不思議そうに顔を傾げていた。
リゼットはシキの頭を撫でながら言う。
「おーぃ、そろそろ休憩時間終わるぞー」
「そ、そうか」
いやぁ、シキさん親バカですねぇ(笑)
反抗期とかなったら……どうなるかな?( ^∀^)
そういう話は後々で出てくるかも?
今回は百合……GL?でしたが、次回は少しシビアです。
冒険者ギルド総本部でのお話です。
各クランのリーダー達や、あのへんた……女性も……登場する、かも?
さて、どんな話をするのでしょーか?




